dear diary 20240323

これはフィクション。

5歳の時に聖書を学びたいと思った女の子

凶器なほどの正義感に囚われた眉間に皺を住まわせている16歳

痛いのが苦手ないい大人も

フィクション。


チロルチョコの包み紙を穴に放おったあの日も

真っ赤な手紙を開いたこの手も

2015年の年越しそばも

疲れ果てて泥のように眠っていた3日の金曜日も

焦げた匂いと何よりも深い黒も

眠り続けた夏も眠れない秋も

交差するはずがなかった声も

これは全部フィクション。


そう、こんなにきれいにからっぽなのはフィクションだからだよ。
何もなかったから何も語れることがなかっただけな、詰めの甘い、つまらない、何の意味もない、誰も読まない物語。

そのさいごには、おつかれさまでした、と書いてあって、
このおかしな物語に付き合った読者へ
声に出して届けた精一杯のおつかれさまでしたを
せめてもの餞として
受け取ってもらえたらいいな。
そしてすぐ忘れたらいい。
だってこれはフィクションだから。

悲しんでいる人なんてどこにもいないよ。
そう思ってわたしも安心して眠りたい。
夢ですらない、フィクションの世界で。
何も悲しくなくて、どこも痛くないのだから、何も気にせずゆっくり眠ろう。

朝日が昇れば闇を溶かしてくれるし
星も隠してしまうさ
だからすべて本の中にしまえばいいよ。

ふわふわの毛布だけはノンフィクションでいて、間違いなく包んでくれるんだ、
評価されたり目をしかめられる、誰かの目が映し出す偽物の自分も、
どこにもいない誰にも見えないノンフィクションの自分も。



おつかれさまでした、
おやすみなさい。


ねぇ、どちらが愛だと思う?

死にたい人に死なないでっていうのと
死にたい人に死ねっていうのと。 

どちらもが愛なのだとしたら、あたしは。。。

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