昆虫芸人の生き残り戦略~ゴキブリを500匹飼育する男~【売れてない芸人(金の卵)シリーズ】堀川ランプ 著
【はじめに】
こんにちは。お世話になっております(※場合によっては「はじめまして。お初にお目にかかります」となりますので、あらかじめご了承ください)。
はじめましての方、なんかここ数日で僕の事を知ったみたいな方も多いかと思いますので、簡単な自己紹介を。
ラフィーネプロモーション所属のピン芸人「堀川ランプ」。
普段は都内のお笑いライブの劇場(※ちゃんとした劇場のこともあれば、会議室や和室などのこともあり)を中心に活動している。
芸風は主にフリップ芸(※画用紙に嘘を書いたものを複数枚準備し、お客様の前でそれらをめくる仕事)。
芸人としての収入は月に1万円ほど(※同年代の芸人の中では結構もらっている方)。流石にこの収入では全く食べていけないので、学童保育の先生のバイトと深夜のカラオケのバイトを掛け持ちして何とか生活している。
2021年のR-1グランプリ準々決勝進出が大会での最高成績。テレビ出演回数3回(ネタ番組2回、家を掃除する番組の密着1回)。というように、仕事での成績も微々たるものだ。
そんな、どこにでもいる若手芸人としての顔がある一方、僕にはもう1つ「昆虫芸人」としての顔がある。
家では現在、500匹以上のゴキブリを飼育中。休みの日には山に行って昆虫採集&標本作り。好きが高じてYouTubeチャンネルを立ち上げ、不定期で昆虫の豆知識や、昆虫に関する検証企画、果ては昆虫を食べる映像(※代表作「ゴキブリをジャムにして食べよう」)などを配信している。
堀川ランプの昆虫列伝
https://www.youtube.com/channel/UCxKHLHGjd-ji8oR_sH2eJzQ
その他、昆虫芸人としてテレビに出させて頂いたり、ここ1年はネットの昆虫に関する記事の監修と、フリップ芸で培った画力で記事の挿絵を描かせて頂いたりと、なんだかんだ昆虫に関する収入が芸人収入の8割以上を占めている。
……たぶん、こんな若手芸人、珍しいと思う。
一般的な若手芸人は、
ライブ界隈で評判になった後、お笑いの大会で好成績を残したりテレビのネタ番組に出演したりして認知度が上がる中で仕事が増えていく。
――という手順で売れていくものだと思うが、僕の場合、ライブでそこそこ認知してもらえるようになってテレビで30秒だけネタを披露させてもらった後、いろんな人がネタを褒めてくれた所までは王道のコースだったが、そこからネタでメディアに出まくるということはなく、代わりに大手旅行サイトで書かせてもらった昆虫の記事が大評判になって、ちょくちょく昆虫関係の仕事がもらえるようになるという、独自路線を現在もひた走っている。
完全に余談だが、たまにこういう風にネタよりも特技で高く評価されている芸人を見て「ネタで評価されなくて足掻いてるヤツ」みたいに言ってくる評論家モドキがいるけど、あれなんなんですかね? いろんな人が楽しんでくれりゃ正統派とか関係ないだろ。
まあ愚痴はさておき、この本ではそんな昆虫芸人である僕の日常を主に綴っていければと思っているので、最後までお付き合い頂ければ幸いである。
堀川ランプ
【昆虫芸人の日常】
“本ネタ以外に特技がある芸人”というものが珍しくない今のお笑い界でも、「昆虫芸人」はなかなか珍しく、特にオールジャンルの昆虫いけるというのは僕以外だとなかなかいないのではないだろうか。
そんな僕が、昆虫芸人だからこそ経験した出来事、いつもやっているノリ、困ったことなどを最初にいくつか紹介したい。
●楽屋にゴキブリが出ると「あれ? 堀川くん今日コンビだっけ?」と言われる
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