よくかんで食べていますか。
日曜日にデュッセルドルフからドイツ北部の街へと移動し、月曜からこちらの事務所で仕事をしている。
ところで、先週の土曜には年に一度のJapan Dayのお祭りがデュッセルドルフで開催され、ドイツ各地から日本好き(=主にコスプレ好き)が一堂に集まり大盛り上がりだったようだ。私は観光に行っていたため、残念ながら見に行くことができなかったが、夜中にデュッセルドルフに戻ると、駅はコスプレした人たちで溢れかえり、プラットフォームにも入場規制がかかるほどで、異様な光景が広がっていた。日本のコミケの時にもりんかい線の駅前がごった返すが、それと似たような独特の熱気が漂っていた。コスプレというコンテンツのグローバルな強さを目の当たりにした瞬間だった。
さて、今日の表題。
出張でこちらの事務所に来ているときは、昼食はたいていドイツ人の同僚と一緒に近くの食堂に食べに行くのだが、彼らの食べるスピードの速さに毎度戸惑っている。すでに定年を迎えた60代と70代ベテランエンジニアが特に早食いなので驚きだ。
こちらの食事のボリュームは日本人の我々にとっては決して少なくないので、彼らのペースについていくのは大変だ。
私は日本人としては体も大きく、どちらかといえば早食いの方だと自覚しているのだけれど、こちらに来るといつも早食いレースでビリを争っている。
日本では小さい頃から「よく噛んで食べなさい」と教えられることが多いと思う。
それは消化のため、ダイエットのため、食事を味わうため、等々の理由があるのだろうが、いずれにせよとゆっくり食べるほうが良いことだ、というのが一般的な認識ではないだろうか。
それに対して、こちらの人はあまりそういう認識はなさそうだ。そもそも食事には無頓着な人が多いように思う。 昼食もサンドイッチなどで簡素に済ませたり、スキップしてしまう人も多い。
ただ、昼食は非常に手短に済ませる一方で、仕事を早く切り上げて早く家に帰り夕食を家族でゆっくりと食べる、という話も聞いた。
こうした話を聞くと、ドイツ人の合理的な面がよく見て取れるように思う。 昼食は休憩時間中とはいえど、あくまで業務時間内であって、できるだけ早く済ませるべきという考えがあるのかもしれない。
もちろん昔かたぎの職人肌の人たちなので、単純に食事にこだわりがないだけということかもしれないけれど。
なんにせよ、食事に対するスタンスというのは、国民性が出て面白いといつも思う。
インドにいたときなどは、昼食の時間になると、どんなに打ち合せの区切りが悪くてもみんな食事に行ってしまうので、諦めるしかなかった。想像だけれども、イタリアやフランス人も食事を先延ばしにしてまで打合せはしない気がする。 他にも中国の人は基本的に冷えたものは食べない(=弁当は持たない)。
日本人はというと、ドイツと同じように仕事が忙しいと昼食をスキップする人もけっこういるだろう。
個人的には素直に腹の虫の声を聞いて生活をしたい。 そして、できればよく噛み、味わって昼食を食べるようにしたいものだ。
写真はドイツ(ベルリン)名物のカリーヴルスト。
カレー粉ベースのソースがかかったソーセージとフライドポテトだが、ここのはフレンチフライのソーセージ添えっかというくらい芋が多い。
ドイツの物価は決して安くなく、昼食も外で食べるとチップ込みで10~15ユーロくらい平気でする。それに対しここは市が運営する食堂で4~8ユーロでおなかいっぱい食べれる。
なので、欧米からの旅行客にしてみると、日本の外食のコスパとクオリティはともに非常に魅力的なのだろう。