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シン・エヴァンゲリオン劇場版 さらば、全てのエヴァンゲリオン

「エヴァンゲリオン新劇場版」序、破、Q、「シン・エヴァンゲリオン」のあらすじ

14歳の碇シンジ少年が汎用ヒト型決戦兵器・人造人間エヴァンゲリオンに乗って正体不明の敵性存在「使徒」と戦い始める契機と、自分の暮らし、友人、街など身近なものを認識し成長する過程が、ヤシマ作戦など使徒との戦いや綾波レイと式波アスカ・ラングレーや葛城ミサトたちとの交流の中で丁寧なタッチで再び語られ、1本の映画として再構成されている。
「Q」までは、碇シンジが碇ゲンドウの策に利用され、ニア・サードインパクトを起こすまでが描かれる。

「シン・エヴァンゲリオン」のあらすじ
赤く荒廃したパリ市街地に、上空のWILLEの旗艦ヴンダーから艦隊とマリの乗るEVA8号機、そして赤木リツコが率いる作業員たちが降下し、「ユーロNERV第1号封印柱」の復旧作業を始める。途中NERVのEVAによる妨害を受けるが、8号機によってすべて撃破される。復元作業を終えたパリ市街地は元の美しい姿を取り戻し、WILLEは旧NERVユーロ支部に保管されていたEVA2号機の修理パーツと8号機オーバーラッピング改造のための追加パーツを入手できた。
前作『Q』のラスト後、アスカはシンジ・レイ(仮称)を連れ、救助を求めて赤い大地を放浪していた。やがて三人は大人になった相田ケンスケに救助され、ニアサードインパクトの避難民村「第3村」へ辿り着き、同じく大人になった鈴原トウジ・ヒカリ夫妻らに歓迎され、彼らと共に第3村での生活を始める。レイ(仮称)は鈴原家の世話になり、ヒカリらに挨拶を教わったり、赤ん坊(鈴原夫妻の娘・ツバメ)の世話をしたり、村民に農作業や洗濯といった仕事を教わったりして、人間らしい感情や言葉を覚えていく。
一方シンジはアスカとともにケンスケの家に泊まるが、重すぎる罪の意識やショックから声が出せなくなり廃人に近い状態が続いていた。その様子をアスカに責められたシンジはケンスケの家から家出し、第3村の人々から離れてNERV第二支部跡地で一人で過ごすようになる。
そんな中でもシンジはレイ(仮称)やケンスケたちに見守られ、次第に元気になっていくが、その矢先、レイ(仮称)がLCLとなって死亡する。その日、NERVとの最終決戦に向け準備を進めるヴンダーが第3村に寄港し、船に戻るアスカに対し、シンジは乗船を志願する。
WILLEはNERVを壊滅させる「ヤマト作戦」を発動させる。
「エヴァンゲリオン新劇場版」だけでなくエヴァンゲリオン・シリーズ完結編。

感想など

今回は、エヴァンゲリオンシリーズの締めくくりとして、何故ニア・サードインパクトの後にネルフとヴィレは決裂したのか、「エヴァンゲリオン新劇場版破」の後に14年の空白があったがニア・サードインパクトの後に何があったか、碇ゲンドウは「人類補完計画」で何をなそうとしてるのかなど、数々の謎解きがなされ、碇シンジなどエヴァの呪縛に縛られているキャラクターの解放が描かれる。
「エヴァンゲリオン新劇場版Q」でニア・サードインパクトの贖罪をするための行動が裏目に出てしまい無気力になってしまってる碇シンジが、ニア・サードインパクトの生存者の村「第3新東京村」で無免許医者をやってる鈴原トウジや相田ケンスケやアスカの友情や見守り、畑仕事や村人との交流の中で人間らしくなっていく綾波レイの初期ロットが根気強く優しく声を掛けてくれる優しさに癒されて、少しずつ生きる気力を取り戻し、父の碇ゲンドウに対峙して「自分の落とし前をつける」と決意するまでの過程。
式波アスカ・ラングレーが、人と使徒の間で揺れ動きながら「第3新東京村」を守るためだけに戦い、いつまでも親に認められること愛と承認欲求を求めている碇シンジに近親憎悪を感じながらも、親身になっている複雑な心情。
綾波レイは、畑仕事や村人との交流で人間らしくなって、碇シンジの心を癒やす役割を果たす変化と成長。
シンジ、アスカ、レイの成長と変化が、前半の第3新東京村で丹念に描かれている。
だからこそ、碇シンジが再びヴンダーに乗り込んで、父と対峙する決意が、ブチ上がる。
セカンドインパクトが起きた全ての出発点である南極基地を舞台にしたヴンダーvs同型戦艦との壮絶な艦隊戦、改弍号機と改8号機がエヴァMark.7軍団をチェーンソーのような武器で駆逐する戦闘シーンは、「宇宙戦艦ヤマト」など庵野秀明が愛し影響を受けたアニメなどをたたき台にしながらも、3DCGならではの躍動感のある動きやアングルの面白み、エヴァパイロットの限界を捨てでも敵を倒そうとする決意と意志が込められている胸熱なバトルの連続。
「マイナス宇宙」を舞台にした碇シンジとゲンドウの対決は、庵野秀明の孤独な人生を生きてきた自身の心情の吐露が込められていて、ゲンドウの孤独さとユイに過剰に依存してる拗らせぶりがリアルで、背景をジオラマにしていたり特撮映画の技術や演出がメタ的で、クライマックスでエヴァの呪縛からアスカやレイやカオルを解放する展開は、安野モヨコと結婚したり「エヴァンゲリオン新劇場版Q」の後で鬱になった時に庵野秀明さんが信頼しているスタッフや仲間たちに救われた経験を充分に取り入れ、今までのエヴァンゲリオンに決着をつけた完結編に仕上がっていた。

庵野秀明監督、今までお疲れ様でした。

これからは、好きな特撮ヒーローや怪獣映画などを、マイペースで作り続けてください。

「さようなら全てのエヴァンゲリオン」

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