モネ展行った

2023年11月6日 21:25

季節外れの新生活を目前に、綺麗に空くことが確定したカレンダーをどう埋めよう……と考えた結果、気付いたら一日で全部を手配してました。初めての一人旅に行くぞ！！！
行き先は、今行かないと行けないかもしれないところと、そして子どもの頃からずっと行きたかったところ。

一日目の今日は、念願のモネ展へ。
もう少し先で行けたら……なんて思っていたけど、もしかしたら今しか行けない？となり慌てて東京を経由していく。
今回の楽しみ具合といえば本屋で買った公式ガイドブックを温めていたくらいなんだけど、こちらは昨晩慌てて読了。積読してた「モネのあしあと」は行きの新幹線で読破。ちょっとKAT-TUN過ぎるよって。

前者は教科書的にモネの技法を解説した上で、鑑賞ポイントがまとめられていて素人にやさしい。後者では、マハさんが実際にフランスを歩いてたどったからこそ言葉に宿る色と温度があって、東京着く頃にはモネのこと好きオジと思うまでに至ってた。

熱烈予習を終えた美術館素人による今回の個人的意気込みとして、
・印象派以前、モネがまだ官展入賞を目指していたころにだけ用いていた黒を使った作品たち
・水とか風とか雨とか雪とか光とか、季節時間天気による一瞬の空気を存分にアレする
・同じ場所、同じモチーフで描く「連作」でもっとそれらを比較できちゃう
あたりを堪能したい！！！！という思いを携えていざ入場していきます。

この水と光の揺らぎこそ、モネが風景に描こうとしてた生命ってことでしょ………………となる粋演出でお出迎え。刹那です。

そういう視点で作品を描くようになる前、まだ伝統の中で表現していた頃のモネだけが使った黒。中でも「桃の入った瓶」での黒が好きすぎた。

実物の色はもっと濃かったんだけど、まあ見て。黒い大理石のテーブルに反射する桃の瓶、あまりにオシャレ過ぎる。黒の活躍の仕方が明るくて好き。

モネがあちこち旅しながら切り取った風景、どんな場所から描いてるんだろう？こんなヤバい天気の中で描いてたわけ？となるものもめちゃあるし、湿度大国生まれの人間はこの日の空気吸ってみたーーーーーーい………と想像することしかできないのが悔しいくらいの風景もめちゃあったのです。

産業革命以降、人々の生活が変わって使う道具が変わっていくことで、描く場所がアトリエを飛び出して、描きたいものが広がって、技法が変わっていく様子が、モネの切り取る視覚から手に取るように感じられる展示で、ずっとワクワクでした。

まだ会期始まったばかりなので、連作の一つだけ。

わたし、前世なんだったのかなとちょっと疑問に思うくらい日頃から水のある場所が好きな人間なんだけど、だーーーーーからモネの絵、良いわ〜ってなるのか！！！！！と今回の予習と実践で分かったのも嬉しかったことの一つ。

モネの人生、大変なことも色々あったみたいだけど、周りの人に愛されて、生きてるうちに作品が認められて、最後はちゃんと儲かって、夢の棲家を作り上げて、あちこち行けなくなっても目が見えなくなっても、最後まで日々変化する最愛の庭を捉えて生きていったんだなーーーと、ちゃんと感じられる展示で、生で見られて良かった！！！！！！ととても思える満足感でした。美しいと思う瞬間だけを切り取るマインドで画家人生を全うしたモネ、もっと好きオジになってしまったよ。

今回初めて100%作者の展覧会に行ったのだけど、最高〜〜〜と天を仰ぐと同時にこれを世界中日本中から集めるの大変だったろうな……とも思った。みんなモネ好きだからね。でも日本人ってすごいモネ好きなんだって。モネが日本のこと好きだったからね。

張り切って朝一番に行ったのに、昨日まであったはずの欲しいものリストたちはお品切れで涙。でも代わりに、睡蓮の栞買って、ジヴェルニーの食卓に挟みました。やっぴ〜

お昼ご飯は御徒町まで歩いて行って、老酒舗へ。
マジで中国語しか飛び交ってなくて、店内海外旅行だった。