「認知症⁈ 全然大丈夫、全部O.K.、 ケセラセラ♪」5
認知症の人と家族の会
福岡県支部会報「たんぽぽ」2022年2月号 寄稿エッセイ
第4章 学びの日々① 「認知症の親を許容」
介護に専念できる状況になったとはいえ、
「イラッ」「何しよんしゃーと!!」
などなどの気持ちの乱れは日常茶飯事。
特に普段なら受け入れられるのに、どうしても許せず感情をぶつけてしまう、私自身のバイオリズムが定期的に悪くなることも長いこと続きました。
そんな事の繰り返しの中、
「なんでこんな思いをしなきゃいけないのか?」
「ここで何を私に学ばせようとしているのか?」
という内観、自問自答をずっと続けていました。そして、少しずつ気づき、学び、次第に悟りの世界まで行きました(まだです(笑))。
これらの気づきや考え方を、介護生活初期に知っておけば、どれだけ役に立ったかなぁ…という思いがある反面、それが出来れば誰も苦労はしない、というのが正直なところでもあります。
中でも一番大きく苦労し、そして学んだことが
「認知症の親を許容する」
ということでした。
親はこうあるべきだ
言うこととする事が違う
社会的には立派な先生などと言われていたのに、認知症なんて恥ずかしい
母に対するこのような様々な思いが、私を苦しめていることに気付きました。
「こうあるべき」という考え方は、自分の価値観、社会的環境、等々から培われてきたマイルール。
それにそぐわないと、心に摩擦が起き苛立ちや怒りに発展。
でも、それはあくまでマイルール。
いろんな見方、考え方で、ひとつの事象もいかようにも変化します。
頑固なのか強い意志の持ち主なのか、これも捉え方次第。
ならば、私が心穏やかに母に接することこそ、母、私双方の利益になると、その「べき論」を排除していきました。
「なんでもOK、大丈夫!」
と自分に言い聞かせながら、最初は「言うは易し行うは難し」でしたが、
次第に認知症の母をそのまま許容できるようになり、平穏な心を保てるようになりました。(つづく)