虚絶言句
朝はうまいこと起きれない。
夜は早いこと眠れない。
頭のうちにいつも漂うは、
一期のスマートフォンの友。
電子に浸かった脳みそに、
アイロンがけアプリケーション。
何も残らぬ虚無の家に、
ずっと帰りを望んでいる。
ただ死んだ目で学びに行き、
ただ死んだ身体で戻る。
白く濁った友情は、
途切れ途切れのものだった。
思いやりの無い挨拶と、
自分本位の窓側の席。
ナルシズムを極めようとも、
自己嫌悪がそれを制止する。
昔と比べて劣等身大。
「前はあんなに出来てたのに…」
周りと比べて劣等高線。
「みんなこんなに出来てるのに…」
悩み悩んで貯め溜め込んで、
迷い込んだ自心の霧中。
煙に巻かれた笑顔の本意、
巻かれた逃げの長いもの。
長けりゃ長いほど嵌まっていく、
螺旋ぐるぐる大反省会。
深けりゃ深いほど心地よい、
よりどりみどり心情闇市。
よってらっしゃいみてらっしゃい、
見せれるものが何も無い。
普段は見えない特技なら、
ないとニアイコールである。
愛のない虚実な日々を、
矛盾した日々を、過ごしている。