-後編-とあるブースターの視点からの横浜ビー・コルセアーズ航海記:Bリーグ8年目(2023-24)
前編↓に続いて後編です。
怪獣カイ・ソットが海賊に!
14節を終えて10勝14敗。苦難の航海が続くビーコルに驚愕の展開が待ち受けていました。
12.28、フィリピン100年に1人の至宝、220cmのカイ・ソットが広島から期限付き移籍でやってきました!
ビーコルがテコ入れを図るなら、コーチか外国籍だと思っていましたが、まさかアジア/帰化枠とは。。では帰化枠のエドはどうなるのか?
エドとの別れ
出場時間が多いわけではありませんが、コートでは控えビッグマンとして、オフコートではチームの盛り上げ役&外国籍と日本国籍プレイヤーをつなぐ存在として価値を認められてきたエド。
なんと、宇都宮への期限付き移籍が発表されます。。
この時点で東地区2位と好調の宇都宮でしたが、12月初頭に帰化選手のギャビン・エドワーズが肉離れでインジャリー・リストへ。穴を埋めてくれるプレイヤーを探していましたが、まさかエドとは。。
ギャビンの復帰後は宇都宮を退団し、再び期限付き移籍で島根へ。3月にはビーコルとの契約が双方合意で解除となり、島根との契約が発表されます。
18-19から6シーズンにわたって海賊を支え続けてくれたエド。苦しいシーズンが多かったビーコルですが、それでも明るさを忘れずに戦ってこれたのはエドの存在が大きかったように思えます。ありがとうエド!
そして、怪獣がやってきます。
カイ・ソット:通称"カイ" or "カイジュウ"。背番号11。220cmのC。フィリピン出身。
フィリピンPBAドラフトで1巡目7位で指名され、同国代表経験もあるアービン・ソットを父に持つカイ。15歳で身長は216cmに達した神童でした。
2018.04に開催されたU16アジア選手権に出場すると、16.8点(チーム1位)、13.5リバウンド(大会1位)、2.5ブロック(大会1位)でチームを牽引。勝てばU17ワールドカップへの出場がきまる一戦、相手は日本。勇輝と力くんがいた日本に対し、28点21リバウンド3ブロックのモンスタースタッツで日本のワールドカップへの道を閉ざします。
その後、U17ワールドカップ、U18アジア選手権、U19ワールドカップと、アンダー世代のすべての大会でフィリピンの中心として活躍したカイは、17歳でUSAジョージア州にあるThe Skill Factoryに移り研鑽を積みます。
コロナ禍に世界が包まれる中、18歳にしてGリーグの若手NBA候補養成機関とも言えるIgniteへの入団が決まります。しかしフィリピンのフル代表としてアジアカップ予選に出場した際に、コロナ禍での移動制限に引っかかりUSAに戻れなくなったことで、Igniteとの契約を双方で解除することになりました。
2021.04、オーストラリアNBLのAdelaide 36ersとの2年契約が発表されます。21-22シーズンは23試合に出場し、7.5点、4.5リバウンド。
シーズン終了後はNBAドラフトに向けてワークアウトしていましたが、指名されず。
翌22-23シーズンは27試合に出場し、6.8点、4.5リバウンド。
シーズン終了後、なんとBリーグ広島への電撃加入が発表されます。
広島入団後は4試合連続で2桁得点を上げますが、その後失速。リーグ戦での成績は9.5点6.4リバウンド1.4ブロック。圧倒的な高さがありながらフィジカルの弱さを突かれ、CSでも期待された活躍はできずに。
シーズン終了後に広島との契約を延長した後、NBAのサマーリーグに挑戦しオーランド・マジックでロスター入りしますが、期間中に腰を痛めてしまいます。
2023.09.28、広島から腰椎椎間板ヘルニアによるカイのインジャリーリスト入りが発表されます。
そして2023.12.28、怪獣が海賊に。U16アジア選手権を戦った勇輝、力くん、カイがビーコルで再会するとは。。興奮が止まりませんでした。
2023年、海賊大晦日
ホームで2023年最終節を迎える相手は中地区のライバルチーム三河。
28年という長期政権を築いた鈴木貴美一HC体制から脱却し、NBAワシントン・ウィザーズのACだった33歳のライアン・リッチマンをHCに据える離れ技を見せると、京都からスタートPGの久保田義章、渋谷から匠のベテランシューター石井講祐、アジア枠として韓国代表経験のあるイ・デソン、新規外国籍としてノートルダム大4年次に得点とリバウンドで平均ダブルダブルだったザック・オーガスト、そして大物の元NBAジェイク・レイマンなどを獲得し、この時点で中地区2位と上り調子のチームでした。
かたやビーコルはカイを加えて新たな船出。新生ビーコルの初陣です。
12.30、Game1。合流したばかりのカイはまだチームに馴染んでおらず、お披露目程度の出場でしたが、勇輝からのロブシティやブロックも見せ、期待あふれるデビュー戦となりました。
シーソーゲームの末の4Qはリードチェンジを繰り替えす緊迫した展開に。
4Q残り1:26、デビンのFTでビーコルが1点リードするとそこからは守り合い。最後、西田の突破をコーヤと森井ちゃんで挟んで試合終了。73-72で8連勝中の三河に土をつけます!
