営業と簿記 30/30 営業と簿記
勘定科目や特有のルール、数字を扱うといったことから、簿記にむずかしそうなイメージを持っているかたが多いかなと思い、営業と簿記としてここまで記述してきました。
実際の業務で簿記を扱うにはそこそこのお勉強と実務経験が必要なのは間違いありませんが、簿記の扱っている内容に対して遠く感じてしまう、感じさせてしまうのはもったいないなと思っています。
工業簿記までの流れの中で、ひと、もの、ことが勘定科目によって整理されていくなかで、できるだけそこに携わる人のイメージを持ってもらえるように記述してみました。 そして、実際に価値の提供を行う際にそれまでに見てきた内容を営業が集約し、理解し、お客さんへ説明していきます。見てきた内容には、それぞれ人が係わっており様々な職種のひとの協力の成果をお客さんへ説明しているといったことが伝わればいいなと思っていました。
営業にとって、提供する価値の全容を出来るだけ理解するのは、数値的な意味でも、実際お客さんの手にする価値的な意味でも、お客さんにしっかりと理解してもらう、納得してもらうためにとても大切なことです。
そして、価値を形作っている共に働いている人たちのことを理解しているからこそお客さんへ説得力のあるお話ができます。
価値を提供する全体の流れのやや応用として、価値を一企業のみではなく他の企業とも連携して考えるやりかたの一例についても記述しました。
フリーマーケットの例から、こういった営みは企業だけのものではないですよということ、個人、小企業も同じような仕組みで考えてみれば、規模は違いますが同じようなことが出来ますよということが伝わっていたらいいなと思います。
簿記は、直接材料費や直接労務費をなどの勘定科目で数字の内容を記録していますが、その内容のひとつひとつをしっかりと見ていけば、人がどんな時にどんな場所で、どのように働いているのかを記録しています。
簿記は、たしかにルールと数字を用いたひとつの記録ですが、それは単なる数字や分類するための言葉の羅列ではなく、ひとが係わり、協力し、作り上げてきたものやこと、それを一定のルールに沿って、そこに息づくひとの営みを数字と言葉で記録したものなのです。