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誕生日に思う「武士道とは死ぬ事と見つけたり」

「武士道とは死ぬ事と見つけたり」

葉隠の有名な一説であるが解釈は人それぞれである。
解釈の違いは時代劇の重要な意味づけとなり制作者毎に異なる。
私も自分なりの解釈をし、人生訓としている。

武士道とは理想とする生き方のことを言う。
「生きることとは理想とする死に方を見つけること」
人生の最後はどうなるのだろうと思い悩むより、死に方を定めておけば生き方に迷うことはないと考える。

生き方も死に方も年齢と共に変化する。
最近では死に方を考える事のほうが圧倒的に多くなった。
先日、知人から献体という制度の話を聞いた。

献体とは、死後の身体を医学生の研修用に提供するというものだ。
文献や模型からでは解らないことを生身の肉体から学ぼうというのである。
この経験が医者になったときに別の命を救うことになる。

この話を聞いたときに「これだ」と思った。
最後の最後に社会に役立つことができる方法だと思った。
さっそく大学に問い合わせ、申請書類を取り寄せた。

76歳の誕生日をもって死に方を決めた。
気持ちの中に多少の緊張感はあるが、それよりも安堵感と喜びの方が大きい。
もう死に方を心配する必要はなくなったのだから。

これで残りの命を「生きること」に全力で使うことができる。
例えれば、崖っぷちを落ちる心配をしないで全力で走ることができるということだ。
残りの命で何ができるのか!
生きることが最高に楽しみになった。

武士道とは死ぬる事と見つけたり
つまり、死ぬる事を見つけることで生きるあり方が見つかるということ
最高の誕生日を迎えることができた。

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