風に乗っていけ。
風の時代の速さを感じる。
軽いものは、すぐに現れて前に進んでいく。
まるで羽のように、風車のようにふわりと。
でも重いもの、執着があるものは、鉄の塊のように動かない。
そこにいた。
動かない動かないと睨みながら。
そんな毎日を過ごして、悶々としていたら
『風に乗っていけ』
そんな声が聞こえた。
風の時代になったんだから、その風に乗れ。
いつまでもそこにしゃがんでいるな。
こんな感じ。
真正面から四つに組んで、攻略することしか考えていなかったことに気づいた。
逃げていいのか。
相手しなくていいのか。
一旦、たんまと言って、他の場所に遊びに行っていいのか。
なーんだ。
軽くなろう。
風に乗って、運んでもらおう。
肩の荷が少し降りた。