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2022年2月22日2時22分発売! 『世界の終わりのいずこねこ 完全版』を紹介するにゃんこ〜(=何ω処=)
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2022年2月22日2時22分に、電子書籍の新刊『世界の終わりのいずこねこ 完全版』を各種マンガアプリから配信します。これは、今はもう活動していないアイドル「いずこねこ」主演の実写劇映画『世界の終わりのいずこねこ』のコミカライズ。電子書籍の特性を生かし、増補パートの内容が大きく異なる〈茉里ver.〉〈ミイケver.〉の2種類を制作。ちなみにサブスクリプション・サービスを実装する「西島大介.com」では1/20より先行配信中。超先行で今すぐ読めます。
原作となった映画『世界の終わりのいずこねこ 完全版』(2015)は2014年のアイドル「いずこねこ」の解散決定後に、制作費の一部をクラウドファンディングで募り制作されました。監督は竹内道宏。西島は竹内監督のもとで共同脚本を担当。いずこねこの音楽からSF設定やストーリーを着想しました。主演はいずこねこ茉里&蒼波純(ミスiD)。劇伴はサクライケンタ。製作はekoms、SPOTTED PRODUCTIONS。公式サイトはすでに消失しているので、概要についてはwikiをどうぞ。
クラファンはあくまで映画制作のためのもの。コミカライズはそのプロモーションとして独自に予算を立てた追加プロジェクトでした。太田出版のマンガサイト「ぽこぽこ」(現在はサービス終了)で連載が決定し、全5回の連載を終え、2015年主役にして題材である「いずこねこ」が解散した後に単行本を刊行。今も版元に残る作品情報ページでは、第一話「fake town」が読めます。ちなみに装幀の異なる紙の単行本は今も流通しています。
それから6年・・・。2015年に刊行された太田出版ver.を底本とし、電子書籍の特性を生かして「グラビア」「テキスト」の大幅な増補を行い、新装幀を施したのが本書『世界の終わりのいずこねこ 完全版 〈茉里ver.〉』、「世界の終わりのいずこねこ 完全版 〈ミイケver.〉』です。
〈茉里ver.〉は、撮影現場で膨大なスチール写真の撮影を担当し、後に写真集『THE END OF THE WORLD AND THE CAT'S DISAPPEARANCE』を刊行する写真家・飯田エリカ提供の写真を大増補。いずこねこ茉里、蒼波純、永井亜子、緑川百々子らの写真が追加収録されています。電子書籍の特性を生かし、グラビアは約40ページになりました。メモリアルな写真集? 総扉、各話のブランクページにも写真をレイアウト。
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一方〈ミイケver.〉には出演者の写真は一切使われず、プロモーションのためのインタビューや制作日記など、西島発信のテキストを大増補。その量約70ページ増。映画制作のドキュメンタリーとして、あるいは2015年前後のアイドルシーンの(かなり偏った)証言として機能するはずです。例えるなら、ティム・オブライエンの文庫『ニュークリア・エイジ』の村上春樹の膨大な註釈くらいの増補。〈ミイケver.〉には写真は一切使用せず、ブランクページには映画本編で使われたイラストを配置。通常盤らしく簡素な設計を目指しました。
アイドル的に考えるなら、〈茉里ver.〉は「初回特装盤」で、〈ミイケver.〉は「通常盤」。価格にも少しだけ差があります。とはいえ簡素な通常盤たる〈ミイケver.〉にはいずこねこ茉里(厳密には当時「プラニメ」在籍のミズタマリ)と西島の対談も収録されています。つまり、どちらも買うしかないにゃんこ〜!
