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南関4競馬場を一日で巡る旅
日本の競馬には、農水省が主催する中央競馬(JRA)と、地方自治体が主催する地方競馬(NAR)が存在しているのはよく知られています。
全国ネットのテレビ中継やCMなどもバンバン流れる中央競馬に比べて、地方競馬については圧倒的に日陰の存在で、収益的にも場内の設備や治安的にも色々言われてきた世界です。ただ昨今の情勢の変化もあり公営ギャンブルの売上は絶好調、地方競馬についても多くのファンが増えて業績も右肩上がりのようです。
首都圏は人口集中地帯なので、何気に地方競馬についても沢山の競馬場が点在する集積地になっています。南関東の主要な都県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)にはそれぞれに地方競馬場が存在しており、人口も多く交通利便性の高い場所にあるので会社帰りなどにも通いやすいです。
・大井競馬場(東京都品川区)
・川崎競馬場(神奈川県川崎市)
・船橋競馬場(千葉県船橋市)
・浦和競馬場(埼玉県さいたま市)
ということで、南関の4競馬場を1日で巡ってきてみました。私にとっても久しぶりに訪れる場所もあったので、今の風景がどんなものかを改めて確認する旅になりました。
川崎競馬場 (09:30~)
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スタート地点は川崎競馬場にしました。川崎駅から東の方に歩いて20分程度。京急大師線の港町駅が一応最寄り駅となっていますが、乗り継ぎの便を考えると川崎駅から歩いた方が早く着くことが多いです。ちなみに裏技的に大田区側の六郷土手駅からも歩ける距離で、乗り継ぎ次第ではこちらの方が便利な場合もあります。
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今回は南関4場を時計回りにめぐります。
訪れた日は、中央競馬の開催日でもあり、南関4場のナイター開催日(大井競馬場)でもある、という日でした。地方競馬でもJRAの馬券は買えるので、JRAのレースが行われている時間にはJRAの馬券を買い、地方競馬のレースが始まったらそちらの馬券を買いつつ、全場を巡る、ということをしてみました。
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川崎競馬場は個人的にはよく訪れる場所なので、滞在もほどほどに次の競馬場に向かいます。
ちなみに有名な話かもしれませんが、川崎競馬場周辺は、裏道を歩こうとすると極めて治安のよろしく無いエリアに迷い込む事になるので注意が必要です。訪れるなら明るい時間帯にするか、色々腹を据えて深淵なる闇に飲み込まれるか、のどちらか。
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浦和競馬場 (11:30~)
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次は浦和競馬場です。今回は川崎駅から上野東京ライン経由で浦和駅まで訪れ、そこから歩きました。
別ルートで南武線〜武蔵野線経由で訪れる方法もあり、こちらのルートだと途中で府中競馬場に立ち寄ることもできるのですが、今回は府中は開催日でも無いので南関踏破を優先してこちらのルートで。
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競馬場へは、浦和駅を出て東側に向い、前地通りという通りを歩いていくとたどり着けます。そこかしこに「浦和レッズ」とともに「浦和競馬」についての掲示もよく見かけ、地元に親しまれているのを感じます。
地元に親しまれているな、と感じるのは、浦和競馬場は競馬開催日以外は「浦和記念公園」として一般開放されていること。
競馬場の北側と南側に入り口があり、ここからダートコースを横切って競馬場の中に入っていくことができるようになっています。
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コース横断の際は、マットらしい何かが敷かれているのでそこを踏みしめて渡ります。コースへの侵入を妨げる柵みたいなものは無いのでコースに入ろうと思えばできてしまいますが、その辺は性善説で、皆が節度を持った振る舞いをすることを前提とした運用になっているのでしょう。そしてこの運用でも特に問題は発生していないのでしょう。
看板には「公園内では球技は禁止」となっていますが親子連れが普通に野球をして遊んでました。個人的にはあまりうるさい事言わずに他人に迷惑かからない程度で自由を保証するのが一番良いのではと思います。
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浦和競馬場のスタンドは最近新しく作り直されたらしく、かなりキレイで過ごしやすい環境でした。地方競馬というと古臭いスタンドのイメージしかなく、昔の浦和競馬場もその例から漏れなかったのですが、最近の南関の競馬場はどこも設備投資が積極的に行われていて、少なくとも施設的にはあまり昔の色眼鏡で見ないほうが良いかもと思いました。
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番外:中山競馬場 (13:00~)
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南関の競馬場を訪れる旅ですが、せっかく競馬を開催していることもあるので番外編として通り道の中山競馬場にも少し立ち寄りました。
武蔵野線の南浦和駅からは電車で一本でたどり着きます。なおその次訪れる予定の船橋競馬場にも本来は電車一本で訪れることができます。
