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夢の先に

何年前からだろう
沖縄に帰って、大学時代の友人と遊んで
さよならする瞬間まで笑顔でいられるのに
友人の車が行ってしまうと涙があふれてくるのはいつからだろう

人生で悩みもない不安もない沖縄での4年間
その時間が十何年経った今も自分の心を支えてくれていて
辛い時はその頃の思い出を思い返して
今地に足をつけてなんとか立てている

会えば言うのは「数年ぶり」
さよならは「次いつ会えるかな」
会っている数時間の間にはお互いの近況をわき目もふらずに話して
人生の目標、思想について深く話せる大切な存在

沖縄を離れて築いた今の生活は絶対手放せないんだと思ってた
会社、友人、コミュニティ
どれにも責任があって繋がりがある
思い出もあって情もある
自分だけが好きに生きてちゃダメなんだと思ってた

今年の夏、飛行機の待ち時間に数時間会って
自分の心のワクワクをいつも通り話したら
あ、やっぱり帰りたいんだってようやく気づく
空港でまたいつかって去っていく車を見送って
保安検査場に向かう道のりでまた涙が止まらなかった

でも数年前と違って
自分の人生を進んでいいんだと背中を押してもらえたこと
仕事で自分がいなくなっても回るように準備をして
最後の日まできちんと持って向き合うことが
責任を取るひとつの方法でもあるんじゃないかと思えたこと
それを他人はどう判断するかはわからないけど
もし非難されることがあればそれに向き合って
それを背負っていくのもまたひとつの方法なんだろう

長く長く眠っていた夢の中
昼なのか夜なのかわからない
時間が止まっていた夢の中
目が覚めたら少し空が白んでいて
よし行こうって
ぬくい布団から起き上がる

学生時代からいろんな夢を追いかけてきた
大変だった辛かった
かなわないものもいっぱいあった
今回も難しそうな夢だけど
ちょっと頑張ってみよう

仕事終わりの金曜日
どこかの居酒屋で待ち合わせて
ちょっと仕事で遅れそうです、だの
じゃあ先入ってご飯頼んどくわ、だの
社会人っぽい会話しながら過ごす金晩を

会えば言うのはお疲れ様で
さよなら言うのはまた今度
そんな時間の夢の先

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