母の頭痛、お灸で治そう
この日、京都は38.7度
時折、川面から吹く風は熱気を帯びている。
床が並んでいる鴨川を横目で見ながら
母の家に急ぐ。
このところずっと頭が痛いと言う母へ、
"そうだ、お灸をしに行こう"とひらめき
夫を見送る前に、早朝から家を出る。
突然の訪問に目尻を下げる母
頭痛だけでなく、腰痛もあるから
どちらのツボにもお灸を据える。
『じんわりと温かいわぁ〜』目を細める母と
お灸の最中、昔話に花が咲く。
母とは、10才の頃に別れて
私は父と新しいお母さんに育てられた。
いまこうして、母に会えるのも
周りの人達の思いやりのおかげ。
人生の荒波を86年も超えてきた
母の手のシワはクッキリと深い。
『ひろちゃん』と呼んでくれる母に
あと何年会えるだろうか。
高齢になると、一瞬一瞬の母との
時間は、ホントに貴重に思う。
翌々日、母から電話があった。
『お薬飲んでも治らなかった痛みがひいて、
カラオケ行ってきたよ』
『お母さんのご褒美の時間だから、
いっぱい楽しんでね。』
お灸の効果と、私の愛💞届いたね🥰