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写真と自由詩 田舎暮らしの小窓~ほどける~


寒さが和らぎ
空色が少しずつ濃くなって
景色がゆっくり色づく

川沿いの道
ゆるやかに続く並木

やわらかな陽ざしのなかで
自転車を押す彼と私の影が
足元に寄り添い淡く揺れる

その隣で透き通る光を映した川面が
そよぐ風を受けてきらめいている

足音に砂利の音が少しまじり
橋の上の空気の冷たさが
ゆっくりと足元にしみ込んでいく

その余韻の中に
落ち葉を踏む音がほんのり重なって
言葉をかわすたび
歩幅をあわせるたび
自然に心が近づいていく

私の少し冷たくなった手が
彼の手の温もりにそっと包まれる

影もまたひとつに交わり
春の光にやさしくほどけた

空色に琥珀糖色がにじみ
桜色と若葉色がふわりと舞い降りる




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