-前編-とあるブースターの視点からの横浜ビー・コルセアーズ航海記:Bリーグ8年目(2023-24)
23-24シーズンのビーコルが帰港してから約5ヶ月、新シーズンが始まりホーム開幕戦を迎えようとしている今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
新シーズンを前にして、やっとBリーグ8年目、23-24シーズンのビーコルを振り返ってみようという気持ちが出てきました。
ちなみにBリーグ7年目(2022-23)の振り返りはこちらです↓
*2024.10.09、天皇杯で立川ダイスが勝利した相手をB3八王子から大東文化大に訂正します。失礼いたしました。
海賊の物語 Bリーグ編 第2章
〜覇者への航路 その行きつく果ては〜
22-23シーズン、河村勇輝の新人王&MVPを含む6冠の活躍に導かれ、天皇杯ベスト4、CSベスト4で終えたビーコル。翌23-24シーズンはそれ以上の財宝獲得を目指す初のシーズンとなり、期待も目標もこれまでにないほどの高まりを見せていました。
ワールドカップ 2023
そのシーズンを前に、バスケ界全体に大きな影響を与えたワールドカップが開催されました。ビーコルから日本代表に選出されたのは我らが河村勇輝!
沖縄アリーナを舞台に日本は1次ラウンドでドイツ、フィンランド、オーストラリアと対戦します。まさに死のグループ。
初戦のドイツ戦、ベンチから登場した勇輝はこの大会のMVPに輝くデニス・シュルーダーに封じ込められFG2/12の7点に終わります。
しかし次のフィンランド戦、このゲームを落とせば目標であるアジア最上位でのパリ・オリンピック出場の夢がほぼ潰える、日本バスケ史上最も大事なゲームで勇輝が覚醒します。
3Q残り2:46、フィンランドがこの日最大の18点差でリードしますが、ここから日本が猛烈に追い上げ迎えた4Q、勇輝がこのQで17点の大爆発!日本を勝利に導きます!
国際大会で負け続けてきた渡邊雄太の目に涙。馬場雄大は憚ることなく号泣していました。
続くオーストラリア戦、このゲームからスタートで起用される勇輝ですが、NBAプレイヤーのジョシュ・グリーンなどから徹底マークを受け、持ち味が出せないまま敗れます。
順位決定戦に回った日本ですが、他のアジア国すべてが2次ラウンドに進めず、この順位決定戦での勝敗でアジア最上位=パリ・オリンピック出場が決まります。
大事なベネズエラ戦、日本はじりじりと引き離され、4Q残り8:12で最大15点差に。しかしここから比江島慎が3Pをきめ続け日本が大逆転勝利!勇輝も19点11アシスト、EFFはチーム最多の27と大活躍でした。
勝てば自力でのパリ・オリンピック出場が決まる最後のカーボベルデ戦。これまでとは逆に、終始リードを保っていた日本が4Qで追い上げられる展開に。なんとか逃げ切った日本が48年ぶりにオリンピック自力出場を果たします!このゲームでも勇輝は14点8アシスト3スティールの活躍でチームを牽引しました。
カーボベルデ戦は2023年のその時点までにおける全局全番組での最高平均視聴率(世帯22・9%)をマークするなど、一気に世間での知名度を上げた日本男子バスケ。その中心ともいえる活躍を見せた勇輝がリーグでどんなインパクトを見せてくれるのか、ビーコルの23-24シーズンに大きな注目が集まっていました。
新生ビーコル、まずはロスターからチームの変化を見ていきましょう。
旅立っていった海賊
パトリック・アウダ(アウダ)→ 青森
20-21シーズン、そう、海賊の物語 Bリーグ編 第2章が開幕したこのシーズンから、ビーコルを3シーズンにわたって支えてくれたアウダとの別れがやってきます。。
日本を2度敗北に追い込んだ現役チェコ代表として鳴り物入りで入団したアウダ。その名にたがわぬオフェンス力を発揮し、特に勇輝とのコンビで得点を量産してくれました。
3年目の22-23シーズンはCJの加入の影響で平均得点が1桁台まで減少。4番プレイヤーとしてはリバウンドとディフェンスで物足りない部分もあり、契約満了に。。
しかしアウダがいてくれたこの3シーズン、チームの成績は上がり続け、その中心にいたのは紛れもなくアウダでした。ありがとうアウダ!!
