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FIBA U18 Asia Cup 2024 男子日本代表
9/2からU18男子アジアカップが始まります。ベスト4に入ればU19ワールドカップへの出場権が得られる、日本男子バスケットボールにとって非常に大きな大会です。
開催国はヨルダン。グループ・フェイズは首都アンマンとサルトの2ヶ所。グループ・フェイズ後はアンマンが会場になります。
大会公式サイトはこちら
2022年の前回大会はU18 Asian Championshipでしたが、今大会から名称が変わりました。
YoutubeのFIBA - バスケットボールチャンネルで放送がありますので、みんなで応援しましょう!
JBAから発表されたメンバー表はこちらです。
ここでは観戦のお供に、選ばれし12人のプレイヤーを年齢順にざっと紹介してみます。
内藤耀悠
所属:レバンガ北海道(U22枠)
生年月日・年齢:2006年1月11日 18歳
身長・体重・ポジション:191cm 96kg SF
代表歴:2022年U16アジア選手権、2022年U17ワールドカップ、2023年U19ワールドカップ、2024年U18 「第30回アルバート・シュバイツァー・トーナメント」
レバンガ北海道U15からU18(高校は北海道文教大学附属高校)とユース畑を歩んで、リーグ初のユース育成特別枠でレバンガと契約。2022年11月30日にはBリーグ最年少出場記録を更新しました。
2023年9月には「FIBA 3x3 U18ワールドカップ 2023」大会直前で左膝内側側副靱帯を損傷しますが、2024年2月には「クラブ・ジョベントゥット・バダロナ」のアカデミー部門に短期留学しています。
2024年6月28日には、新設されたU22枠選手としてレバンガ北海道との契約が発表されました。まさにレバンガの未来。
プレイスタイル
191cm 96kgのがっしりした体形でありながら、視野が広くパス能力に優れ、ハンドリング力も高く、フィジカルを活かしたディフェンスも強力です。アウトサイドショットの精度に関しては向上が必要な部分かと。
既に2度のワールドカップの出場で、海外チームとのフィジカルなやりあいも十分経験済みですし、Bリーグでは外国籍とのマッチアップも果たしています。他メンバーを圧倒する実績を基に、キャプテンとしてチームを引っ張っていってくれるでしょう。
既に高いプロ意識と論理的な思考能力を備えた恐るべき18歳。彼もまたBリーグが期待する若手の一人です。
菅野 陸
所属:山梨学院大学(1年)
生年月日・年齢:2006年3月8日 18歳
身長・体重・ポジション:177cm 67kg PG
代表歴:2023年U18「第31回 日・韓・中ジュニア交流競技会」、2024年U18 「第30回アルバート・シュバイツァー・トーナメント」
福島ファイヤーボンズU15を経て、帝京安積高校ではエースとしてウインターカップ2023のベスト16へと導きます。
2024年1月からは地元の福島ファイヤーボンズで特別指定選手として活動し、4月には山梨学院大学に入学。
6月に開催されたルーキーズトーナメントでは、優秀選手賞、得点王、3P王と既に大学バスケット界にインパクトをもたらしています。
2024年8月に開催された第3回World University Basketball Seriesでは日本学生選抜に選出されました。
プレイスタイル
ルーキーズトーナメントの活躍通り、攻撃力が持ち味。ウインターカップ2023でも3試合連続20点超えの得点力を披露しました。
4月に開催されたアルバート・シュバイツァー・トーナメントでは海外チームのフィジカルに押し負ける部分も見られましたので、ディフェンスでのフィジカルとチームを動かすゲームメイク力が今後の課題だと思います。
瀬川琉久とのPGコンビでチームの舵取りを担います。
深澤 桜太
所属:中央大学(1年)
生年月日・年齢:2006年3月14日 18歳
身長・体重・ポジション:198cm 95kg PF
代表歴:2024年U18 「第30回アルバート・シュバイツァー・トーナメント」
2023年のウインターカップで土浦日大をベスト4に導く原動力となり、中央大学に進学後は新人インカレで優秀選手賞を受賞し、中央大学の同大会優勝に大きく貢献。
菅野と共に2024年8月のWorld University Basketball Seriesでは日本学生選抜の一員としても活躍しました。
プレイスタイル
世界的に見ればアンダーサイズのインサイドではありますが、速く高いジャンプを武器にアルバート・シュバイツァー・トーナメントでも、大きく強い世界のインサイド相手にやりあっていました。
