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故意に味方の迷惑になるような事をする奴は、今すぐ電源切ってね
Apex Legendsを語りたい。
ランクマッチで大事な意識だとか、マスターになるための方法とか、キャラのメタ構成がどうとか、そんな話じゃない。Apex Legendsというメガヒットゲームが、僕たちに根本的な部分で何を伝えてくれているのかを、語りたい。これは僕がApexというゲームをプレイしてきた中で、勝手に考えたいわば妄想なので、たかがゲームにこんな考えを持っている奴もいるんだな、くらいのスタンスで流し見してもらえれば大丈夫です。
自分で言っといてなんだけど、たかがゲームって言葉、なんなんだろう。eSports市場は年々拡大し続けており、あまり盛り上がりがないと言われている日本ですら、66億円を越える経済規模を持っている。さらに、XboxやPlayStation、Nintendo Switchとハードもバリエーションに富んでおり、PC・スマホも含めればプレイ人口はとてつもない数字になるのだから、未だにゲームを「特定の人たちが好む趣味」という捉え方をしているのは、時代遅れも甚だしい。ゲームはいまやプレイして良し、観戦して良し、ストリーマーの配信を見ても良しという、日常を彩る重要なコンテンツである事は間違いないのだ。それを「たかが」とお気軽に矮小化してしまえるその感性は、どうかしている。インターネットが普及して以来、オンラインで見知らぬ人と対戦したり、協力したりする事すら可能になった現在、ゲームを語るという事は、コミュニケーションそのものを語ると言って差し支えないと思う。社会学や経済学、政治的な議論において、SNSの存在がもはや無視できない存在になっているように、ゲームというものも娯楽とコミュニケーションが綿密に絡み合った、社会生物が取る新たな行動様式の一つとして、捉えなおすべきではないのか。
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謎の存在に対する怒りに任せて、話がとっ散らかってしまった。Apexの話に戻るけれども、そもそものゲーム性や細かな仕様については、ここでの紹介は省く。せめて知らない方でも調べられるように、略称や隠語は使わないように努力します。
●キャラ選択の多面性
Apexでは様々なスキルを持ったキャラが選べるようになっており、それぞれのキャラの強み・弱みを理解した上で、部隊メンバーのピックに合わせて、自らの使用キャラも変える必要がある。部隊としての戦力グラフのバランスを取るためだ。自分は誰よりもこのキャラを愛していて、使いこなせる自信があるという時は、キャラ固定でプレイする事もあるけれど。また、あまり推奨はされないものの、一点突破型のキャラ構成というのも有り得る。オクタン・パスファインダー・ホライゾンのような特攻型や、コースティック・ワットソン・ランパートといった徹底籠城型の構成の事だ。バトルロワイヤルというゲームの性質上、こうした構成が噛み合わない事も多々あるが、噛み合った時の爆発力が期待できる。
会社内の大まかな人事というものは、その人のキャリアや経験、人件費などをもとに決定される事が多いけれど、部・課内での人員配置は、各人の得手・不得手やパワーバランスを考慮して決める場合が大半ではないだろうか。書店員でいえば、とにかくキビキビ動ける人は、ある程度物量を捌く必要がある文庫担当にとか、ペースはゆっくりでも一つ一つの作業を漏れなく確実に行える人は、客注や医学などの専門書担当だねとかいった具合だ。Apexはまさに会社であり、最後の一部隊になるまで生き残る/売上を上げるという目的のために、適材適所を遂行する事が求められる。
そのためには、人を多角的に把握するスキルを磨くことも必要になる。ブラッドハウンドは、アルティメットで移動速度がアップしたり、敵をスキャンする事で置きエイムが容易になる事から、一見すると攻撃型のキャラだ。けれど裏を返せば、スキャンされた敵はうかつに動けなくなるので足止めになったり、敵の位置を正確に把握する事で射線を適切に管理でき、被弾を抑える事ができるというように、実は防御面でも優秀なキャラとも言える。人の特性は一面からでは図り知れず、その都度新たに捉え直す必要がある事の、好例だと思う。
●武器の選択と責任
マップ降下後、街の物資を漁りながら、自分の持つべき武器を選んで拾っていく事になるが、武器の選択はこのゲームの中でも特に重要な要素だ。弾を当てられない武器を使っても、勝てる見込みは薄いからだ。だが、武器選びに必要となる観点は数多い。
①その武器の扱いに慣れているかどうか
銃のリコイルや、正しい/有効な撃ち方を習得しているかどうか。サイトやバレルの有無にも左右される。当たらないウイングマンよりも、そこそこ当たるハボックの方が僕にとっては「強い武器」だ。
②各武器と自分の得意距離・不得意距離
武器には適正距離がある。ショットガンはインファイト、サブマシンガンは近距離、アサルトライフルは中距離など。どの距離感で戦うのが最も自分の強みを活かせるのか分析し、適切な武器を選びたい。ただし、部隊メンバーが誰もショットガンを持っていないなら、多少苦手であっても自分がショットガンを持つべきだ。
③部隊メンバーの使用弾薬
