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ピーター・ターチン:Secular Cycles=永年サイクルと、その理論を通して眺める現代について

やあ!またしてもピーター・ターチンの本の解説だ。  こいついつもターチンの話ししているな、と思うかもしれないがそうなるね。前から興味はあったんだけど少しずつ英語を読むのが苦手じゃなくなってようやくまっとうなペースで読めるようになったからだ。それもこれも邦訳が出ないのが悪い。  彼の独特なスタイルは何よりも歴史に対するモデルを形成し、そこにデータを当てはめて分析し、モデルを修正していく手法だ。そこについて最もよく説明しているのは、Age of discordと国家興亡の方程式

    • 超社会性(Ultrasociety)、それから文化的マルチレベル選択理論についての概説

      またもやPeter Turchinだ。  ここでは異論の多い、文化的マルチレベル選択理論について、彼が何を言わんとしたかを詳しく説明していこうと思う。正直、読み返すまで僕も明晰な形で彼の主張を理解していなかった。 Ultrasocietyは彼の6番目の著書だ。2015年に出版された。翻訳はまだされていない。  この本のキーワードは3つある。  文化的進化  文化的マルチレベル選択理論  協力に対して戦争が果たした役割  だ。   この3つのテーマが、下に示す一つの不等式を

      • 書評・概説:ピーター・ターチン「END TIMES」クリオダイナミクスで米国の危機を乗り越えるための具体的な処方箋

         Peter Turchinの新著、END TIMESが2023年6月13日に発売され 2024年9月19日に邦訳が発売される。  これはターチンの9冊目の著書になる。(ただし日本語訳が出版されているのは、3つ目の著書である **Historical Dynamics: Why States Rise and Fall 「国家興亡の方程式」**だけである)  まず、ピーター・ターチンが何者か?ということから話しておいたほうがいいだろう。   ピーター・ターチンはもともとマ

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