彼自身も自覚しているところですが、サイズを補うためのアウトサイドショットが今後の課題。
渡邉伶音と共に数少ないインサイドの軸として活躍が求められる大事な存在です。
渡邉 伶音
所属:福岡大学付属大濠高校(3年)
生年月日・年齢:2006年4月2日 18歳
身長・体重・ポジション:204cm 97kg C
代表歴:2022年U16アジア選手権、2022年U17ワールドカップ、2023年U19ワールドカップ、2023年U18「第31回 日・韓・中ジュニア交流競技会」、2024年U18 「第30回アルバート・シュバイツァー・トーナメント」、2024年度男子日本代表チーム 第1次強化合宿(ディベロップメントキャンプ)、2024年U22「第43回ウィリアム・ジョーンズカップ」
高校1年生から各年代の代表で活動し続け、内藤と並んで既に2回のアンダー世代のワールドカップ出場経験を持っています。
2023年のウインターカップで大濠を準優勝に導いた後、2024年1月5日にはB2のライジングゼファーフクオカとの特別指定契約を発表し、4試合に出場。
5月にはパリ五輪に向けた第1次強化合宿のメンバーに、高校生としては瀬川琉久と2人のみ選出されました。
7月に開催されたウィリアム・ジョーンズカップではプロ選手に交じってインサイドの要として活躍し、8月のインターハイでは大濠をベスト4に導きます。
日本一忙しい高校生と呼んでもいい伶音ですが、さらに休むことなくアジアの大一番に向かいます。
プレイスタイル
日本国籍としては稀有な身長と柔らかなシュートタッチを持つ「日本のファジーカス」。
2022年から日本のアンダー世代のHCを務めるアレハンドロ・マルチネスHCの下では、2022年のU18アジア選手権以外の出場可能な国際試合にすべて出ている、マルチネスの秘蔵っ子でもあります。
大濠のインサイドの主軸として、留学生と幾度もマッチアップし、フィジカルなぶつかり合いも会得してきました。アジアの強力インサイド相手にも、かつてウインターカップで火花を散らした深澤と共に立ち向かってくれるでしょう。
和田 拓磨
所属:北陸高校(3年)
生年月日・年齢:2006年4月5日 18歳
身長・体重・ポジション:187cm 80kg SG
代表歴:2023年U18「第31回 日・韓・中ジュニア交流競技会」、2024年U18 「第30回アルバート・シュバイツァー・トーナメント」
全国有数の強豪校として名を馳せる北陸ですが、近年はなかなか上位進出が果たせずにいます。その北陸でキャプテンを務めるのが和田。8月のインターハイでは3Pの不調に苦しみましたが、エースとしてベスト16までチームを引っ張りました。
プレイスタイル
アルバート・シュバイツァー・トーナメントで初めて和田のプレイを見ましたが、チームメイトへの声がけ、リーダーシップ、判断の速さに目を奪われました。
シューターとしての動きはチーム随一だと思いますので、大事な場面での活躍に期待しています。
瀬川 琉久
所属:東山高校(3年)
生年月日・年齢:2006年8月14日 18歳
身長・体重・ポジション:183cm 71kg PG
代表歴:2023年U18「第31回 日・韓・中ジュニア交流競技会」、2024年U18 「第30回アルバート・シュバイツァー・トーナメント」、2024年度男子日本代表チーム 第1次強化合宿(ディベロップメントキャンプ)
世代ナンバー1プレイヤーの呼び声も高かった瀬川がついにFIBAの公式大会に登場します。
小学校6年生から中学3年生まで公式戦無敗。中学最後の大会となるJr.ウインターカップ21-22でも、エースとして兵庫県代表のゴッドドアに優勝をもたらします。
進学した東山高校では1年次は全国大会に出れず悔しい思いをしますが、2年次はインターハイ準優勝、ウインターカップベスト8へ進出。
2024年2月にはNBAとFIBAが主催する第8回BWB(バスケットボール ウイズアウト ボーダーズ)グローバルキャンプのメンバーとしてアジアから選出された6名の1人として、世界の有望選手40人と競い合いました。
4月のアルバート・シュバイツァー・トーナメントではエースとしてチームを牽引しチームに2勝をもたらします。
5月にはパリ五輪に向けた第1次強化合宿のメンバーに、高校生からは渡邉伶音と2人のみ選出され、ホーバスHCからも「ショック。17歳であのぐらいフィジカルなバスケットができて、落ち着いているなんて。いい選手になりそうです」と高く評価されます。
8月のインターハイでは東山に初の栄冠をもたらしました。
プレイスタイル
