論文ゼロで学振DC2に採択された話

こんにちは!
読んでくださりありがとうございます。
今日お伝えしたいことはタイトルの通り。この度2023年度の学振特別研究員DC2に採択されました。

「論文ないし、まあ落ちてるやろ。今他のところから支援してもらってるし貯金もある。そこまで困ってないし、また来年書きゃいいや~~」なんて思いながら結果を見たところ書いてあったのは、、、

「採用内定」

「、、、え?、、、ええええ!!!」

「うわーーーーーーー!!!!!!!」

「やったーーーーーーーーー!!!!!」

研究室のみならずフロア中に私の叫び声が響き渡ったのでした。
ここ2、3年で一番大きい声が出たのではないでしょうか。
少し落ち着いて隣の指導教員の部屋に行ってに採択された旨を伝えたときに、
「うるさすぎるわ」と笑顔でおっしゃってくれたのが印象的でした。
次の日喉が枯れていたのは言うまでもありません。

そしてどうやら私が所属する研究科では久しく出てないらしく、後日お会いした事務の方から「初めてDCの採択通知見ました」と言われたのもなんだか誇らしくなりました。

やはり自信につながりますね。

学振って何?

そうは言っても学振DCって何という方が多いでしょう。簡単に説明します。

「特別研究員」制度は優れた若手研究者に、その研究生活の初期において、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与えることにより、我が国の学術研究の将来を担う創造性に富んだ研究者の養成・確保に資することを目的として、大学院博士課程在学者及び大学院博士課程修了者等で、優れた研究能力を有し、大学その他の研究機関で研究に専念することを希望する者を「特別研究員」に採用し、研究奨励金を支給する制度です。

日本学術振興会 HPより https://www.jsps.go.jp/j-pd/pd_gaiyo.html

ざっくり言うと博士課程学生への経済支援と研究費支給の枠組みです。
最近、文科省やJSTの博士課程学生への支援策というのはかなり充実してきてますが、それも支給額だけ見れば学振未満という形式をとってます。つまりはいろんな博士支援策の中でも最高峰に位置するものです。

学振との闘い DC1

実は昨年、DC1に出しています。結果は不採択B
順位もちょうど真ん中というところでした。
その時、落ちた要因はいろいろ考えましたが、「論文などの実績不足」と結論付けました。研究の内容についてもそれなりにロジックが通っていたこと。後半に書く研究者としての強みのところも「会社辞めて博士行きます!」というなかなかのパワーワードが含まれてることから悪くないと思ってただけに残念でした。当時閑散期とはいえ働きながら帰宅後や休日,連休中は昼夜逆転みたいな生活をしながら申請書を書くのはそれなりに苦しく、大変すぎてあまり記憶がないです。ただ、通知を見た後全く仕事にならなかったのは記憶に新しいです。

学振との闘い DC2

去年の反省から今年はDC2の申請書記入よりもまずは論文作成に手を付けました。ただ、これまでに経験がないため時間がかかるかかる。
ほぼ同時期に学会発表も控えていてその準備をしている間に時間が無くなり、論文はいったんお預けとなります。
申請書についてはDC1の3年計画の大筋はそのままにして、これまでに得られた研究成果から少し大胆な仮説を加えて、それを解き明かすために研究を追加するというストーリーに変えました。
詳しい話は割愛しますが、一般的には無視されるような値が微小領域ではそれなりに効いてくるんじゃないのとかいう話です。
後半部分はDC1から変えず,実績を追加したのみとなります。
結局、論文本数はゼロのまま申請します。
そして採択されます。

じゃあなんで採択された?

採択されたので手放しに喜んでもいいものですが、なぜ通ったかを考えてみました。これまでの傾向から論文本数が大きなファクターだということがわかってます。それがゼロでも通ったということであれば単純に申請書がよかったから。見てくださった先生を納得させることができたからと考えてます。
じゃあ何がよかったのかを分析すると以下の3点ではないかと思います。

  1. 採択にこぎつけたあの仮説はかなり大胆だけど、決してとち狂ったでたらめは言っておらず、きちんとした根拠をもとにしていてそれなりにロジックも通っていたということ。

  2. 挿絵を少しリアルにしたこと。私の場合、実験的な研究で装置や研究対象がわかりやすいように3Dっぽく描いたのがよかった。

  3. 「もうこれあとやるだけじゃん」というところまで詳細に計画を書いたこと。むしろ3年計画で1年目の今やってることだからリアルなのが書けた。

まだいろんな要因がありそうですが、去年のDC1との差から考えるとこんなところでしょうか。

最後に

去年、DC1不採択だったときは「学振は論文ゲー」と考えてましたが、今年見事に覆されました。やはり評価の上で実績は必要ですが必ずしも実績だけで判断されるわけではないみたいです。申請書を書く機会というのはこれから何回もあるはずなので,もう少し採択要因を探って自分のスキルにしたいです。来年度からDC2としての活動頑張ります。

そして、指導教員の先生、一緒に書いた後輩、2か月間放置プレイした配属されたばかりの後輩ちゃん2名、研究室のみんな、添削にご協力いただいた皆様、改めて感謝申し上げます。また、今いただいている博士支援プログラムは今年度いっぱいで辞退することになります。ご支援いただきありがとうございました。

ちなみに、私が出した領域の選考状況です。

採択率: 5/33 = 15.1%
やはり狭き門でした。よく通ったわ。

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