書斎は狭い方がいい
狭隘で落ち着く
仕事をしたり、読書をするためにはオープンスペースよりも、狭い場所の方が捗るのかもしれない、とここ数年感じていたことである。引っ越し前からかなりの本の山に囲まれて、狭いスペースで仕事をしていた。ただ、自分の左右の側面が完全に本で埋まっていて、下の写真にあるようにモビルスーツのコックピットのような中で読書や仕事を行っていた。
蔵書をもつようになったのは、職業柄もあるのだが、大学院生時代から集め始めたSF小説の長年の集積が実家にあり、父の死→実家の立て直しという状況になったせいで、当時住んでいた家ほかに本を大量に移動したことである。その経緯については、こちらの経緯を見ていただけると幸いである。
そのせいで仕事の本と趣味の本がきちんと分けられなくなって、カオス化が始まり、どう整理するのか、試行錯誤していた。基本的に本を入れる本棚が少ないので山積みになる、という悪循環に陥り、その結果が机周りと、想像を絶する本積みタワーが生まれてしまったという。今後本の収納ということを考えると、限界を完全に感じていた。なので、本をきちんと収めるスペースを実家の立て直しで確保できたので、書斎と書庫を自宅部に作らせてもらった。
狭小スペースで書を読む
読書するのに最適なのは籠れるスペースがあり、狭い場所がベストである。適度な広さがあり、穴熊的に籠れる場所。青空は時折見れる程度でよい、オープンではない場。そんな場所がいつも欲しいと思っていた。ある種、薔薇の名前みたいな、修道僧が籠って書物を読むところを理想としていた。それなりに大きなデスクがあり、後ろに資料が置ける本棚、机には使っている本や読もうと思っている本を置けるスペースがあればベスト。閉め切れば完全に外界からシャットアウトして読書や仕事ができる、という風にしたかった。皆さんがどういう仕事場(書斎)を求めているのかはわからないが、小生にとっては「あまり広くない、籠れる場所」が最高の理想場であった。
今回、ある種理想的と言える仕事スペースを確保することができて、とても満足している。まずは家具は置かない、というコンセプトで広めの作業用の机を設置した。引っ越し前の家も白いテーブルを固定して使っていて、周囲に書類や本を置いて作業をすることがとても便利だったので、家の設計の際に備え付けの机にしてもらった。下の写真は建設中の書斎だが、正面に窓、大きめの机を備え付けることで、理想としていた書斎に近づいてきた。ありがたいのは、手前に備えたスライド式の扉で、何か作業する際にはここを閉じて作業できるので、邪魔されることがなくなった。
完成後は、緑を基調とした書斎になったので、比較的落ち着いて作業することができるようになった。ヘッダーにあるように、尊敬する作家のひとり森敦さんの色紙を飾ることができたので、まさに光陰の世界なっている。
最近の机周りは忙しくなると積み本が増えてくるものの、一定の嵩で治めるようにしている。読み終わった本を書庫に置けるようになったのは大変ありがたい。
部屋自体はたぶん4畳ぐらいの広さだが、本棚が割と充実しているおかげで読書が進捗するのもうれしい。