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映画には生徒役として数え切れない2015年当時の地下アイドルが出演していました。いずこねこを中心に、蒼波純、永井亜子、緑川百々子、同級生役として「ゆるめるモ」から、あの、ようなぴ、しふぉん、映画公開後に解散してしまうライムベリーの三人、後にChelmicoを結成するレイチェル、maison book girlのメンバーとなる元BiSコショージメグミ、同初期メンバー宗本花音里、後に「ひめとまほう」を結成する姫乃たま、他にも濱野智史プロデュースによるPIP、小林清美プロデュースによるClassic fairy、Peach Sugar Snow、などなど。劇中、大人役を演じた小明、宍戸留美というキャスティングは、地下アイドルのルーツを意識したものでしょう。
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映画同様に、マンガ内にも主出演者以外に、映画に参加した地下アイドルに似たキャラクターが登場しています。一連の『世界の終わりのいずこねこ』のプロジェクト終了後、違うグループに移ったり、ソロになったり、活動自体をやめていたり、世界的な活躍をしたり、引退したり、これ以降の皆さんの活動は様々です。
コミカライズ、そして映画に関わる中で、「アイドルの活動は短く、儚く、しかしそうであるがゆえに、強い光を放つ」という印象を強く持ちました。「アイドル運営」は「マンガ連載」にとても似ています。プロデューサーがそれを立ち上げ、育成され、ステージや媒体で試され、スマッシュヒット、ビックヒット、メガヒットになれば大成功。しかしそれ以外の大多数は消えていく。大多数が生き絶え、ごく一部だけが生き残りビッグマネーを手にし、長期目線では運営だけが利益を得続ける構造はアイドルもマンガも、バンドやお笑いだって同じ。地下地上を問わず、ポップカルチャーの宿命です。
その意味で、題材であるアイドル「いずこねこ」が活動を終えてから6年以上経った現在、改めて配信される本書は、そこにアイドルが不在なわけで、商品としての賞味期限をなくしているとも言えます。いや、それは本企画がスタートした2015年当時と変わらない? ともかくそんな作品を自主で電子でリリースする僕は、少なくともメジャー運営ではなく、完全に「地下アイドル規模の出版業」でしょう。しかし、それを残すことこそ、大人の漫画家(&版元)である僕の、最低限の役割だなも感じています。アイドルは瞬間、でも電子書籍は配信すれば半永久的。
〈茉里ver.〉〈ミイケver.〉どちらも、新装デザインはサワイシンゴ。こちらもまた、いずこねこの続いてサクライケンタがプロデュースしたmaison book girlのファンブック『IDOL MOMENTS』への寄稿依頼というご縁があり、装幀デザインをご依頼しました。島島では他に、『Young,Alive, in Love』『凹村戦争』『アトモスフィア』などSF系作品のデザインを多数ご依頼しています。(ここまで敬称略)
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わずか6年前のことを、遥か遠い宇宙のどこかの出来事のように感じます。電子書籍制作にあたり、ご理解・ご協力いただいた、ekoms、SPOTTED PRODUCTION、太田出版、村上清さん、飯田エリカさん、サワイシンゴさん、そして茉里さん他、主・出演者のみなさま、そして今はもういないかもしれない「飼い主」(いずこねこファンの総称)のみなさんにも、深く感謝します。
奥付によれば、『世界の終わりのいずこねこ 完全版』の配信日は「2022年2月22日2時22分=スーパーいずこねこタイム」。2022年、めでたく「2=にゃん」が9個並びました。よっしゃにゃんこー!(=何ω処=)
おしまい
【おまけ1】
西島大介の個人サブスクサービス「daisukenishijima.com」では2/22に先行して、1/20より超先行配信スタート! 西島の全作が月額で真っ先に読めるサブスクリプション・サービスは、地下アイドルのファンクラブみたいなものかも? みんな、会員になるにゃんこー!(=何ω処=)
【おまけ2】
映画『世界の終わりのいずこねこ』のスピンオフとして制作され、「シブカル祭。」(昔、そういうイベントがあった)で公開された短編映画『レイニー&アイロニーの少女コレクション』(監督:飯田エリカ、出演:伊東笑、永井亜子、緑川百々子)サウンドトラックを初サブスク配信しました。西島は脚本と、「DJまほうつかい」としてピアノ曲による劇伴(サウンドトラック)を提供しています。この短編についての情報は少ないので、こちらを。
実はマンガ配信と並行してこのように、音楽レーベルもやってます。みんな、各種アプリでサブスク、あるいはDLして聴くにゃんこー!(=何ω処=)