社員の成長なくして会社の成長はない
会社が成長するためには、優秀な人材の登用と離職の防止が欠かせませんが、採用や離職で苦労する企業も少なくありません。会社と社員が一緒に成長するポイントについて整理しました。
1.「今のまま良いか」、常に問い続ける
会社の制度やルールに特に問題はないのだから、今のままやっていこうという組織は多いものです。もちろん変化しないことがすべて経営として間違っているというつもりはありません。文化や創業からの伝統といった企業としての柱や核となる部分は重要です。しかし、人員の採用・教育・人事評価といった「人」に関することは、常に時代の変化に対してアンテナを張っていく必要があります。市場では、常に新しいビジネスが生まれ、それぞれに成長と衰退が目まぐるしく進んでいます。そのサイクルは、時代とともに加速化していくばかりです。そのような中で会社の制度が時代に沿っていない、管理職の思考や行動がずっと変わらないでいるような組織に属していることに、社員はメリットを感じるでしょうか。
2.管理職へのコミュケーションと教育
組織図を変更すると、改革をした気になる経営者は多くいます。そして管理職が自力でがんばってくれるだろうと思っています。もちろん立場が人を育てるという考え方もあります。しかし、管理職選びの基準は、企業やその時の状況によって異なります。成果を出した人員を昇級させて管理職にする場合もあれば、ヘッドハンティングで社外から採用するケースもあります。限られた人員の中からやむなく誰かを管理職へ引き上げる必要があったため選んだといった後ろ向きな理由もあるでしょう。 管理職こそ定期的な教育をしていく必要があります。経営者の考え・想いを一番に理解し、部下へ伝えていく重要な役割を担っている管理職は、上司と部下、そして同じ役職と、縦横といった多面的なつながりが必須になってきます。しかし、管理職全員がくまなくコミュニケーションを取ることは、大きい組織になればなるほど難しくなります。
3.社員全員で組織の意義を考える
組織においてルールは必要です。ただ、ルールを作ればそれでいいというわけではありません。組織の共通ルールを活用した好例といえば、、ホテルのリッツカールトンのクレドでしょう。クレドとは、リッツカールトンの企業理念をゴールデンスタンダードとしてまとめたものです。リッツカールトンの社員は、このクレドに書かれた価値観に基づいてホテルを訪れるお客様へのおもてなしを提供しています。
リッツカールトンが他社と違うのは、クレドを作っただけでなく、その内容を全社員に浸透させるために日々いろいろな取り組みをしています。
経営者の器以上に会社は大きくならないとはよく言われることですが、それは、組織を構成する人員の総和にも等しいことだと言えるのではないでしょうか。
そうであるなら、組織がどうあるべきかは、すなわちそこに携わる社員がどうあるべきかをまず考える必要があると思います。
最後に
組織、または管理職は、組織のルールや枠に人員を当てはめることを考えてはいけません。遠い昔は、社員を社会化するために、教育を行ってきました。今は、ひとりひとりの社員が働きやすい組織となるためにはどうすればよいのか、どのような手伝いができるのか、考えるべきだと思います。優秀な人材の登用と定着は、組織の可能性を高めます。これは不変だと考えています。その才能を活かすための教育ではないでしょうか?
最後までお読み下さりありがとうございました!