勇輝がターンオーバー8と苦しみながらも10アシストでチームを動かし、ユトフが3P 3/7の23点。佑成も3P 4/9の12点の活躍でした。
Game2、年内最後のゲームは三河のガードナーがオンファイヤー。3P 9/16の38点の大爆発。フィジカルがあって外もうまい外国籍に対して打つ手がないビーコル。勇輝も10アシストながらショットが不調、デビンが20点10リバウンドと活躍したものの、72-89で敗北。
試合後のGame Report。勇輝の振り絞るような言葉が痛々しい。。
これで年内は11勝15敗。カイの加入という大変革を断行したビーコル。カイと勇輝のコンビに明るい灯火が見えたものの、航海の行く末は見通せないままでした。
2024年、新たな出航
カイを乗せた海賊船は新たな航路へと漕ぎ出だします。タイトル獲得の目標のためには前年までの噛み合わなさを一刻も早く払拭したいところ。
勇輝またしても記録更新
2024.01.06、新年最初のゲームはアウェイvs富山。元旦に能登半島地震が起き、特に森井ちゃんをはじめとする石川県出身のプレイヤーにとっては悲痛な心境の中での開催となりました。
Game1、思いを新たに勇輝がまたしてもバスケ界を震撼させるパフォーマンスを見せます。リーグ新記録となる20アシストの大爆発で25点。勇輝からのパスを受けた佑成がキャリアハイの7本の3Pをきめ23点の活躍で、100-95で年明け初勝利!
しかし大差をつけて入った4Qで5点まで追い上げられるディフェンスの弱さが改善できていないことも見て取れました。。
Game2、前日と打って変わって両チームともシュートが入らず。。リードチェンジを繰り返しながらの最終盤。2点のビハインドを追って、勇輝がドライブからデビンへ。逆転を狙った3ポイントは。。外れて68-70で敗北。ここまで3勝の富山に勝利を献上するとは。。
しかもカイが足首を捻挫し後半出場せず。目前の天皇杯に向けて暗雲が立ちこめます。
天皇杯クォーターファイナルvs宇都宮
01.10、天皇杯クォーターファイナルは横浜武道館で宇都宮を迎え撃ちます。そして、エドが横浜に帰ってきました!
富山戦で負傷したカイは結局この大一番に出場できず。。ゲームは序盤から宇都宮ペース。比江島慎が3P 7/10の27点、D.J・ニュービルが3P 4/10の23点と相手の2大エースに60点も取られ65-81で敗北。。ついにタイトル獲得の目標の1つを失います。
オールスターゲーム@沖縄アリーナ
01.12から3日間にわたって開催されたオールスターゲーム。ビーコルからは本戦に勇輝とジョシュ、アジア・ライジングスター・ゲームにカイとキングが選ばれました。また勇輝はスキルズチャレンジにも登場。
前回大会のチャンピオンとしてスキルズチャレンジの大トリを飾る勇輝ですが、その前に篠山竜青が好タイムを出します。
一度でもミスしたらたぶん追いつけないというプレッシャーのかかる中、いとも簡単にミッションをこなし、勇輝が最速タイムをたたき出して優勝です。
曇りのち晴れのち雨
残すタイトルはリーグ戦しかなくなりました。もう一戦に賭けて行くしかありません。
01.17、アウェイvs信州。カイが戦列に復帰し、無理はできないながら早速ダンクも。そして勇輝が再びゲームを支配。32点8アシストの活躍を見せ、81-71で勝利!