ビーコルの後はB2青森へ。青森でも持ち前の得点力を発揮していました。
赤穂雷太(雷太)→ 秋田
19-20シーズンに特別指定選手でビーコルに加入し、そこから千葉ジェッツで修行を積んで再び海賊の旗の下で戦ってくれた雷太。まさか1年で退団とは。。ブースターにとって大きなショックでした。。
スターターとして35試合に出場。強靭な体躯を活かして外国籍3番にもマッチアップできる雷太の存在はビーコルにとって大きなものでした。
B1秋田へ移籍後も中心選手の一人として活躍中です。
森川正明(森川)→ 長崎
アウダと共に、20-21シーズンからのチームの躍進に日本人エースとして大きく貢献してくれた"ハマの母さん"森川がチームを去る日が来てしまいました。。
三河からの移籍後2シーズンにわたって3Pの確率は40%を超え、平均得点も10点前後取っていた森川ですが、22-23シーズンは1ヶ月近く負傷で戦列を離れたこともあり、スタートでの出場は在籍3シーズンで最小の15試合。FG%、3P%、平均得点とも数字を下げてしまいました。。
新天地は長崎。怪我もありながら"港町の母さん"として、コートにいてもベンチからでもチームを盛り上げてくれています。
チャールズ・ジャクソン(CJ)→ 京都
22-23シーズンは勇輝と共にチーム内MVPと呼んでもよい獅子奮迅の活躍を見せてくれたCJ。リーダーズの規定となる85%以上の試合出場プレイヤーの中ではリーグ最高のFG%となる.685、リバウンドではリーグ4位というベストシーズンの1つと呼んでもよい暴れぶりで、このシーズンのビーコルの平均リバウンドをリーグ2位へと押し上げる原動力になりました。
CSでも胸部の痛みがありながらも平均23.3点、驚異のFG% .813でビーコルのCSベスト4に大きく貢献してくれました。
ビーコル史上最高の外国籍プレイヤーの1人とも呼ばれるほどのCJでしたが、その活躍とFor the teamのメンタリティからオフシーズンでは大獲得合戦が繰り広げられた模様。ビーコルにとっては非常に悔しい結果になりましたが、京都への移籍となりました。。
京都ではキャプテンとしてチームの大黒柱になっています。
平岡勇人(オカ)→ 日大
22-23シーズンから新設されたユース育成特別枠として加入したオカ。加入時は日大藤沢高校在学中でビーコルU18に所属していました。
リーグ戦出場は2試合と、オカ本来のプレイを見せるまでには至りませんでしたが、このシーズンのオールスター期間で初開催されたB.LEAGUE U18 ALL-STAR GAMEに出場し、両チーム最多の5本の3Pをきめる活躍を見せてくれました。
登録期間は3ヶ月と加入時に発表があったとおり、3月末日で活動終了となりました。
高校卒業後は日大に進学。関東一部の強豪大学のプレイヤーとして奮闘しているようです。
継続海賊
河村勇輝 (勇輝)*前述のとおりオフシーズンにはワールドカップ日本代表として日本バスケ全体を盛り上げてくれました。2023.6.14には、勇輝との3年契約が発表されています。
大庭岳輝(たけるん)
デビン・オリバー(デビン)
森井健太(森井ちゃん)*2年連続でキャプテンを務めます
キング開(キング) *オフシーズンに「FIBA 3×3 U23ネーションズリーグ2023」の日本代表に選ばれたキングはこのツアーの優勝に大きく貢献しました。
松崎裕樹(ザッキー)
須藤昂矢(コーヤ)
エドワード・モリス(エド)
やってきた海賊~海賊梁山泊~
前シーズンに勇輝を筆頭とする若き血潮の躍動で天皇杯、CSともにチーム史上初のベスト4を成し遂げたビーコル。旬のチームが持つ勢いゆえか、かつてでは考えられないようなプレイヤーたちがやってきました。
西野曜:通称"西野" or "オポチュニティ侍" or "オポ"。背番号12。199cmのSF。大阪府出身。
近畿大学付属高校時代にはU18アジアの代表に選ばれ、専修大2年次にはインカレ準優勝で優秀選手賞、3年次もインカレ準優勝で優秀選手賞と得点王に輝きます。
