にゃんこスター スーパー3助の「初出し」――衝撃のキングオブコント2017準優勝の舞台裏からの迷走とSOS 編
「初出し」とは――
「どこにも話してないココだけの話」をコンセプトに、「初出し1テーマ」×「30分」(場合により延長アリ)で、狭く、深く、掘り下げるインタビューシリーズ。
インタビューを受けていただいた取材対象者の方に「ロイヤリティ」を支払う、新たな仕組みへの挑戦。
「結婚後の笑い話に」と組んだ即席コンビだった
――3助さん、よろしくお願いいたします。今回は「キングオブコント2017準優勝の舞台裏」の初出しでインタビューをさせてください!
ありがとうございます。お願いします。
――僕も当時テレビで見ていて、あまりに他の芸人さんと違うお二人にものすごい衝撃を受けたんですね。あのときはコンビを組んだばかりの年だったんですよね?
そうですね。
そもそもは2人ともフリーのピン芸人でやってまして、それぞれ他事務所を受けたりしていて、でも入れてないときで。
プライベートでは僕らはその頃既に1年ぐらい付き合ってまして、2人とも結婚するつもりでいた感じなので、「結婚した後の笑い話になればいいな」みたいな感じでK-PROさんのゲレロンステージというライブに即席コンビでエントリーしたんですね。
縄跳びのネタはアンゴラ村長がもともとやっていて、僕は昔、アンドレというコンビを14年間組んでいて、そのときの芸風が相方の横でずっと奇声をあげているものだったので、そのパッケージを使えるんじゃないかと思って思い出作りにあのネタをつくったんです。
――お付き合いされていたお二人それぞれの芸をミックスした感じで、あのネタができたんですね。
はい、そしたらそのネタがライブで結構ウケたんです。1位か2位になって。
その後にK-PROさんの一番良いライブにも呼んでもらって、そこでまた1位か2位を獲って。さらにもう1回出て、また1位か2位を獲って。
――凄い、まさに快進撃。
「これはもしかしたらあるんじゃないか」と思って、キングオブコントにエントリーしてみようかとなったんです。
それでエントリーしてみたら、1回戦、2回戦、3回戦とずっとウケて。
当時は1回戦がまだ2分間で、2回戦、3回戦に進んだらネタを3分、4分にしていかないといけないんですけど、そのときに初めて彼女とネタ合わせをしたら、付き合ってるのもあってネタ合わせにならなくて。
――え、なぜですか?
お互い自我が強いピン芸人だったので、言いたいことを言いまくって、ネタ合わせが本当に嫌で。
カップルとしての仲も悪くなるし、「絶対にこの子とはコンビを組みたくないな」と思ってたんですよ。
それからキングオブコント準々決勝に進んで、さらに準決勝に行ったあたりからワタナベエンターテインメントのほうから「2人でだったら入ってくれませんか」とオファーが来たんです。
――スカウトですね。
ナベの事務所に2人で行って。そのときも僕らはバチバチというか、カップルとしてはうまく行ってるんですけど、コンビとしては自我が強い2人で。
でも、「ナベに入れるのか」となって。
その頃は言った通り、フリーをさまよってまして、他の事務所も入れてない状態で。
今はどうかわからないですけど、どう考えてもナベのほうが良い事務所だなというので。
キングオブコント2017という改変のタイミングだったからこそ決勝に行けた
――(笑)。
2人で「ここはもう組むしかないか」と言って、事務所に入りたいがためににゃんこスターを正式に組んだのが最初ですね。
それがまだキングオブコント決勝に行ってない段階でした。
――そんな経緯があったんですね。まわりのコンビはキングオブコントやM-1のために1年とかかけてネタをつくっていく感じだと思いますが、その中で即席でやって、ご自身たちもまわりも「これは行けるんじゃないか」という感触だったんですか?
1回戦、2回戦、3回戦に行くたびに不安ではあるんです。このネタは普通じゃないんで。
「審査員さんが絶対落とすんじゃないか、どんなにウケようが落とされるんじゃないか」というのがあったので、結果発表を見るまでは毎回落ちたと思ってましたね。
結果が出るたびに「許された」という感じでした。「おー、審査員が許した。そうか」という。
――まさか決勝まで行けるとは思わなかった?
そうですね。僕は準決勝のときにめちゃくちゃ運もあったと思っていて。
ちょうど僕らが出たキングオブコント2017のときが視聴率も良くなくなってきていたみたいで、改変もするとなって。
その年から準決勝はネタを2日に分けて2本やるという制度がそこからはじまったんですよ。
準決勝で僕らは1日目に縄跳びのネタをやって、そこは普通のウケで。
2日目のネタはないから2、3週間で無理やり急遽つくったフラフープのネタをやったんです。前日に縄跳びでやったのと全く同じパッケージで。
それが「同じことやってんじゃねーか」というのでずーっとウケて。「これは一番ウケたぞ」というぐらいウケて。
――急遽つくったネタが。
でもこれはラッキーというか、ちょうど2日に分ける制度がはじまったおかげというか、最初にやったもん勝ちみたいな。
それが偶然僕らだったというのでウケ的には行ったなと思ったんですけど、ただこの手法は怒られないのかという心配はありました。
今となってはどぶろっくさんとかもアンサーネタをやるみたいのはありますけど、当時はそういうのが許されるのかわからなかったので。
――当時は同じパッケージの横展開みたいな芸が斬新だった。
はい。当時はいろいろな噂があって、キングオブコントも改革が起きないかなと裏のスタッフさんが言ってたみたいで、新たな風を待ってたらしいんですよ、その年は。
なので、たぶん「にゃんこスター入れてみたら面白いんじゃないか」というので、それが時代にちょうど合ってたんだと思いますね。
いつもだったら落とされてた可能性が大きいと思いますよ、「あれはネタじゃない」とか。
偶然その年はそういうのがあったから、というのを聞きましたけどね。
ネタ終わりの「にゃんこスターでした!」は本番直前に生まれた
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