01.20、アウェイvs大阪Game1。前半で大差をつけられる展開に、勇輝がスコアラーモードで連続の30点超え、デビンの23点9リバウンドでやり返すも追いつけず。
01.21、Game2。天皇杯の敗北以来、再び「やる勇気」モードが入ったかのような勇輝は3試合連続30点越えの31点6アシスト!キングも13点と躍動し、ジョシュは久々のダンクも含む15点。97-91で勝利!
01.27、ホームに帰ってきてvs島根。西地区の強豪相手に連勝すれば一気に波に乗れる、そう思っていました。
Game1、最大限に警戒すべきはエースのペリン・ビューフォード。誰もがそう思っている中で、やはりやられてしまうのがこのシーズンのビーコル。29点12リバウンド9アシストと縦横無尽に荒らされて86-98で敗北。。
ビーコル側はカイが加入後最高の16点。彼がなじんでくれれば。。ブースターの期待がカイに集まり始めていました。
Game2、カイを初の先発で起用するも、前半でディフェンスが突き破られ、35-61。ザッキーをビューフォードにマッチアップさせる奇策を見せるも、またしてもトリプルダブル未遂の27点12リバウンド9アシストと止められず。ビューフォードにスピードのミスマッチを突かれてカイは21分の出場でファウルアウト。。この2試合は勇輝も振るわず。。
強豪相手に打つ手なし、そんな暗い気持ちになりました。
01.31、1月の最後はホームでvs三河。
カイが練習中の怪我で欠場。苦しい展開ですが、勇輝も周りを活かすプレイを心がけチームのアシストは22-14と上回ります。
リードチェンジを繰り返しながら4Q残り1:05、イ・デソンの3Pで逆転を許します。残り0:02、リングに向かうデビンに三河ディフェンスが意識を向けた一瞬の隙を突いて、コーナーのコーヤへアシスト。コーヤがクラッチタイムでビッグショットをきめ、75-74と競り勝ちます!
勇輝が14点8アシスト、デビンが10点9リバウンド5アシスト、ジョシュが8点12リバウンド4アシスト。殊勲のコーヤが13点の活躍。
1月を終えて15勝19敗の中地区6位のビーコル。波に乗れそうで乗れない。連勝できそうでできない。そんな日が続いていました。
いよいよ2月。CSに向けて本当にお尻に火がついてきました。現状のビーコルがCSに出場するためには、ワイルドカード争いに回ってしまうと厳しいため、中地区2位を狙いたいところ。中地区2位の三河を上回るためには直接対決での勝利と取りこぼしをしないことが肝要です。
02.03、ホームに迎えるのは10勝24敗の東地区7位北海道。ロスターを見ても敗れるはずはない。そう思っていました。しかし調子を取り戻してきたかに見えたデビンがコロナ陽性判定。嫌な予感が。。
Game1、カイが復帰しますが笛に苦しみ11分で4ファウル。4Qの大事な場面で判定に不満を見せテクニカル・ファウルをコールされて勇輝に喝を入れられる場面も(テクニカル自体はベンチにつきましたが)。。勇輝が3P 4/8の25点8アシストとさすがの活躍、ジョシュも12点15リバウンドと奮闘しますがまさかの敗北。。
Game2、2連敗は絶対にできないと、勇輝がバーサーカーモードで33点取りますが3Pに当たりがこず。。ユトフの22点16リバウンド。森井ちゃんの12アシストとオフェンス面では輝きを見せましたが、北海道の誇るドワイト・ラモス、ダリル・ウィリス・ジュニア、デモン・ブルックスに合計72点取られ83-89で2連敗。。
上位を追いかけるどころか取りこぼして離されていく。つらい。。
02.07、アウェイvs渋谷。北海道に負けてデビンも未だ復帰できずズルズル行きそうな展開。。
しかしそういう時に予想を裏切るのがビーコル。ロースコアゲームを勇輝の29点9アシスト、ユトフの20点8リバウンド5ブロック、カイの加入後初の2桁リバウンドと2ブロックで制し、68-60で勝利!
