記事一覧
妄想書簡 アスタリクス
アダムと呼ぶべき兄よ、親よ、そして私でもあるアナタに送る。
我々は自であり他である。アナタがなぜ分裂したのかが分かった。
孤独から肉を裂き我々を創造したのだということが。
今、函館に居ますがスオメンリンナの要塞が恋しくなりました。
ビオヒューマンの兄へ
妄想書簡 工具箱の裏に
息子よ。もう片方の眼に完璧に似ることはない。
お前のその両眼は決して同じ景色を映さない。
3度程ずれた世界を投影する。この差異が右目と左目の生き方を変えていく。そのずれを感じたら一人前。
ずれなく見てきた隻眼をじっと見ろ、無骨な輝銀鉱がみえてくる。
義眼職人 から 義眼職人へ
妄想書簡 8/31日消印
この手紙にはさして意味はありません。手紙を読んで悪しき気になるやも知れません。でも書かせてもらいます。この紙タバコアナタの吸う銘柄とは違うことは承知で…私は紙タバコがいつかアナタと口づけすると想いタバコを巻いているのです。
(煙草巻きから酒屋の若旦那へ)
妄想書簡 カルテ043 日記 08月01日
晴れ午後3時布の擦れる音がする
清涼系の香水
歩幅の狭い音を殺した足音
シドロモドロの弟との会話
そして、気配この家に獣が二匹
兄ちゃんは家から出たほうが良さそうか?といっても、
玄関までしか出られないが…
そうだ、音楽を聞こう青い青い音楽を
そうだ、Beatlesを聞こう
妄想書簡 Schneewittchen
この世界の隅で生きることも死ぬこともできずにいる君はきっと絶望なのだろうか。このことが僕の医師としての死生観を揺さぶる。完璧なエンバーミングに成功した歓喜よりずっとこのままでいる君のことを思い憂鬱が煙を巻く。
アルフレッド・サラフィアからロザリア・ロンバルドの棺へ