【ショートショート】はっ
「はっ」
隣に立っている友達が突然そう呟いた。上を向いて、目も口も大きく開かれている。
「どうしたんだよ、なんかあるのか?」
肩を小突いてみる。
「はっ」
今度は眉をひそめた。口はまだあいたままで、目はまだ空を見上げている。
「おい、まじで何?なんかあんの?」
こんだけ驚いてる感じってことは…もしや、UFO…?いやいやまさかそんな。
俺は恐る恐る空を見る。清々しい青の中に、ときたま引き伸ばされた白が混ざっている。見た限りに不純物はなかった。
「おいおい何なんだよ、驚かせんなって。」
目線を戻すと、彼がものすごい勢いで上半身を折り曲げていた。
「ハックション!」