カイの覚醒
アジアカップ予選のリーグ戦中断期間に入る前のゲームはアウェイvs千葉。
このシーズンの千葉は新規外国籍で新卒のジャスティン・マッツが能力は高いものの波があり、序盤は千葉らしからぬ安定感を欠いた戦いぶりでした。しかしマッツの代わりにかつてNBLのMVPに輝いたゼイビア・クックスと契約。EASLで勝利を重ねるにつれチーム力が上がってきて、この時点で24勝13敗の中地区3位、強豪にふさわしいチームに変わってきました。
02.10、Game1。千葉に最後追い抜かれるも途中までは互角の展開。勇輝が12点12アシストでうまくゲームを作りつつ、復帰してエナジー全開のデビンが18点、そして北海道戦で勇輝に気合いを入れられたカイが、思うところあったのか見違えるほどの活躍で18点10リバウンドのダブルダブル。いいゲームだったものの79-89で敗れます。。
Game2、この日は勇輝がシーズンワーストと言ってもいいシュートタッチに苦しみますが、カイがゴール下で大暴れ。勇輝からのロブシティ横浜あり、見たことのないようなポストでのターンアラウンドショットありで、連日のダブルダブル26点11リバウンドの大活躍!
同点で4Qに突入すると一進一退の白熱した展開に。残り2:18、カイのプットバックで逆転!しかしまたしても同点に追いつかれOT突入。OT残り1:13、ユトフが逆転の3Pで1点リード。残り0:36、勇輝とデビンの仕掛けから、キングのバックカットで3点差に!あの千葉から90-85で勝利をもぎとります!
ユトフの17点8リバウンド4ブロックの活躍も光りました!
2月を終えて17勝22敗の中地区6位。中地区2位の三河とは8勝差。。
残り21試合。ワイルドカード上位はおそらく千葉の可能性が高く、ワイルドカード下位も中地区2位より上振れする可能性があったため、中地区2位三河をターゲットに勝敗計算していました。たとえ三河が失速して残りを5割で終えたとしても、ビーコルがこの8勝差を覆すためには9割近くの勝率でなければ追いつけません。
CS出場のためには、もはや一敗もできないほどの崖っぷちです。
3月に入って初戦はこのシーズン初の神奈川ダービー、アウェイvs川崎。
英雄ニック・ファジーカスのラストシーズンを飾りたい川崎ですが、外国籍プレイヤーの負傷などもあり、名門クラブとしては納得いかない中地区4位と苦戦していました。
03.02、Game1。スターターとして5試合目となるカイの14点8リバウンドの活躍があったものの、チームのFG%が.362と低調で、67-83で敗北。
Game2、前半に猛チャージを見せ45-17と圧倒したビーコルが追い上げをかわして84-73で勝利!
カイがスコアリングリーダーの21点12リバウンド4アシスト、デビンの18点8リバウンドの活躍も光りました。
03.06、ホームで中地区首位をひた走る三遠との一戦。拮抗した中で追いつこうとしても離される展開でしたが、4Q残り1:08、カイのポストからのターンアラウンドプッシュショットでついに逆転!残り0:34、勇輝がとどめの一撃の3Pをきめ81-76で勝利!
勇輝FG6/7の20点11アシスト、カイFG11/14の23点10リバウンドと勇輝&カイの1-2パンチ炸裂でした。
タケさん、母校青学のHCへ
03.08、衝撃のニュースが飛び込んできました。Bリーグ初年度からはプレイヤーとして、21-22シーズンからはGMとしてビーコルと苦楽を共にしてきた竹田謙(タケさん)GMの、母校青山学院大学のHCへの就任が発表されます(ビーコルGMは兼任)。
青学側からオファーがあり、大学の新年度に向けた活動が開始する時期ということで、この日の発表になったとのこと。
タケさんの今後のキャリアに幸あれという気持ちはありながら、勇輝をビーコル2年目の特別指定およびプロ契約に導びき、前シーズンには低迷していたビーコルを天皇杯&リーグのベスト4に導いた手腕を高く評価されていたタケさんが別の道を選んでしまう。。
ビーコルのGMは兼任とのことですが、大学HCとプロクラブのGMの仕事を並行して続けられないことは容易に予想ができました。
いつも飄々としているタケさんが、発表されていない内実を語ることはないでしょうが、母校への恩返しということ以外にも、プレイヤーの人事を預かる身として時に覚悟の決断をくださなければいけないGMの立場は負担が大きかったのかもしれません。
何はともあれ、苦しい時期が多かったビーコルにこれまで尽力してくれたタケさんがベストだと思う道を進んでくれればこれに勝るものはありません(涙)。
03.20、ホームでvs富山。ジョシュがコンディション不良で欠場したものの、リーグ最下位の富山に対し、勇輝&カイのロブシティ横浜連発で快勝!
