別れる決心 刑事と容疑者、鬼才パク・チャヌクが仕掛けるラブサスペンスノワール
あらすじ
男が山頂から転落死した事件を追う刑事ヘジュン(パク・ヘイル)と、被害者の妻ソレ(タン・ウェイ)は捜査中に出会った。
取り調べが進むなかで、お互いの視線は交差し、それぞれの胸に言葉にならない感情が湧き上がってくる。
いつしか刑事ヘジュンはソレに惹かれ、彼女もまたへジュンに特別な想いを抱き始める。
やがて捜査の糸口が見つかり、事件は解決したかに思えた。
しかし、それは相手への想いと疑惑が渦巻く“愛の迷路”のはじまりだった……。
「オールド・ボーイ」「お嬢さん」のパク・チャヌク監督6年ぶりの最新作にして、カンヌ国際映画祭コンペティション部門で監督賞を受賞したサスペンスロマンス。
感想など
パク・チャヌク監督作品の特徴は、鮮やかな色彩美の映像や視点の切り替えによる予想つかないサスペンスフルな語り口や派手なバイオレンスやエロス。
だが、今回は派手なバイオレンスやエロスは抑えめにして、食事シーンや目線の交わしなどのボディランゲージでや食事などの日常描写でふたりの抑えられない恋心などの心情を描くのが、よりスリリングでエロチック。
スマホやスマートウォッチが、アリバイ工作だけでなく刑事と被疑者の禁断の愛を燃え上がらせる絶妙な小道具になっているのも、絶妙な使い方。
被疑者でファムファタルに魅入られたヘジュンと切ない恋心を伝える為にヘジュンに手管を仕掛けていくソレの禁断の愛の末路に切ない後味が残る、まるで「パク・チャヌクが「花様年華」を演出した」ような大人のラブサスペンスノワール映画。