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【くるひか】3.病院は好き、点滴は嫌い

今日は市展の提出日だった
小さい娘がテーブルにほっぺをくっつけて、
「ねえ、ねえ、今日ね、」
って言ってる絵を描いたので、それを主人に運んでもらった

入学前にあんなことになり、それから今まで、本当に「話を聞く」ことの難しさに悩んできた
やっと娘の話に耳を傾けることができるようになれて、うれしい
その嬉しさのあらわれた絵が描けていると、よいのだが

軽ワゴンに絵を載せる途中、ワンコ散歩中の町内会長と出会った
「あら、病院に行くの?」
「いえ、市展に絵を出しに行って、その足でリハビリへ」
「そうなの。みんなで昨日も話してたのよ、あなたがいなくなって、本当に勿体ないことになった。加害者に談判に行きたいくらいだわって」
「えへへ、ありがとうございます」
現・町内会長も事故から5年近くが過ぎて、ようやく私の置かれている状況を理解してくれ、生活を応援してくれるようになってきた

見た目では分からないことがある。
それは、私も等しく、真の意味では気づいてなかったことだった

私を突き飛ばしてもなかなか止まってくれなかった黒い車が完全停止したのは、駆け寄ってきた主人が窓を叩いて怒った後だった
それでも運転手は私を見ずに、パワーウインドウで窓を下げて、主人と話している
びっくりしている
私たちは抱き合って泣いていた
びっくりどころではなかった
全身の痛みと同じ位、娘が命拾いして嬉しい
小さい体が潰されなくて良かった
雲ひとつない青空は、お昼を過ぎ、ますますキラキラ輝いている
私と娘のほかほかダウンのピンクコートも、キラキラ太陽に輝いていたはずなのに

運転手がようやく降りてきた
私と娘は横断歩道の終わりの植え込みの花壇っぽいところで
私はしゃがみ、娘は立ったまま
運転手は私と同じくらいか若いかもしれない奥さんで、横断歩道のほうから走ってきた背の高い若い男が旦那さんぽくて、その、後から走ってきたほうが息を切らしながら
「うちのが何か!?」
と聞いてきた
(な に か ?)
車体の当たった腰も太ももも、壮絶な重みに挟まれ変な方向に折れそうになった膝も足首も、娘を守ろうとして強い衝撃を受けた背骨も首骨も、ぜんぶ悲鳴を挙げていて、いったい何を言いやがっているのか分からなかった

ーーー

毎日note投稿しようとしてたのに、昨日、金魚の水槽みたいだから大好きなデイケアで、リハビリの休憩タイムに倒れてしまい、たまたま納骨式のため帰省していた大きいほうの娘から循環器内科連れて行かれたり、今日は今日とて墓から帰りがけ点滴行ったりしてたら、日付変わってしまってました
これは昨日の分になっちゃったので、今日はあとで今日の分をまた挙げます

おわびに、大きい娘の描いた火星人
小さい娘の描いた火星人(え!!!!)

みなさーん、お天気がどんだけ良くても、車は人を見ていません!
どうか外出の際はお気をつけて!
ハッピーだけがあなたに訪れますように!!


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