勇輝が21点10アシスト、カイが16点14リバウンド、ユトフが17点13リバウンド3ブロック、デビンが11点16リバウンドの活躍。
これで川崎戦から3連勝!カイの調子が上がってくるとともにビーコルも上り調子に。
03.23、ホームでvs長崎。長崎はB1昇格チームながら日本代表の馬場雄大を加え、ディフェンス力を磨いて奮闘していました。
Game1、この日もジョシュが欠場。その所為かリバウンドで30-42と差をつけられ、ユトフも3Pが1/11と当たらず76-90で敗北。
Game2、史上初の赤ユニフォーム「TRADITIONAL RED」に身を包んだビーコル。炎のエナジーで前日の借りを返し、このシーズン最多得点となる102-69で快勝!
勇輝が13点13アシストのダブルダブル、デビンが21点、ユトフが調子を取り戻し、18点13リバウンド3スティール6ブロックの活躍でした。
これで21勝24敗の中地区5位。中地区2位の三河との8勝差は変わらず。
残り15試合。たとえ三河が今後5割の勝率に落ちたとしても、8勝差を覆すには残り全勝が必要。。長崎戦Game1の敗戦がなければ5連勝だっただけに、あの一敗が大きかった。。
覇者への航路は遠く
03.27、CS出場が非常に厳しくなって臨んだアウェイvsFE名古屋。ホームゲームでは保たれていたモチベーションの糸が切れたように、中地区同率のライバルチーム相手にFG% .307しかきめれず64-80で敗北。
03.30、3月最後のゲームはホームでvsA東京。A東京はこの時点で東地区2位の37勝9敗。
Game1、特にインサイドでの力の差が大きく、リバウンドでは26-47と完敗。
カイがキャリアハイの28点、勇輝の15点10アシストがあったものの75-81で惜敗。
Game2、このシーズンの国プ最終戦。この日もリバウンドで23-39と凌駕され、デビンの20点の活躍があったものの66-79で敗北。3連敗。。
04.06、アウェイで東地区最下位の茨城と。
Game1、ここまで8勝の茨城を突き放せないビーコル。拮抗した展開のまま最終局面へ。残り0:35、平尾充庸にカッティングからのレイアップをきめられ逆転を許すと、残り0:13、FT確率90%超えの平尾にFTのチャンスを与えてしまいます。しかし平尾が2本目のFTを外し、2点差でビーコル最後のオフェンス。ユトフが逆転の3Pを狙うも撃ちきれず、ウィングのコーヤへ。残り0、ボールをもらったコーヤが苦しい態勢ながら放った3Pが…きまる!逆転ブザービーター3Pで94-93、ビーコル勝利!
勇輝が24点13アシストと活躍するもシュート確率に苦しみますが、この日3P 3/5のコーヤの13点とブザビ3Pがチームを救いました!
Game2、4Q残り6:07、この日最大の13点リードを許すも、終盤に森井ちゃんの魂のスティール、前日のヒーローであるコーヤの3Pで追い上げ、残り0:09、勇輝のドライブでついに94-93で逆転!しかし残り0:02茨城最後のオフェンスで自陣からドリブルしてきたチェハーレス・タプスコットをチームで止めることができず94-95で再逆転され、佑成のラストショットはきまらず惜敗。。
勇輝の3P 6/9の30点8アシストも実りませんでした。。
これで22勝28敗。ワイルドカード下位の島根とは7勝差。残り10試合を全勝したとしても、ワイルドカードを争うチームが軒並み勝率3割台に急落するような奇跡が必要。。実質ここで、CSに出場しタイトルを奪取する夢は終わりを迎えました。
新アリーナ、横浜BUNTAI
ブースターもプレイヤーもビーコルに関わる人すべての気持ちが地に堕ちた、誰も予想できなかった残り10試合を残しての終戦。
そんな折にやってきたのが新アリーナ横浜BUNTAI(BUNTAI)でのスポーツ興業のこけら落としvs信州戦です。
BUNTAIの前身は、1962年に横浜開港100年祭の記念事業として開館した横浜文化体育館(通称「文体」)。横浜バスケ界の聖地であり、Bリーグ4年目の19-20シーズンまでビーコルもホームアリーナの1つとして使用していました(このシーズン後に閉館し改修工事へ)。
関内駅にほど近い文体の跡地に建てられたBUNTAI。アクセス抜群でB.LEAGUE PREMIER基準を満たすアリーナとのこと。キャパは約5000席。
