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出雲はなぜ「割子そば」か?

友人から島根出張のお土産として書籍を頂きました。私がそば好きを知っての配慮ですが、普通にそばを送って欲しかった…しかもAmazon。出雲の「割子そば」について記載したいと思います。

出雲流手打ちそばの特徴

ご存知のとおり、出雲は蕎麦の美味しい土地のひとつです。手打ちそば自体も美味しいのですが、何よりそれを食べる仕掛けが楽しいのも特徴です。うつわは、塗りの破り子であり、丸いものから小判なりのものあります。どれも小ぶりなことから、蕎麦好きなら二箸か、三箸で食べられてしまいます。薬味が豊かで、好みのもの選べるようになっています。うつわを小ぶりにしているのは、一個分の容量を少なくして、数を重ねて楽しもうという魂胆ですね。

出雲そば - Wikipedia

出雲流の手打ち蕎麦の技法

一本棒・丸延し、手ごまが特徴です。江戸前の技法と比較すると理解しやすいです。蕎麦は初めに蕎麦粉(+小麦粉)を混ぜて練り上げて、大きな団子状にします。その団子状のものを、平に延ばしていきますが、そのとき丸い棒をつかっていきます。元来1本棒で平に延ばしていましたが、江戸前は小さなスペースで大量の蕎麦を作るために大きな団子をつくり、三本の棒を使い始めたといわれています。2本に蕎麦を巻き付けて、スペースを確保して、残りの1本で厚みを整えていきます。伝統的な出雲流の蕎麦打ちは、一本棒で作り上げるものです。平らにする際に丸く広げていくことを「丸延し」、四角く広げていくことを「四つだし」と言います。江戸前は、蕎麦を均等厚さに仕上げ、蕎麦を切る時に無駄が少ない「四つだし」です。「手ごま」とは、蕎麦を切るときに包丁の横に定規ようにあて木(こま板)を使わず、そのまま切ることを言います。江戸前は、こま板を使います。

こうやって見ると江戸前の方が理にかなっているように感じます。これは江戸前の蕎麦が、蕎麦の見た目や、利益を追求したお客を対象とした商品として進化して証です。では、なぜ出雲流は一本棒・丸延しなのかと言うと、蕎麦の風味に優位性があると言われています。これは、10割蕎麦(蕎麦粉100%)で蕎麦の良さを最大限引き出す技法と言えます。

蕎麦WEB http://sobaweb.com/20160221043615.html
丸延の写真

出雲の地が蕎麦処となった理由

奥出雲地方(出雲国南部=現在の雲南市・奥出雲町など)において、寒さに強く収穫までが短い上、痩せ地でも栽培できる蕎麦の栽培が栄えたこと、あるいは松江藩初代藩主の松平直政が信濃国松本藩から国替えとなった際、信濃から蕎麦職人を連れてきたことで蕎麦食が定着し、江戸時代後期になってこの地域の産業・文化を振興した名藩主として「不昧公(ふまいこう)」と呼ばれ親しまれている7代松江藩主の松平治郷が、当時「高貴な人はそばを食べない」とされていたにも拘らず、不昧公はお忍びで夜に屋台の蕎麦(いわゆる夜鷹そば)を食べに行くほどの蕎麦好きでこだわりの食べ方を語っており、茶人としても茶懐石に蕎麦を取り入れその地位向上に一役買ったためと言われています。ただ書籍によると、松平直政が蕎麦職人をつれてきた根拠となる史実は無いようです。松平直政が、郷里の越前から紙漉き職人を連れてきて紙業発展を図ったのは史実であるようですが、、、

出雲はなぜ「割子そば」か?

出雲蕎麦というと松平不昧公を思い浮かべることは、出雲では一般的なようです。不昧公が蕎麦好きで、蕎麦懐石膳に関する記録もあることから、割子そばに結び付けたくなる衝動はあるが、著者はそれを否定しています。
理由としては、不昧公の蕎麦は、懐石料理の一献立であり、割子そばとの食べ方とは程遠いからのようです。

割子そばの普及は、江戸末期

「わりご」は、元々、家の外で食べる弁当として普及していました。その「わりご」の様式を蕎麦に応用したのが、割子そばです。野外食から室内食に転換される過程で、いまの食べ方になったと考えられています。そしてこの割子そばを普及させたのが、松江の趣味人の集まり「連」であったのではないかと著者は推察しています。
もともと蕎麦の原初的な食べ方は、お椀の上に蕎麦を入れてその上から薬味を載せ、汁をかけて食べていたようです。出雲では、椀を取り換えて食べていた。出雲人の「決められたことを守る」気質があり、その食べ方をを守り続けてきた結果だと言っています。

出雲地方は、蕎麦の栽培面積、収穫高も国内では高くない中で、出雲蕎麦が名高い理由は、継続して割子そばの様式を守ってきた独自性、オンリー・ワンによるものと締めくくっています。

最後に

これもストーリーマーケティングですね。
本当に世の中には、蕎麦好きが多い
実は、出雲蕎麦で有名な、釜揚げ蕎麦を食べたことが無いんです。
割子そばと一緒に食べたくなりました。
機会があったら、出雲で仕事ください(笑)

あなたの蕎麦にいるコーチ、だーやま。

最後までお読みくださりありがとうございました。


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