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モルダヴィアの古都ヤシへ(1) ルセでトランジット

表紙写真: ルセのスヴォドダ広場にて裁判所と自由記念碑(2024年6月、筆者撮影)

2024年6月15日、トルコはイスラム教の犠牲祭休暇へと入った。トルコ国内はどこでも大渋滞になってしまうので、都会の喧騒を離れるべく、ルーマニア北部の都市ヤシへと向かう。

イスタンブールからルーマニアのヤシまでは約1,000kmで車だと片道14時間くらいの距離である。一日で1人で運転するのは大変なので、ブルガリア最北の町ルセで一泊する。

イスタンブールを昼頃に出てトルコとブルガリア国境のカプクレ国境門へと向かう。イスタンブールからは片道2時間半といったところである。トルコの犠牲祭連休に伴う出国ラッシュにより、国境通過には1時間ほどかかった。トルコ側を抜けると今度はブルガリア側のカピタンアンドレノヴォ国境門となる。ブルガリアはEU加盟国なので出入国手続きはそこまで難しくない。そのままE80線を進み、ハスコヴォからE85号線に入り北へと向かう。

途中のGurkovoという町でピザを食べる。村に近いくらいの小さな町だが、Dabchetoというレストランの周りでは小さな子どもたちとお母さんたちが遊んでいる。この町の中では一番しゃれているバーといった感じで、店員さんも何となく日本より元気である。トルコより若干安いので、色々注文できるのが楽しい。

Gurkovoを出るとE55号線を北上し、前回4月にきたヴェリコ・タルノヴォを通過する。渓谷を町の南北方向に貫くトンネルの崖の上には東欧・トルコ風の民家が迫っており、なかなか圧巻である。

タルノヴォを出て1時間半ほどのどかな国道を北上すると、ルセの町が見えてきた。

前回4月の来訪時にイヴァノヴォの岩窟教会(世界遺産)に行った帰りに通った道を逆方向に進むだけなので既に見知った風景である。

ほどなくして市内に入り高速道路のスロープから降りると、街区が広がってきた。灰色のコンクリート造りのくすんだ印象の建物が多い。夜8時くらいにホテルに到着したが、駐車場が見つからず、近くのアパートの駐車場に一時駐車。この辺りはいかにも旧ソ連風の殺風景なアパートが軒を連ねており、生活感がないことに加え、あまり照明のついていない部屋も多くて不気味であった。移動した先の駐車場も不均一な土地に車が寿司詰めに駐車されていて、生活感満載な上にちょっとしたカオスである。

ホテルの部屋は使いやすくはないが、広さと清潔さはまずまず。一泊7,500円くらいだったのでそこまで安くはない。ブルガリアでも円安の影響は顕著だ。ホテル併設のレストランで豚肉とビールにありつく。(だいぶ脂っこかった。)翌日の長距離運転に備えて、本日は早めに休む。

スヴォドダ広場の劇場(2024年6月、筆者撮影)

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