覇者への夢は叶えられませんでしたが、満員のBUNTAIスポーツ興業こけら落としに勝利して、横浜の明るい話題を一つでも生み出したいところ。
04.10、中地区7位でここまで6勝の信州は、かつての海賊キャプテン生原秀将が長期離脱中の手負いの状態。そんな信州相手に4Q以外のすべてのQでビハインドを重ね、66-84で惨敗。
目標を失ったチームがいかにもろいものか、まざまざと見せつけられました。
さまよえる海賊
04.13/14、CS進出をきめ中地区首位を独走する三遠との2連戦をBUNTAIで。
チームの実力差を埋めるすべはなく2連敗。BUNTAIでの勝利は遠く。
04.17、アウェイで中地区2位の三河と。55点しか取れず敗北。
04.20/21、このシーズン唯一の平塚開催vsFE名古屋。
暗闇の航海を続けていたビーコルに一筋の光が!長期離脱を余儀なくされていた、たけるんが帰ってきました!お医者さんも驚くほどの回復ぶりで、まさかシーズン中に帰ってこれるとは。。
しかし三河戦で右肩を負傷した勇輝が欠場。絶対的エースを欠いたビーコルは中地区5位のFE名古屋に連敗。負傷明けのたけるんが限られた時間の中、得意の3Pで得点をきめたことが数少ない明るい話題でした。
04.27、アウェイでvs信州。この日も勇輝は負傷欠場。
Game1、ユトフが21点21リバウンドの大活躍でチームを引っ張り79-69で勝利!ついに茨城戦からの7連敗を止めました。
Game2、前日にデビンも負傷してしまったビーコルはなすすべなく敗北。
荒海の中の帰港
シーズン最終節は横浜BUNTAIでvs川崎の神奈川ダービー。
そして12シーズンにわたって川崎を支え続けてきた英雄、ニック・ファジーカスのラストゲームでもありました。
05.04、Game1。4試合ぶりに勇輝が復帰し、前節負傷したデビンも戻ったビーコル。中地区4位とこちらも思ったようなシーズンを過ごせなかった川崎相手に拮抗した展開が続きます。最終盤、同点の場面で勇輝がラストオフェンスを狙いますが、飯田遼に痛恨のスティールを許しOTへ。OTでは川崎に最後つき離され、92-98で敗北。BUNTAIでの未勝利が続きます。。
05.05、ニックのラストゲーム、神奈川ダービーGame2、シーズン最終戦。
カイとジュシュが負傷欠場するも、ユトフが21点9リバウンド5スティール、勇輝が11点11アシスト3スティール、佑成の13点の活躍もあり87-79でシーズン最終戦を飾ると共に、BUNTAI初勝利を上げます!
そして帰化後に日本代表の窮地を救い今の日本代表の礎を築いた、英雄ニックともお別れが。。ありがとうニック!
ゲーム終了後はホーム最終戦セレモニーが。
22-23シーズンのビーコルは24勝36敗の中地区6位。目標から遠く離れた結果に終わってしまいました。
敗因を探そうとすればいくつも思い当たります。ジュシュの不調、ユトフのフィジカルの不足、デビンのドリブルし過ぎ、勇輝が終盤の体力温存のためかディフェンス強度が前シーズンに比べて落ちていたこと、森井ちゃんがセカンドユニットを引き上げられなかったこと、日本国籍プレイヤーが勇輝頼みになってなってしまい自分がやるんだという気持ちを出せなかったこと、一線目が崩されヘルプに出ては3Pを被弾するディフェンスの解決策をコーチ陣が示せなかったこと…マイナスを探せばキリがありません。
しかし、これだけは言えます。
タイトル獲得を目指して、各々ができる限りのことをチームに捧げてくれました。その航路が約束の場所にたどり着かなかったとしても、ビーコルという海賊の歴史に、ブースターの記憶に、タイトル挑戦への軌跡を残してくれたことは、何ものにも代えがたい大切な思い出です。
これで23-24シーズン、海賊の物語Bリーグ編の第2章 〜覇者への航路 その行きつく果ては〜 は終了です。
正直に言って、期待が大きかっただけに、このシーズンを振り返ることはけっこうつらかったです。
でも、シーズン終了してから時が経つにつれ、あのときの苦しい思いが、海賊たちの奮闘の歴史へと、心の中で少しずつ変わっていきました。
さぁもうすぐ24-25ホーム開幕戦。新しい航海はもう始まっています。23-24シーズンの無念さと挑戦の記憶を胸に、飛躍のシーズンにするべく応援していきましょう!
Go B-Cor!