ここまで世代別FIBA公式戦の出場がなかったことが信じされない程の世代を代表するプレイヤー。高校生としては圧倒的なハンドリングとシュート力、緩急、判断力を備えています。BWBでは世界の怪物たちから多くを吸収し、アルバート・シュバイツァー・トーナメントでは自信を持ってチームを引っ張りました。
名実ともにエースとしてこのチームを牽引しなければいけない存在です。高校卒業後の渡米を口にしている瀬川にとって、真の姿をアピールする大きなチャンスになるでしょう。
十返 翔里
所属:八王子学園八王子高校(3年)
生年月日・年齢:2006年12月22日 17歳
身長・体重・ポジション:191cm 76kg SF
代表歴:2024年U18 「第30回アルバート・シュバイツァー・トーナメント」
2023年のウインターカップでは3回戦で藤枝明誠に敗れた八王子でしたが、2年生エースの輝きに目を奪われました。当時の藤枝明誠のエースで東海大学に進学した赤間賢人が徹底マークした男こそ十返翔里です。この年のウインターカップでは3試合で平均32.6得点。恐るべき得点力を備えています。
プレイスタイル
日本の高校生としてはサイズのあるウイングプレイヤーながら、スクリーンを使ったキャッチ&ショットの完成度も高く、ドライブからのフィニッシュとアシストにも優れています。跳躍力を活かしたダンクでも会場を沸かせます。
課題としてはオフボール・ムーブ。チームではエースが故にボールを持ってからのプレイが多くなりがちですが、彼ならばオフボールでディフェンスと駆け引きして攻め手をもっと増やせるはず。
細身の体形で鋭い縦の動きからキュッと止まって急上昇してショット。その切れ味は往年の名SGケリー・キトルズを彷彿とさせます。あと5cm伸びれば同じ身長に。
このチームでは瀬川に次ぐ攻撃の要になると期待しています。
髙田 将吾
所属:福岡大学付属大濠高校(3年)
生年月日・年齢:2007年1月3日 17歳
身長・体重・ポジション:189cm 78kg F
代表歴:2023年U16アジア選手権、2023年U18「第31回 日・韓・中ジュニア交流競技会」
馬場雄大、八村塁の母校の奥田中出身。Jrウィンターカップでは2年次で大会ベスト5に選ばれるなど注目を集める存在でした。大濠進学後も順調に成長を重ね、2023年U16アジア選手権ではキャプテンとしてチーム得点王の活躍を見せます。
2024年に入ってから右膝を手術し苦境に立たされましたが見事カムバックし、8月のインターハイでも大濠のエースとしてチームをベスト4に導く活躍を見せてくれました。
プレイスタイル
こちらの動画で彼自身が語っていますが、ジャンプシュートが大きな武器。安定感あるスコアラーとして貢献してくれるでしょう。
全体的に穴がないプレイヤーですが、ディフェンス力を更に向上できればBリーグでも十分活躍できるはず。
千保 銀河
所属:開志国際高校(3年)
生年月日・年齢:2007年3月27日 17歳
身長・体重・ポジション:188cm 77kg SF
代表歴:2023年U16アジア選手権、2024年U18 「第30回アルバート・シュバイツァー・トーナメント」
髙田将吾と共に2023年U16アジア選手権で日本を引っ張ったのが千保銀河。平均得点も髙田に次ぐチーム2位。この世代を代表するオールラウンドプレイヤーです。
プレイスタイル
3P、ドライブ、アシスト、スティールと様々な場面でいい活躍を見せてくれます。おそらくこのチームでは2/3番をこなすスィングマンとして重宝されるでしょう。
清水 祥敬
所属:中部大学第一高校(2年)
生年月日・年齢:2007年7月25日 17歳
身長・体重・ポジション:197cm 84kg SF
代表歴:2023年U16エントリーキャンプ
中部第一のサイズのあるSFがU18最後の1枠を勝ち取りました。どういうプレイヤーかよくわかっていませんが、まだ2年生なのでいろんなことを吸収してもらいたいです。
プレイスタイル
インサイドよりもアウトサイドで強みを出せるプレイヤーのようです。和田、髙田、千保あたりと役割が被ると思いますが、がむしゃらにやって欲しいです。
ベネディクト 研一郎
所属:St. George’s School(アメリカ)
生年月日・年齢:2008年6月4日 16歳
身長・体重・ポジション:193cm 82kg SF
代表歴:2023年U16アジア選手権、2024年U18 「第30回アルバート・シュバイツァー・トーナメント」
2023年のU16アジア選手権で突如現れたベネディクト。当時でも白谷柱誠ジャックに次ぐ若さでしたが、平均得点でチーム3位、リバウンドとブロックではチーム1位の活躍を見せます。
プレイスタイル