専修大在学中に特別指定選手として秋田でプレイ。4年のインカレ終了後に渋谷に入団し2シーズン半過ごした後、海賊入りです。
学生時代はU18日本代表、インカレ得点王と、世代トップクラスの実力者として名を響かせ、Bリーグ入り後は着実にプレイタイムを伸ばし、22-23のFG%は.537と日本国籍プレイヤーとしては非常に高い確率を記録しました。
ビーコルとの契約締結後にはアジア競技大会の日本代表メンバーにも選ばれた、リーグ有数の若手スターが乗船です。
西野の良さは質の高いオフボールムーブからの身体能力を活かしたフィニッシュ。勇輝とのコンビはリーグを席巻するほどの威力を発揮するのではと妄想が膨らみました。
ちなみに通称の一つ"オポチュニティ侍"の由来はこちらから。どこから降ってきたのか未だにわかりません。
杉浦佑成:通称"佑成" or "ちゃみ"。背番号9。196cmのSF。東京都出身。
雷太と森川が抜けたSFに、西野に続き佑成までやってきます!
高校バスケ界の名門、福岡大学付属大濠高校で1年生から主力として活躍。筑波大進学後は1年から3年まででインカレを3連覇し、1&2年次は優秀選手、3年次には最優秀選手と得点王に輝きます。4年次には惜しくも準優勝でしたが敢闘賞を受賞。
4年次のインカレ後は特別指定選手で渋谷に入団し、19-20までの2シーズン半在籍。以降、島根、三遠、滋賀と毎年チームを変えた後、海賊入りです。
学生バスケ界のエリートとしてならした佑成ですが、プロ入り後は自分の強みを確立できず、チームを引っ張る存在にまで成り得ていませんでした。しかし前所属の滋賀では3P%が.356と安定し、ビーコルでも彼の長距離砲と体格を活かしたディフェンスが期待されていました。
ジェロード・ユトフ:通称"ユトフ"。背番号1。206cmのPF。USAアイオワ州出身。
高校時代にはアイオワ州のMr. Basketballに選出され、NCAA D1ハイメジャーであるBig 10カンファレンスの強豪校ウィスコンシン大に進学しますが、色々あって同じBig 10の地元アイオワ大に転向します。
大学3年以降は全試合でスターターを務め、4年次にはカンファレンスのブロック王となり、Big 10の1st teamとAll-Defensive teamに選出される大活躍を見せます。
Bリーグつながりとしては、24-25シーズンは富山でプレイするアーロン・ホワイトが大学の1つ上の先輩で、渋谷のアンソニー・クレモンズが同級生です。
大学卒業後のNBAドラフトでは指名がなくGリーグへ。何度かコールアップされNBAダラス、メンフィス、ワシントンでプレイしました。メンフィスでは渡邊雄太と、ワシントンでは八村塁と、数試合ですが共闘しています。
21-22の三河を皮切りにBリーグに参戦し、22-23は京都でキャプテンを務め、チームのリーディング・スコアラーでもありました。
ユトフの特徴は206cmの身長から放たれる打点の高い3P。大学時代にBig 10をリードしたブロックも大きな武器です。細身なのでインサイドでの肉弾戦は苦手。
勇輝のドライブのスペースを空けて外から射抜けるストレッチ4のユトフの加入は、アウダが4番を務めていた前シーズンよりもバランス面で向上したように思えました。
尚、試合の前後でも時間があれば黙々とヨガに没頭するほどのヨガ好きです。
ジョシュ・スコット:通称"ジョシュ"。背番号40。210cmのC/PF。USAコロラド州出身。
高校時代はコロラド州のMr. Basketballに選ばれ、この頃から既にNBAレジェンドのティム・ダンカンと比較されるプレイヤーだったジョシュ。
大学はNCAA D1ハイメジャーであるPac-12カンファレンスの地元コロラド大へ。1年次からPac-12のAll-Freshman teamに選ばれる活躍を見せ、2年次と4年次にはPac-12の1st team、4年次にはAll-Defensive teamに選出されます。
