陰陽の相対は愛 とおもえば
エコノミストという、(表紙に暗示が秘められているとかで、その分析が話題になっているのをよく見る)英国誌を、かつて神と言われた同時通訳者が解説していた。
おんとし80歳のベテラン通訳者が訳した、エコノミストの見出しが面白いなあーと思った。
アメリカのブッシュ大統領(お父さんの方)が多用したNew World Order「ニューワールドオーダー(新世界秩序)」という言葉をもじって
World dis Order「ワールドディスオーダー」という見出しだ。
ディスる、の、あのdisである。
意味合いとしては、正常ではない、錯乱、バラバラ、カオスな世界(秩序)といったところ。
尖閣諸島に、軍隊が堂々と上陸している写真が載っている。
見出しは「だれなの?」
中国軍?アメリカ軍?日本軍?いったい誰だか分からないけれど、島を闊歩している。
尖閣諸島は動いている。
けれど私たちはその動きを知らない。
そのころ日本では、毎日小池百合子一色。どのチャンネルもコロナと小池さん。
さて、尖閣諸島では誰が何をしているのか
私たち国民は全く知らない。
国連はなにしてる?
香港に対しても、国連は黙して語らず。
現在国連に大金を出しているのは中国だから。
見出し「精神分裂的な国連」
失策か蛮勇か。
こんな国連についていっているのは?
日本はお金を出しても発言権はない。
見出し「負ければ官軍」
勝てば官軍という時代ではない。
負けたほうが強い。被害者のほうが強い。訴えてやる!
勝ったものの話はうんざり。聞きたくない。
負けたほうがカッコいい。みな失敗談を聞きたい。
英国の国営放送BBCでは、中国の大使をスタジオに呼び出して、ウイグル自治区の映像を見せる。
大勢のウイグル人への虐待の様子を見せて、これは中国で何をやっているのか、と、その場で問う。
中国外交大使も負けてはいない。全く認めない。捏造の映像を流されて憤慨している!と被害を訴える。
まるで中国が吊し上げを食らっているような同情心が湧く。
BBCのアナウンサーも強い。ハイハイそんな言い分通じないよ。
ハブ対マングース
譲らず両者にらみあう。
以前は韓国の外交官とも直接対決していたなあ。
頼もしいよBBC
韓国の女性外交官も、全く負けてなかった。強かった。
同じ国営放送であるNHKではありえない。
わが国の情報のコントロールは根深い。
私は社会的な問題が好きなのか、なんなのか
つい、興味本位で見てしまう。
ウイグル自治区の、300万人とも500万人とも言われる、中国共産党がつくった巨大強制収容所や、人身、臓器売買の噂や
韓国で起きた軍による国内での一般市民虐殺事件(光州事件)
アメリカで1日2,000人とも年間80万人とも言われる、未成年者の誘拐、行方不明問題
インドや、紛争地域の凄まじい貧困、女性蔑視と子供の虐待、麻薬漬けにされた少年兵たち。
それらの情報を一人で見ては、心が傷つく。
地球の各地で人権が踏みにじられている。
悪は個人ではなく、連鎖だ。環境だ。
ナチスの強制収容所での大量虐殺を執行していた人物の分析を聞いたことがある。
ひどい虐殺を実際に出来る人物像とは、サイコパスだろうかと思っていた。
しかし、真実は、悪人でもなく勇敢でもなく怒りっぽくもなく、普通の、これといって特徴のない「指示待ち」の人が、重大な加害者になるのだという。
なにも考えていないと、出来るのだ。
人権を踏みにじるのは、いつでも
われわれ普通の人間なのだ。
映画にしても、物語にしても、歴史にしても、この世の闇、影を興味本位で見るというのは、私にとっては自傷行為となる。
無力感と敗北感、罪悪感を味わうのにはもってこいだ。
だから、もうそんなことは止めようと思って長らく意識を背けていたのに、なんかあれこれと覗いてしまった。
夏至あたりから、なんでかな、暗いな
と重い身体を感じていたが、昨日から急にスッキリした。
気がつくと、新月だった。
さて、重くなったらこれから軽くなるだけ