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大洗に行ってきました。

「都道府県魅力度ランキング」で最下位の常連、最近はアイドルフェスと化していたロッキンジャパンフェスがひたちなかから撤退する、というニュースが飛び込んでくるなど、観光面であまり良いニュースが聞こえてこない茨城県。

しかし東京都民からすると、茨城県は訪れやすくて自然も豊富で食べ物が美味しく、歴史も豊かな、とても観光地として魅力的な場所であることは皆が知る通りです。私も茨城県には結構遊びに行くことが多いです。

ということで、日帰りで、茨城県に旅行に行ってきたので、この記事ではその旅行記について書きます。
今回は、水戸経由で大洗〜鹿島神宮を訪れてみました。このルートになったのは、鹿島臨海鉄道に乗って茨城県東部を縦断してみたかったからです。

上野〜水戸〜大洗

まずは水戸駅経由で大洗に訪れます。都心から水戸への移動は本当に便利で、再速達の「特急ひたち」に乗れば上野駅からノンストップで1時間ほどでたどり着くことができます。感覚的には、東京から静岡駅や軽井沢に行くのと同じくらいの所要時間です。

水戸駅から、単線・一両編成のマッチ箱のような鹿島臨海鉄道に乗りかえると、20分ほどで大洗にたどり着きます。

大洗は、つとに「ガルパン」の聖地としてよく知られています。私は無論アニメを見たことはありませんが、私の兄貴(消防士)がLINEのプロフィール画像を頻繁にガルパンのキャラクターにしていたので、私も雰囲気くらいは把握しています。
「パンツァー」って「パンツを履いている人」とかいう意味だと勝手に想像してましたが、ドイツ語で「戦車」の意味である、というのを最近ようやく知った程度の理解度です。

大洗駅構内

大洗駅に訪れると、もちろんこんな感じ。他にも、紹介していくのが面倒くさくなるくらい当たり前の風景としてガルパン関連の掲示やオブジェが街中のそこかしこに確認できます。

大洗近辺はもちろん車で来るのが一番便利に思いますが、観光名所を中心に渋滞が激しい印象です。機動的にあちこち見たいなら、電車で来てからレンタサイクルを借りる、というのも良い手だと思います。
大洗では各所で自転車が借りられるみたいですが、駅に隣接している「うみまちテラス」が一番便利そうです。私もここで借りました。電動アシスト付きで、スマフォホルダーもついているという至れり尽くせりっぷりでした。

大洗はガルパンの聖地であることは揺るぎないですが、豊富な海の幸ももちろん魅力的です。ガルパンに負けないくらいに謎に存在感がある駅前のカジキや、生牡蠣なども有名なようです。

駅前のカジキ

そして冬の味覚として忘れてはいけないのが「あんこう」。私も冬に訪れたので、あんこう鍋を食べに行きました。
あんこう鍋は基本予約制で二人以上から、という店が多いのですが、お一人様でも入りやすい場所ということで、フェリーターミナル近くの「大洗シーサイドステーション」の中のお店でいただきました。

港に停泊していた北海道行きのフェリー「さんふらわあ」

こういう観光客向けのショッピングモール的なところに入っているお店はあまり美味しく無い印象があったのですが、このお店は美味しかったですね。2000円くらいで、とても具だくさんでプリプリのあんこう鍋をいただくことができました。
もちろん大人数でワイワイいただくあんこう鍋の方が美味しい気もします。ただ、大洗はガルパン目当てで訪れるユーザー層を見越してか「お一人様」向けの対応も充実しているようにも思います。

なお、今回訪れたお店では「1500円以上ご飲食の方で「希望される方に」ガルパングッズをプレゼント」というイベントをやっていたのですが、私は特に希望することなく何も貰わずにお店を後にしました。

インスタ映えスポットしても有名な「大洗磯前神社」にも訪れてみました。岩礁の上に立つ鳥居が印象的な神社。
初日の出のタイミングでは鳥居の中から昇る太陽を拝むためにたくさんの人が集まるようです。

この場所に大己貴命(オオアナムチノミコト)と少彦名命(スクナヒコノミコト)が降り立った、という神聖ないわれがある場所のため、岩礁伝いに鳥居まで向かうことはできないようです。行っていいよと言われても、岩には荒々しい波が打ち寄せ、なかなかに命がけの作業になりそう。
いずれにせよ、雄大な太平洋を望む、すぐれて景観の良い場所でした。