バトルロワイヤルにおける物資は、基本的に現地調達であり、弾薬も例外ではない。部隊メンバー全員が同じ種類の弾薬を使っていたら、中盤から終盤にかけて弾不足に陥ってしまう。味方の使用弾薬を確認した上で、自分の使う武器も決めなければいけない。つまり、5種類前後ある弾薬ごとの、それぞれの武器を扱えるようにならなければいけない。
④自分や部隊メンバーの立ち回り
外にいるとダメージを受けてしまうリングが、試合が進んでいくうちに狭まっていくので、残りの部隊数や自分たちの装備・戦闘力などを加味して、適切なポジションを取りに行く動きを「立ち回り」という。当然、その中で敵部隊と遭遇すれば、戦わなければいけない事が多いわけだが、その立ち回りのパターンによって、使うべき武器も決まってくる。常にリングを背にするようにして戦っていく「安置際ムーブ」、リングの収縮範囲を先読みして、強いポジションを陣取る「安置中ムーブ」の二つが、現在の主流だ。安置際ムーブであれば、戦闘回数が増える事が予想されるので、近距離戦闘やインファイトに強い武器を持つ必要があるし、安置中ムーブならば敵を近づけさせないように、マークスマンやスナイパーを一人か二人持つべきだ。
以上が、武器選択の際に主に考慮すべき観点だ。使う武器一つを取っても、部隊内における役割が明確となり、そのポジションで部隊に貢献しなければならないという責任が発生する。つまり、武器を持つという事には行使する責任が伴うという事だ。僕のように教員免許を取得したというのに、全くその資格を活かさないというのも、本来良くないことなんだろうな。
●索敵の極意
バトルロワイヤルというゲームにおいては、自身のポジション取りを自由に選択できるが故に、敵もどこから現れてくるか分からない。故に移動中・戦闘中を問わず、常に索敵をする意識が大切だ。移動先の強いポジションや角・稜線などの死角、射線を通されると困る位置など、索敵にも少しコツがいる。また、銃声はそこに今現在敵が複数部隊いる証拠となるので、移動ルートを考える上で重要な情報源だ。索敵をする際は、味方とは異なる角度から見通す事で見る範囲を広げられるし、一ヶ所からジッと見つめるよりも、細かくポジションを取り直して見る方がより良い。イメージとしては、ポジションや敵に向かって移動する際、3〜4列のアミダクジを右に左に行き来しながら、進んでいくような感じになる。
僕はさまざまな物事を多角的に捉えようとするとき、Apexの索敵を意識しつつ、一定の距離感を保って観察するように意識している。今日はなんか上司の機嫌が悪いなという時、実は裏で大きな問題が起こっていたり、部下の誰かしらが気付かぬうちに仕事をやり残していたりする。表面だけを見て物事を結論付けるのではなく、死角というバックグラウンドを捉えていく重要性は、Apexにおいても同様なのだ。
●息を合わせる/歩調を合わせる
Apexはオンラインゲームだけど、ボイスチャットを繋がなくてもプレイすることが可能で、こうした環境のプレイヤーを一般的に「野良」と言う。
野良でのプレイには、苦労が付きものだ。
残りの部隊が減るまで安全に行動したいのに、銃声が聞こえ次第突撃していく野良。中距離での撃ち合いで敵をダウンさせていないのに、特攻して確殺までされる野良。単独で離れて漁っていた事で、突然敵に囲まれて死ぬ野良。敵部隊を二人ダウンさせたが自分もダウンしてしまった時、颯爽と逃げていく野良。拡張マガジンや紫アーマーに、ピンを指さない野良。全ての建物を漁り終わって移動したいのに、いつまでも同じ建物を周回する野良。ここに書き付けていけばキリがないくらい、このような困った「野良あるある」は存在する。
野良との足並みが揃わない場合、自分はどのようにプレイするべきなのだろうか。答えは、「自分が野良に合わせる」だ。なぜって、野良は基本的に自分の意見なんか聞いちゃいないし、こちらに合わせようしてくれる事も極稀だからだ。ならば、野良がどれだけ特攻しようと、好き勝手に行動しようと、ついて行くしかないのだ。実際、特攻型の野良はついて行くだけなので合わせやすいし、しっかりカバーやフォーカスを意識すれば、かなりの確率で勝ち越せると思う。
問題なのは、味方の動きが自分より遅かったり、セオリーから外れた動きをしてくる場合だ。こういう野良の場合は、自分が想定以上に前に出過ぎてしまって、死んでしまう場面が多い。
この場合の心掛けとして、重要な事が二つある。一つ目は、ミニマップをとにかく頻繁にチェックする事。ムーブ中・戦闘中を問わず、自分が1メートルであろうと100メートルであろうと「移動」をしようと思った瞬間に、マップをちらりと見る癖を付けるしかない。
二つ目は、時々「ふ」と立ち止まる事だ。Apexは意識することややることが多いゲームなので、マッチ開始から終了まで立ち止まる事はほとんど無いけれど、野良と息が合わない場合は時々立ち止まって、味方を目視すると良い。その野良が何につまづいていて、何を考えているか、見えるようになってくるはずだ。
これは索敵の話にも通ずるのだけれど、立ち止まる事で見えてくるものがある、というのは示唆的だ。仕事ができない人、動きが遅い人、どこの部署にも一人や二人いるはずだ。そういう人とチームになった時、少し立ち止まってみることで、新たな武器や観点が手に入るかもしれない。
まだまだ語り足りないけど、最近記事が長すぎる気がするので、今日はここまでにしておこう。
皆さま、良きApexライフを!