シルバーフレックスとかいうコピー品
前回有名な二眼レフカメラ、リコーフレックスを紹介しましたが、今回はそのコピー品です。
リコーフレックスは当時あまりの人気にプレミア値が付くほどの品薄だったそうですが、そんな事もあってかやはりコピー商品という物も出てきます。それが1953年頃に日本光機より発売されたシルバーフレックスです。
見ての通り言い逃れ出来ない程、そのまんまリコーフレックスのデッドコピー品です。デッドコピーな事もあってかリコーキンもそのまま使えました。
シャッターは流石に理研光学のように自前では用意できなかったのか、当時色んなカメラに供給されていたNKSシャッターがついており、そのため本家には無い1/200秒が使えるようになっています。
では本家より優れているのかと言えば、全くそんなことはなく、建付けが悪が悪くあちこちがガタガタで、蓋がスムーズに開閉しないなど、見た目はそっくりでも品質は足元にも及ばず整備も大変でした。
またレンズが酷いもので、全く解像せずぼやけた写りで、最低でもF8~F11ぐらいまで絞らないと厳しいです。絞った所で少しマシ程度で良いとは全く言えない写りですが…。中判フィルムは元々の解像度が高いからよく写るだろうなんて幻想を打ち壊してくれるカメラですね。ファインダー側のレンズも性能が悪いのでピントの山が非常に掴み辛いです。
癖や写り方が戦前の安物のレンズに近いので、レンズ自体や設計を流用したんでしょうかね。50年代の零細メーカーだと何でもありな気がします。
当時の価格がリコーフレックスより200円高い8500円でしたが、リコーフレックスは売り切れだけど、値段ほとんど同じだしこっちならあるよって言われたら妥協して買っちゃったのかもしれませんね…。この写りでは買ってしまった人は可愛そうですが…。
しかいこうしてダメな方の零細メーカーのカメラに触れると、一見簡素に見えるリコーフレックスが実はどれだけ高品質に作られていたかが再確認できますね。
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