コロラド大史上でも屈指の名プレイヤーだったジョシュは、現時点における同大のリバウンド数とブロック数で史上3位の記録を保持しています。
大学卒業後はNBAドラフト指名はなく、1年マケドニア(当時)のチームでプレイした後、17-18からB1に昇格した島根でプレイします。
この島根時代のジョシュの奮闘がすごかった。。献身的にスクリーンをかけ、得点を取り(18.1点)、フロアを走り、リバウンドを取り(10.8リバウンド)。。チームの成績は振るわなかったものの、ジョシュの孤軍奮闘とも言える活躍はリーグに大きなインパクトを与えました。
翌18-19シーズンにはビッグクラブの琉球へ移籍し、当地でも大活躍を見せていた矢先の2018.12、以後のジョシュの苦難の始まりとなる右膝蓋腱断裂の大怪我を負い、手術を余儀なくされます。
リハビリを経て19-20に琉球で復帰を果たすも、わずか4試合で再び右膝蓋腱断裂を断裂。。なぜ神は彼に試練を与えるのか。。
再度のリハビリ後、20-21からは宇都宮へ。復帰のシーズンということもあり琉球時代のような活躍はできませんでしたが、翌21-22も宇都宮でプレイするとかつてのジョシュを思わせる活躍を見せ、CSでもチーム1のリバウンドを奪取し、宇都宮のリーグ優勝に大きく貢献します。
宇都宮での最終シーズンとなった22-23も、得点とリバウンドは平均ダブルダブル。
ジョシュのように献身的で、思いやりがあって、安定してゴール下で活躍してくれるインサイドプレイヤーがいつか海賊になってくれたら。。と何年も夢で思い描いていましたが、まさかそのジョシュが来てくれるとは!!CJを失ったビーコルにとってジョシュの加入は、まさにベストフィット、恵みの雨のように思われました。
以上が23-24シーズン開幕時のビーコルのロスターです。まだユトフとジョシュの発表前でしたが日本国籍選手だけをとっても大学界のスターたちが勢ぞろい。。もはや海賊梁山泊としか思えません。
この陣容ならば、前シーズンたどり着けなかった場所へ行ける。そう思っていました。
新たな海賊の挑戦。目指すのはタイトル
23-24シーズンに向けて、選手は前述のとおり海賊梁山泊とも言うべき多士済々が集いました。竹田GMのコメントからも旅立っていった4人(アウダ、雷太、森川、CJ *オカは元々3ヶ月の契約)の穴を十二分に埋める経験のあるメンバーを揃えることができた自負がうかがえます。
スタッフについては、白井英介社長(白井さん)、竹田謙GM(タケさん)、青木勇人HC(勇人HC)のトロイカ体制、およびアシスタントコーチ(AC)のイゴア・ジャレティッチAC(ジャレさん)、ビーコルレジェンドの山田謙治AC兼アシスタントゼネラルマネージャー(ケンジ)、アナリストの伊藤大樹(伊藤ちゃん)を継続し、Bリーグ以降でクラブ史上最高成績を上げた前シーズンから、さらなる勝利の積み上げを狙います。
Fly the Flag
2023.7.25、ビーコルの新体制発表会が開催されます。その席上、23-24シーズンのスローガンが発表されました。
「Fly the Flag」
19-20シーズンにクラブ史上初めて策定されたスローガン「BE COURAGEOUS」以来、スローガンには必ずどこかに「Be」が入っていました。
23-24のスローガンの説明の中で、Bリーグ以降のビーコルでは初めて「タイトルを目指す」との宣言がありました。スローガンから「Be」が外れたのも、これまでにない高みへ挑戦するという現れだったのかもしれません。
毎シーズン、残留プレイオフを戦っていたビーコルがついにタイトル奪取へ。大きな胸の高鳴りを覚えています。
B.LEAGUE PREMIERへ向けて