速く高いジャンプが一番の特徴。チームでは4番寄りで使われることが多いので、そのポジションではサイズがあるわけではないですが、アルバート・シュバイツァー・トーナメントでも世界のビッグマン相手に強烈なダンクを炸裂させていました。今後はアウトサイドでのプレイも増えていくと思いますが、アジアでの勝利のために今大会はインサイドで体を張って欲しいです。
白谷 柱誠ジャック
所属:四日市メリノール学院中学校(中3)
生年月日・年齢:2009年4月29日 15歳
身長・体重・ポジション:194cm 92kg PF/C
代表歴:2023年U16アジア選手権、2024年U18 「第30回アルバート・シュバイツァー・トーナメント」
今後の日本男子バスケットボール界の命運を握る存在です。
14歳で出場したU16アジア選手権でも周囲を驚かせるプレイを連発し、FG%(52%)とスティール(なんと平均2.7)でチーム1位。リバウンドでチーム2位の大活躍を見せます。
全中3連覇、Jrウインターカップ22-23でも圧倒的な存在感でメリノール中の優勝に大きく貢献しました。
プレイスタイル
中学生でゴールテンディングしてしまうほどの速く高いジャンプ、194cmの15歳とは思えないボールハンドリングに目を奪われますが、彼の本当に素晴らしいところはディフェンスとパスとバスケIQ。
平面ディフェンスでもよく脚を動かして、自分より小さい相手のドライブもファウルせずにコースに入って止めることができ、フロアを広く見て正確なパスで決定機を作り出し、流れを読んで自分よりも味方に攻めさせた方がよいと判断すればすかさずボールを離す成熟したプレイぶり。。。中学時代の八村塁を凌駕する史上最高の中学生プレイヤーと言っても過言ではありません。
プロ顔負けの大活躍🔥🔥
— バスケットLIVE (@BASKETLIVE_JP) August 24, 2024
大会優秀選手賞に選出 #白谷柱誠ジャック(#34) のスーパープレー集
【男子決勝】#四日市メリノール学院(三重) 🆚 #京都精華学園(京都)
▶見逃しはコチラhttps://t.co/dfQze6xRCS
🏀#全中バスケ 2024🏆#バスケットLIVE 全試合見逃し配信中📡#中学バスケ @JAPANBASKETBALL pic.twitter.com/j5rUlV5USw
例えこれ以上背が伸びなくても、あのプレイスタイルをそのまま伸ばしていければNCAA D1やそれ以上に到達できる可能性も高いと思います。
日本の未来を背負いアジアベスト4へ。ジャックの今持っている全てを捧げて欲しいです。
Road to U19 World Cup
U18アジアカップのレギュレーションをざっくりと。
日本は中国、カタール、カザフスタンと同組のグループC。
グループ1位は中2日で9/7のクォーター・ファイナルへ。
グループ2位と3位は中1日で9/6のクォーター・ファイナル進出決定戦へ。
クォーター・ファイナルに勝利してセミ・ファイナルに進出できれば、U19ワールドカップへの出場が確定します。
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日本は初戦でカタール、次戦でカザフスタン。そして今大会の大一番が3戦目の中国です。ロスターはよくわかりませんが、2mを超えるビッグマンが何人も出てくるでしょう。ベストシナリオは全勝でグループC通過です。
が、もしもグループ・フェイズのどこかで敗けた場合、日本はグループ2位の可能性が高いので、D組の3位との対決になります。
ここに勝ったとしてもクォーター・ファイナルで待ち受けるのはグループAの1位でおそらくオーストラリアでしょう。オーストラリアはNBAアトランタ・ホークス所属のダイソン・ダニエルズの弟、ダッシュ・ダニエルズやNBAインディアナ・ペイサーズ所属のジョニー・ファーフィーの弟のジェイコブ・ファーフィーや、NBAグローバル・アカデミー所属のプレイヤーも数人揃えたおそらくアジア&オセアニアの最強チーム。こことぶつかるのはなんとしても避けたいところ…
なんとかグループCを全勝で抜けてグループA2位vsグループB3位の勝者との決戦に持ち込みたいです。
2023年のU16アジア選手権では新郷礼音の負傷もあってクォーター・ファイナルでフィリピンに敗れU17ワールドカップへの道を閉ざされた日本。2大会連続でアンダー世代のワールドカップ出場を逃せばその損失たるやいかばかりか。
前回のU18アジア選手権では準優勝、U19ワールドカップではベスト8と世界大会でも頭角を現してきた日本の進化をさらに加速させるためにも、なんとしてもアジアベスト4の扉をこのチームで開いて欲しい!
がんばれ日本男子U18!