やさしさを受け取る

昔『世界は贈与でできている』と言う本を読んだ。

この社会に生きている我々は貨幣と物との交換関係を基本としていると考えている。お米を買うためにお金を払う。

しかしながら、社会は交換関係だけでできているわけではない。むしろ、様々な人から、何かしらを受け取っている。

例えば、道路を安全に利用することができる。これは点検や整備を行う人たちの仕事のおかげである。おいしいご飯が食べてるのも、生産者さん方の勤労・努力のおかげである。

我々はこれらに気づくことはほとんどない。だけれども、意識外において、誰かからある種の贈与を受け取っている。

礼節や思いやり(共感)も同様だ。人に席を譲るとき、賄賂をもらうために譲るのではない。譲りたいと思うから譲るのだ。誰かの掛け値なしのやさしさによって、社会が成り立っている。

重要なことは、あなたが誰かからやさしさを受け取るのと同じくらい、あなたも誰かにやさしさを分け与えているということだ。これも自分自身では気づかないかもしれない。だが少しの気づかい、少しの気配りが今日もだれかを助けているに違いない。

このやさしさの受け取りあいは、人間社会だけでなく、地球環境など自然に対しても適用することができるかもしれない。自然は人に恵みを分け与えるが、その理由は定かでない。しかしながら、我々も地球環境を保護しなくてはならない。そこには、人間が滅亡しないということ以上の理由があるはずだ。

掛け値なしの贈与というキーワードはさまざまなことを理解するのに役立つと感じている。なので、これからもテーマとして扱っていきたい。

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