新体制発表会内において白井さんより公表がありましたが、22-23シーズンの売り上げ予想は約12億、平均観客動員数は3,694人とどちらも前シーズンを大きく上回る実績でした。また有料会員数のシーズン前比較としては22-23の1,464人から、ホーム国際プール(国プ)のキャパに迫るほどの4,080人と、+179%の大きな伸びとなりました。
26-27シーズンより、Bリーグの最上位カテゴリーは「B.LEAGUE PREMIER」と呼称およびライセンス基準が変わり、26-27シーズンから当該カテゴリーに参戦するには、各種の基準を満たすことが必要となります。
ビーコルの当面の目標としては2次審査の基準である
売上:12億円(1期)
平均入場者:4,000人(1期)
アリーナ:2026-27シーズンB.PREMIERクラブライセンス交付規則第18条の充足(新設アリーナ基準充足 / 5,000席 など)
を23-24シーズンまでに達成したいところ。
売上基準については、予想を超えて22-23シーズンでの達成を果たしました。
平均入場者数についても2次審査基準まであと一歩のところまできています。
残るアリーナ基準については2024. 04に開館する横浜BUNTAIのメインアリーナ(B.LEAGUE PREMIER基準対応)および既存のホームである横浜国際プール(23-24シーズンより念願だったウッドコートを導入!)の併用で審査合格可能という想定でいるようですが、横浜国際プールについては改修を巡って様々な議論が続いているようなので、果たしてどうなるか。。
いずれにせよ、リーグにおいてはタイトル獲得、ライセンスにおいてはB.LEAGUE PREMIER基準を充足するため、クラブ未踏の領域へと足を踏み入れるシーズンの幕が開きます。
天皇杯2次ラウンド@秋田大館
リーグ戦に先駆けた2023.09.22よりBリーグクラブが出場する天皇杯2次ラウンドが始まります。
23-24シーズンのフルロスターで戦う初の公式戦であり、前シーズンでベスト4まで到達したビーコルにとっては、それ以上を目指す長い戦いの第一歩として、この秋田ラウンドを勝ち抜くことが必要になります。
09.22、天皇杯初戦は、このシーズンより西宮ストークスから名称を変更した神戸ストークスです。
ネバダ大時代にMWCカンファレンスの1st teamに2年連続選出されたジョーダン・キャロライン、ジョージ・ワシントン大4年次にA-10カンファレンスの2nd team入りしたアイザイア・アームウッド、東山高校3年次に現京都の岡田侑大と共にインターハイとウインターカップで準優勝を果たし、近畿大学卒業後にJR東日本秋田ペッカーズでプレイしたカロンジ磯山パトリックが帰化選手として加入。この新戦力は要注意です。
新生ビーコルの公式戦初戦は、神戸の川島聖那のドライブに手を焼いたものの、新戦力のジョシュが17点16リバウンド、ユトフが3P 5/10の15点と躍動し、86-67でいい船出を切ります。
09.23、天皇杯2戦目は大東文化大を倒して勝ち上がってきた立川ダイス。19-21の2シーズンを海賊として戦ってくれたAKこと秋山皓太と初の対戦です。立川のエースで異様にフィニッシュ力が高いアンドリュー・フィッツジェラルドに20点取られますが、AKを2点とほぼ完封し、ジョシュが高さを活かした17点13リバウンドの活躍で93-67で完勝します。
09.24、3連戦となる秋田大館会場最後の戦いは予想通り地元の秋田です。秋田は新戦力としてビーコルから雷太、信州から熊谷航(クマコー)、新外国籍のロバート・ベイカー、ジェフリー・クロケットが加入しますが、この試合、雷太とクマコーはDNP(プレイせず)でした。
序盤からビーコルが優勢にゲームを進めます。ゴール下ではユトフが3本のブロックで秋田オフェンスをたじろがせ、3Pも4/7の20点と爆発。勇輝が本領を発揮し19点8アシスト4スティール、4Q中盤では3本の3Pで9-0のランを作ります。勇輝の活躍にユトフもびっくりでした。
秋田に勝利し、ビーコルは3次ラウンドへと駒を進めます。
