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日常感想10:美しい休日の業務連絡の誤解。
個人の連絡先が公私兼用になってしまうことは物凄く神経に障る。
仕事を円滑に進めるように、渋々とあるメーカーさん担当者とラインを交換した。
おっとぉ、誤解なきよう、もちろん相手は男性の方だ。
事の発端は今週の土曜日、朝練が終わった頃だった。
着替えて、ロッカーから携帯を取り出して画面を確認すると、メーカーの担当者からメッセージが届いていた。
「連絡が遅くなり申し訳ありません。こちらにもいろいろ事情があるので、どうか察していただきたい。」
普段の私なら、休日に業務連絡が来ても一切返事をしない主義だ。
だが何故だろう。気まぐれが起きてしまったせいだろうか?魔が差してしまったせいだろうか?ついに返信した。
「水曜日から音沙汰がなかったので、ずっと気になっていました。ご連絡いただけて安心しました。その事情について、よろしければ教えていただけますか?」
すると、間もなく返事が返ってきた。
「もちろんです。お時間を作っていただけますでしょうか?」
「はい、本日でしたらいつでも大丈夫です。○○さんからのご連絡をお待ちしております。」
やり取りはそこで途切れた。しばらく待ってみたが、返信はなかった。向こうもさすがに休日に業務連絡をするのは気が引けたのだろう。私も特に気にせずその日は終わった。
翌週、担当者から改めて事情を聞かされた。
どうやらそのやり取りを、彼の彼女さんに見られてしまったらしい。そして、私が浮気相手だと勘違いされたのだという。
激情に駆られた彼女さんは説明も聞かずに家を飛び出し、そのまま実家へ戻ったそうだ。彼が誤解を解くのに一日かかったという。
これはこれはとても美しい誤解だ。
主語を省略しても成立する日本語という言語の妙。曖昧さが思わぬ方向へ転がる様を目の当たりにし、改めて日本語の表現の“卑怯さ”を実感せずにはいられなかった。