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「無名お笑いコンビの1ヵ月当選品生活<前編>―モンスターと元ひきこもりの同居芸人日記―」【売れてない芸人(金の卵)シリーズ】 裸月光 著





【はじめに】



皆様、本書を手に取っていただき、ありがとうございます。

まずは、本書の著者である「無名お笑いコンビ」と謳う裸月光(はだかげっこう)について、紹介したいと思います。

裸月光は、福岡の片田舎の平凡な高校の同級生である、木下翔太と黒田くんでコンビを組んだ、浅井企画に所属するお笑いコンビです。

「裸月光? はて、知らない芸人だな」

裸月光を知らないで本書を開いた方も多いでしょう。

それも当然です。

僕らはお世辞にも“売れている芸人”とは言えないからです。

目立った経歴といえば、ハガキを書いて当たる懸賞好きが高じて、2015年から白夜書房の月刊誌『懸賞なび』にて「裸月光の当たって、砕けて、アタるんかい!」の連載を6年程続けており、当選総額は現在150万円を超え、あの素っ裸に座布団一丁姿で日本中を一世風靡した初代懸賞芸人・なすびさんから「二代目懸賞芸人」という肩書きを頂戴していることでしょうか。

他には、TVオーディションを受けたり、毎月新ネタを作り、精力的にライブにも出演したりしています。

本書は、そんな懸賞芸人が2020年10月に行った『裸月光の水と乾パンと1ヵ月当選品のみ生活』、通称『当選品生活』の天国と地獄を綴った日記です。

また、言い換えるなら、売れていない芸人コンビのリアルな日常が収められた2人の「交換日記」でもあります(日記は初日と最終日はコンビ2人で、それ以外は奇数日を黒田くん、偶数日を木下が担当します)。

木下と黒田くんの2人は、コンビで同居しており、会話も多く、一般的なコンビより仲良しなコンビだと思われます。しかし、お互いの趣味嗜好、またはRPGなどの能力値を表すパラメータがあるとして、その割り振りが全くと言っていいほど違う人間でもあります。

同じコンビではあれど違う特性の2人が、1日1日をどのように過ごし、何を思っているかを知る側面は実験的書籍でもあるのかもしれません。

さて、本書を読み終えた時、あなたの心には何が残るのでしょうか?

私には分かりません。

しかし、あなたにとって裸月光がなんだか気になるコンビになることは間違いないでしょう。
裸月光




<1日目。『はじまり』> 黒田くん



読者さん、このたびはこんにちは。黒田くんです。

今日から水と乾パンと当選品(調味料はあり)しか食べてはいけない「1ヵ月当選品生活」のはじまりだ。

ゴールは、「1ヵ月生き抜く」 or 「1ヵ月経たなくても当選総額30000円に到達」!

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