そして天皇杯と言えば「どこかにビューン」的になかなか行けない日本を知ることができるのが醍醐味。大館名物のきりたんぽは、筆者のこれまでのきりたんぽ感を覆す美味しさ。タクシーの運転手さんに教えてもらったお店「むらさき」、最高でした。
この天皇杯@秋田大館の頃がこのシーズン最高の盛り上がりだったとは、この時は知る由もありません。
23-24シーズンへ出航
クラブ創立13周年のビーコルがいよいよ23-24シーズンへと出航します。
Bリーグのいたずらか、前シーズンにおけるビーコルのリーグ2位の平均リバウンドに大きく貢献してくれたCJ率いる京都とアウェイでシーズン初戦を迎えます。またユトフにとってはいきなり古巣への凱旋試合となりました。
京都はこのシーズンを前に変革を敢行。ロイ・ラナHC体制2年目は若手戦力に大きく舵を切り、19-20新人王の前田悟、地元の東山高校出身のスターで18-19新人王の岡田侑大、アジア枠としてフィリピン国籍の恐るべきシューターのマシュー・ライト、渋谷から実績十分のケビン・ジョーンズ、そしてCJ。。リーグ全体の勢力バランスに大きな影響を与える予感十分のロスターをそろえてきました。
2023.10.7のGame1、勇輝18点8アシスト、天皇杯から好調を維持するユトフが3P 3/7の15点3ブロック、京都洛南高校出身のたけるんが3P 3/6の9点の活躍で、シーズン初戦を81-67の白星で飾ります。
Game2、序盤で京都から大きくリードを奪ったビーコルですが、その後じりじりと追い上げられるいやな展開。しかし、夏のワールドカップで日本に歓喜をもたらした勇輝が止まらない成長を見せつけます。26分の出場で3P 5/12の30点6アシスト、決勝点となるクラッチタイムでの3Pも鮮烈!
同点を狙った京都のラストオフェンスをキングがブロック!辛くも2連勝です。
次節もアウェイで群馬戦。開幕からオープンハウスアリーナを使う初のシーズンとなった群馬は、前シーズンをユーロリーグのツルヴェナ・ズヴェズダでプレイしたベン・ベンティル、広島から元日本代表シューターの辻直人、琉球から前シーズンのファイナルMVPのコー・フリッピンを獲得し、東の強豪の地位を狙っていました。
Game1、勇輝が30点10アシストと奮闘するも群馬のオフェンスを抑えきれず91-100で敗北。。
Game2、雪辱を誓う勇輝が連日の猛チャージを見せます!2Qの終わりにはブザービーター・ハーフコート3Pをきめ、ゲームを通じて3P 6/14のリーグ戦のキャリアハイとなる40点の大暴れ。しかし追い上げきれずに序盤の大事な戦いに2連敗です。。
群馬戦で気になったのがジョシュのパフォーマンス。2試合平均で4.5点、3.5リバウンド。。味方のドライブに対しレーンを空けるクリアアウトなど数字に残らない貢献もあるものの、インサイドでボールを受けても攻めきれずにボールを戻すようなシーンが見受けられました。。かつてのジョシュの姿を取り戻して欲しいとみんなで願っていました。
ホーム開幕戦を前に。。たけるん負傷
いよいよホーム開幕戦。相手は前シーズンに天皇杯とCSでビーコルの航海を止めた琉球です。気持ちの高ぶりを抑えられません。
しかしホームでの決戦前日、衝撃のニュースが。。
たけるんが練習中に負傷し、右膝前十字靱帯損傷、全治6~7ヶ月の大怪我を負います。。
勇輝のドライブに合わせた動きでキックアウトを呼び込み3P。開幕から効果的な働きを見せていたたけるんが、わずか4試合で離脱とは。。あせらずじっくりリハビリして、完全体でコートに戻ってこれるようにと祈りました。
このたけるんの怪我がこれからのビーコルに大きな影を落とすことになります。
ホーム5連戦開幕
10.21、いよいよホーム開幕戦vs琉球。チケットは一ヶ月以上前に完売し、立ち見も出るほどの大入り満員状態です。
