置かれた場所で咲く花は。
誰だって生きていると、
「こんなはずじゃなかったのに!」
「なんでオレなんだ!」と叫びたくなるような
想定外のことや期待はずれなことは
1つや2つ必ずおこる。
僕の場合、癌になるなんて思いもしなかったし、
余命30ヶ月を受け入れるにも、ずいぶん時間がかかった。
大腸がんの手術をしてすぐくらいだったか
「置かれた場所で咲きなさい」と
義理の姉から教わった。
正直
「死ぬかもしれないのに、これ以上なにしろっていうだよ!」と
ムカついたのを覚えている。
無理もない、やさぐれて当然だ。
今でこそ、言葉の真意を理解できるが、当時の僕には少し冷たく、寂しくも感じた。
自分が死ぬかもしれないなんて
受け入れることできず
なぜ、自分なんだと他人を羨み
なぜ、自分なんだと過去を責め
なぜ、自分なんだと自身を否定した。
自分の人生も、あと2年と半年で終わりか。。。
悔しくて、悲しくて、涙が溢れた。
後で調べたら
ノートルダム清心学園 理事長
渡辺和子さんの言葉だと知ってこの本を買った。
「咲くということは、仕方ないと諦めるのではなく、笑顔で生き、周囲の人々も幸せにすることなのです」
「置かれたところこそが、今のあなたの居場所なのです」と。
どんな状態・立場に置かれた時でも明るく前向きに生きていくこと、それが置かれた場所で、
自分しか咲かせることができない花を、
一生懸命に咲かせることになるという。
順風満帆だと思っていた沖縄での生活が、
「あなたの病気は、がんです」のひとことで
僕の人生に大きな暗い穴を開け、お先真っ暗だった。
しかし、穴が開くまで見えなかったものを、
穴から見るという生き方も大切と書いてあった。
あぁそうか、
夜空が暗いからこそ星は見えるのか。
がん患者は、目の前が真っ暗になり、
どうすればいいのかと思い悩む。
街頭なしに手探りで色んな情報を集め、
なにを信じていいのか、
どれが正解なのか分からないまま、
それでも前を向かなくてはいけない。
真っ暗な夜空に無数のやるべきことが山ほどある。
だけど、穴が空いたからこそ
真っ暗な夜空になったからこそ
「大切な生き方を学ぶことができるんだ」と
この時悟った。
もし生きる希望の光があるのなら、進むべき道の街頭が光っていても昼間なら気がつかないからだ。
あぁそうか、順風満帆な生活の中では
光が多すぎて、真っ昼間では
本当に大切な何かを見つけるのは難しいんだな。
井戸も深ければ深いほど、
中が暗ければ暗いほど、その中に映り込む星影は
ハッキリ映るという。
僕は本を読み進むにつれ、
どんどん不思議な感覚になっていた。
それは、乾いた大地をゆっくり潤すように
カサついてヒビ割れていた僕の心を
ゆっくりと満たしていった。
もし生命力の泉があるなら、
心の泉を満たすようなそんな感覚。
病気の影に隠れず、自分らしく生きる、
癌=死ではないと気がつき、僕自身が変わることを選んだ。
置かれた状況は簡単ではないが、
命をかけて本気で向き合えば、
何とかなることも学んだ。
病気になったから仕方ないと諦めるのではなく、咲く。
「咲くというのは、自分が笑顔で幸せ生き、周りの人を幸せにする」という意味。
しおれて枯れてしまう方が楽なのかもしれないと思うこともある。
だけど、自分の置かれた場所で
精一杯生きることを選んだ。
今、置かれた場所で咲き始めた花は、
前向きに生きる笑顔であり、
人生を楽しむ姿なのかもしれない。
「置かれた場所で咲きなさい」という言葉
下ばかり向いていた顔をクッと上げて
また一歩踏み出す勇気をもらえる
そんな本だった。
思わぬ不幸な出来事や失敗から
自分にとって本当に大切な何かに気づくきっかけになるのは
ちょっとした考え方なのかもしれない。
なにか行き詰まり、息苦しさを感じている
そんな人に贈りたい、言葉の処方箋。
僕の心に強く響いた本です。おすすめです。
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