他にも訪れたい場所はたくさんあったのですが、今回は2時間ほどしか滞在できなかったので、この辺で大洗を後にします。「めんたいパーク」とかにも訪れたかったのですが、またの機会にします。近いうちにぜひ。

大洗〜鹿島神宮

大洗から鹿島神宮までは、鹿島臨海鉄道が一本で結んでいます。所要時間はおおよそ1時間。
鹿島臨海鉄道は水戸〜大洗間は頻繁に列車が走っているのですが、大洗〜鹿島神宮までの運行本数が少なく、時間帯によっては2時間に1本くらいしか来ません。時刻表には注意が必要です。

鹿島臨海鉄道は比較的新しく建築がされた鉄道路線のようで、沿線にはほとんど踏切がなく、高架化された線路の上を一直線で走り抜けていく線形が特徴的です。
ただ線形がまっすぐと言えども、意外とびっくりすくらい電車は揺れます。
そしてイメージだと湖畔や海沿いを走るイメージなのですが、意外と車窓からはあまり湖や海を眺めることはできませんでした。実際は森や畑の中を直線的に爆走する感じ。

北浦湖畔駅
鹿島サッカースタジアム駅
鹿島神宮駅

そんな感じで、終点の鹿島神宮駅。列車の本数もまばらで、人も少なく、とても静かな駅前です。
鹿島神宮駅の観光名所といえば、駅名にもなっている鹿島神宮
「武運の神様」として有名な神社まで、駅から歩いて10分ほどでたどり着くことができます。

鹿島神宮の境内には、その名前の通りたくさんの「鹿」がいます。多くの場所でも同じように鹿は「神の使い」として大事にされています。この神社の鹿は「鹿島アントラーズ」のモチーフにもなっています。

そもそも春日大社創建時に、鹿島神宮の祭神だった武甕槌命(タケミカヅチノミコト)が春日大社に移動することになったそうなのですが、その移動の際に乗っていたのが「白鹿」で、その由縁もあり奈良一帯では鹿が大事にされるようになったとのことです。平たく言うと、鹿島神宮の神様が奈良の鹿の由来、ということで、両者はとても縁深い関係のようです。

本当は海沿いや川沿いにある「一の鳥居」に訪れて、水運豊かな交通の要衝である鹿島神宮一帯の過去の歴史を追体験したかったのですが、バスなどの交通網がほぼ皆無なため今回は断念。

駅周辺にレンタカー、カーシェアとかもなさそうなので、鹿島神宮に訪れる時は他のところから車で来るのが一番良さそうですね。
魅力的な観光資源を活かすための今後の観光開発にも期待したいところです。

鹿島神宮〜東京

ということで、日帰り旅行でもあるので帰宅です。
鹿島神宮駅には、鹿島臨海鉄道以外にもJR鹿島線も乗り入れているのですが、JR鹿島線は輪をかけて本数が少なく、概ね1時間半〜2時間に1本しか電車が来ません。
そのため電車で鹿島神宮に訪れることは現実的ではなく、公共交通機関を使って都内に移動する場合は高速バスで移動することになります。
なお高速バスは1日に80本以上も往復して走っており、10分〜20分間隔でひっきりなしにバスがやってきます。鉄道路線の不便さとのそのあまりの落差に驚かされます。

とはいえ鹿嶋市には高速道路は通っておらず、バスはしばらく一般道を走りながら隣の神栖市などの鹿島臨海工業地帯の主要な拠点を縦走し、潮来市にある高速入口までゆっくり走っていきます。
これにかなり時間がかかり、鹿島神宮からだと高速バスでも2時間〜2時間半程度乗車する必要があります。潮来からは1時間半程度で東京に着くことを考えると、なかなかの苦行です。
鹿島神宮から寄り道せず潮来ICに直接行く便がほぼ無く、ほとんどの便で人口の多い神栖市を経由するのは、やはり需要のあるなしが大きいのでしょうか。

それでも、沿道には新日鐵住金の製鉄所や、水郷のあたりの利根川の風景など、景色には見どころが多く、長いバスの旅を楽しませてくれます。
今回は乗車したのがちょうど夕暮時だったので、きれいな夕焼けとともに水郷の風景を楽しむことができました。写真には収められませんでしたが夕焼けに照らされる富士山の神々しい姿も拝むことができました。

個人的な結論としては、水戸や大洗は近くて便利だが鹿嶋は遠い。鹿嶋に行く時は車で行こう。
という思いを強くした旅でした。

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