ホームの国プに初お目見えとなるのが念願だったウッドコート(前シーズンまでのスポーツコートはプロ選手の蹴り足だとツルっと滑ってしまうことが多く、アウェイチームからも不評でした)。国プの床のさらに上に設置する形です。ウッドコートになってから滑ることはほぼ皆無になりました。ただウッドコートのぶんだけ重量がかさみ、これまで実施できていたアトラクションを削ったりして重量のバランスを取るなど、新たな工夫が必要になったそうです。
琉球戦の前に無念の負傷離脱となったたけるん。その想いを胸に、たけるんのシューティングシャツをまとう勇輝。
Game1、前シーズンのチャンピオンチームに対し序盤からリードを重ね、ユトフ、勇輝、デビン、キング、コーヤの5人が2桁得点というバランスのいいゲーム運びで89-66の勝利!森井ちゃんの3スティールも光りました。
たけるんの負傷を受けて、絶対に勝つんだという気迫を胸に臨んだゲームでした。
Game2、昨日と打って変わって琉球に序盤からリードを広げられる展開のまま試合終了。勇輝が3P 4/8の23点、ユトフが3P 3/8の19点と個の活躍はありましたが、チーム全体のアシストが8と決定機を作れず、リバウンドも28-37と凌駕され70-88で敗北。。ジョシュの得点が0だったのも痛かった。。
ジョシュのパフォーマンスが上がらず、ブースターからも懸念の声が高まっていましたが、勇輝はベクトルを自分に向けて、ジョシュの良さを引き出そうともがいていました。
ここまで6試合で3勝3敗。想像していなかった苦しい船出になりました。
10.25、ホームでの連戦が続くビーコルはシーズン初の水曜ナイトゲームでvs渋谷。平日夜にも関わらず、観客数はクラブ史上最多の5,200人!過去水曜ゲームではスカスカだった客席も今は昔。勇輝フィーバーで有料会員数が4,000人を超えるとここまでの盛り上がりになるのか。。
渋谷はかつてアルバルク東京を優勝へと導いたルカ・パヴィチェヴィッチをHCに迎え、日本代表では勇輝の盟友である帰化選手のジョシュ・ホーキンソン、かつてのアルバルク東京のエース田中大貴などを加え強化を図っていました。
ビーコルはジョシュがコンディション調整で欠場。歯車が狂ったようにチームのアシストはわずか11。2戦続けてゲーム運びがうまくいかず、FG%も.329の低調ぶり。。60-83で惨敗します。
インサイドの大黒柱を欠いた場合に、次の手を打てずにいたのがこのシーズンのビーコルでした。。
ビーコルユースの至宝、田中力見参!
苦しい航海が続くビーコルにここで明るいニュースが!練習生として帯同していた田中力くんが、ついに特別指定選手として古巣に戻ってきました!
田中力:通称"力くん" or "ちー" or "総長"。背番号2。186cmのPG。神奈川県横須賀市出身。
ビーコルU15に所属し「B.LEAGUE U15 CHALLENGE CUP 2018」ではMVPに輝きビーコルユースの期待を一身に背負っていた力くん。なんと2017年には史上最年少の15歳5カ月で日本代表候補に選出されます。
そして2018.4月に開催されたU16アジア選手権。ベスト4に入ればU17ワールドカップへの出場が決まります。
U16のエースとして活躍を見せたのが富永啓生。そして彼に負けず劣らずの得点力を発揮したのがチーム最年少の力くんです。さらに、現広島の中村拓人の控えとして奮闘していたのが勇輝でした(平均アシストとスティールはチーム1位でした)。
勝てばベスト4=U17ワールドカップ出場が決まる大事なクォーターファイナルの対戦相手はフィリピン。そこには力くんと同じ15歳にして身長218cmの神童、カイ・ソットが。。後に海賊として共に戦うこととなる3人が初めてこの一戦で相まみえます。なんという巡り合わせでしょうか。。
フィリピンが9点リードして4Q残り4:06。ここから力くんが個の力で猛烈な反撃を見せます。3連続3Pに2Pを加えた11点をすべて力くんがきめ、残り0:32、さらに3Pをきめて一人で連続14点を上げついに同点へ!