南関の競馬場もキレイになってきたなと思いますが、やはり中央の施設はちょっと桁が違う感じですね。
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この日はソールオリエンスが出走する日だったので、しばらく滞在して走る姿を生観戦しても良かったのですが、南関の競馬場巡りを進めます。
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船橋競馬場 (14:00~)
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船橋競馬場の最寄り駅は京成の船橋競馬場駅か、JR京葉線の南船橋駅。中山競馬場から訪れる際はどちらでも訪問可能です。
今回はJRで訪れましたが、南船橋駅の周辺には「IKEA」や「ららぽーと」がある事から休日は人でごった返すため、混雑を避けるなら京成の船橋競馬場駅から訪れた方が良いかもしれません。
この日も周辺はびっくりするくらいの人の数でしたが、船橋競馬場に向かう人は極少な感じでした。
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船橋競馬場は現在スタンドの建設中のようで、立ち入りが可能なスペースが限られている印象でした。それでもパドック周辺についてはすでに完成済みで、作りが立体的でスタイリッシュな格好良いデザインになっています。
昔ながらの薄汚れた地方競馬場の姿は、少なくとも南関に限っては絶滅しかけているんですね。少しさみしい気持ちもありますが、なんだかんだ言って新しくて便利になってくれた方が良いです。
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特に写真は残していませんが、スタンドでは、先日惜しまれつつ亡くなった船橋を代表する名騎手、左海誠二さんの弔問台も設置されていました。私も末席に記帳をさせていただきました。マキバスナイパーでの勇姿は忘れられません。ご冥福をお祈りします。
船橋競馬場に滞在している時間は、ちょうど時間的にも大井競馬場のレースが開始した時間帯だったので、船橋競馬場にはそれなりの時間滞在して大井の馬券を何レースか買いました。
この後に大井競馬場にも訪れるのだから、どうせ馬券を買うならさっさと大井に移動すれば良いじゃん、という意見はごもっともで、私もしばらく経ったあと我に返りました。
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大井競馬場 (16:30~)
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船橋競馬場から大井競馬場には、海沿いの路線(京葉線〜りんかい線〜東京モノレール)を乗り継いで最短距離で移動ができます。だからといって1日でハシゴをする必要があるかはよくわかりませんが、いずれにせよ南関4場の最後の訪問地にして、最大の競馬場、大井競馬場にたどり着きました。
何が最大か、というと、やはり売上でしょうか。地方競馬の中ではダントツのナンバーワン。南関の中だと、川崎競馬場の2倍の売上を誇ります。
大井競馬場: 1954億
川崎競馬場: 1063億
船橋競馬場: 947億
浦和競馬場: 697億
ちなみに中央競馬は、10場の年間売上総計で3兆円を超えるようです。JRAはやはり桁違いだなと思いつつ、南関4場合計で5000億円近くは売り上げてるのでNRAもなかなか健闘してるとも言えます。
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さすが大井、コースも地方競馬の中では広々としてますし、観客も多く、ゴール前の歓声はなかなかの盛り上がりでした。
大井競馬場といえば平日開催のナイター競馬が売りだと思いますが、夕方くらいの時間帯に訪れるのも一興です。
大井競馬場は羽田空港の新飛行経路の真下に位置しており、15時〜19時の時間帯には競馬場の真上を飛んでいく「ど迫力」の飛行機の姿を眺めることができます。便数も多く、数分に1台は頭の上を飛んでいきます。
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携帯の貧弱なカメラで撮影してもこれだけはっきり飛行機が写ります。ジェットエンジンの騒音は競走馬の能力に悪影響を与えたりしないのかなとは少し不安になりますが、もう馬達も慣れっこなのかもしれません。
いずれにせよ呑気に観戦する立場の人間としては、競馬を肴に飛行機の飛ぶ姿を眺める、もしくはその逆が正しい姿かもしれませんが、なかなか楽しいものです。
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そんな感じで南関4場を一日で一通り巡り、夕暮れとともに大井競馬場も後にしました。
一日で全部巡ることに何も意味はないと思いますが、どの競馬場も都会で便の良い場所に存在しており、訪れやすい場所が多いなというのが感想です。
そしてどの競馬場もとても特色があり、ある意味画一的な中央競馬場とはまた違った魅力が、地方競馬にはあると思います。
浦和競馬場は地元の人にも親しまれる落ち着いた空間。
船橋競馬場は新スタンドが完成するとららぽーと目当てのお客も立ち寄るくらいスタイリッシュで訪れやすい場所になるでしょう。
大井競馬場は流石の豪華さと規模ですし、飛行機を眺めながら競馬を楽しむことができる穴場スポットでもあります。
川崎競馬場は周辺の治安の悪さでもスリルを感じられる非日常な空間です。
いずれにせよ競馬場に訪れて馬が走る姿を見るのは楽しいですし、これから中央も地方も大きいレースが続く季節になるので、私もこれからも競馬場に足を運ぼうと思いました。
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