しかしフィリピンに再逆転を許し、残り0:01、同点を狙った力くんのターンアラウンドショットが外れます。号泣する力くんを助け起こす勇輝。日本のU17出場の道は閉ざされます。
FIBAも力くんの猛チャージを。
その後、注目されていた力くんの進学先はIMGアカデミーに決定。世界最高峰のスポーツアカデミーで数多くのNBAプレイヤーを輩出しています。
力くんと同時期にプレイしていたのは現NBAシャーロットのジョシュ・グリーン、ニューオリンズのジェレマイア・ロビンソン=アール、メンフィスとExhibit10契約を結んだアルマンド・ベイコット、インディアナからドラフト8位で指名されたジェイレス・ウォーカー、メンフィスからドラフト9位で指名されたザック・イーディーなど。
IMGでは苦難を経験し、ハワイの高校へ転校するもコロナでシーズンが中止に。。その後ユタ州でトレーニングしていた際に、強豪Pac-12に所属するユタ大(ビーコル関連でいえばジェイソン・ウォッシュバーンの母校)からオファーをもらいます。
しかし、ユタ大にコミットしようとした矢先、オファーを出したユタ大のHCラリー・クリストコヴィアックが解任され、力くんへのオファーも白紙に。。
その後はカリフォルニア州のベリタス・プレップに移り、NAIAのベテル大へと進学します。
そして23-24シーズン開幕前、練習生として力くんのビーコル参加が発表されます!
まだまだアメリカで武者修行を続けるんだろうと思いつつも、21歳で日本に戻ってくる選択肢もあるかなと、でもビーコルのシーズンも始まったしどうなるのかなとやや不安になっていたところ。。
出ました!特別指定選手でついに古巣ビーコルへの帰港です!
白井社長、竹田GM、アカデミーの白澤ディレクターからも歓喜の声が。
力くんの強みは磨き上げた肉体を活かした強靭なディフェンス。正直、シュート、ドライブ、パスにおいては個人能力は高いものの、それをチームオフェンスの中で発揮できるようになるには、まだまだ修行が必要だと思いました。このチャンスを活かして、向上すべきポイントに目を向けてじっくり鍛えて欲しい、そう思っていました。
どこまでやれるかは未知数でしたが、持ち前のエナジーでビーコルに新風を巻き起こして欲しい、そう願わずにはいられない熱い若者が乗船です。
ホーム5連戦の最後はvs広島。かつてビーコルを率いたカイル・ミリングHCとの対戦はやはり特別なもの。
10.28のGame1、ジョシュも復帰してバランスを取り戻したビーコル。そして勇輝が3P 5/11の24点7アシストとまたしても河村劇場開幕。特に4Q残り0:13、ケリー・ブラックシアー・ジュニアとの1on1から広島の意識を断ち切るダメ押しの3Pは、前シーズンの開幕戦のクラッチタイムできめたそれを思い出させる鮮烈な一撃でした。
翌Game2は2Qで5点しか取れず、リバウンドを28-37と支配され、65-90で惨敗。4Qの最後で力くんが海賊として初登場し、得点もきめたのがこの日のハイライトでした。
11月アウェイ5連戦
10月を4勝5敗と負け越しで入ってしまったビーコル。11月はアウェイ5連戦とさらに厳しい戦いが待っていますが、巻き返しを期してまずはvs仙台2連戦です。
仙台はこのシーズンで飛躍的な成長を見せる阿部諒を島根から、またこのシーズンのリバウンドでリーグ2位となるヴォーディミル・ゲルンを新規に獲得。日本人エースの確立と強力リバウンダーの存在により、粘り強いチームへと生まれ変わっていました。
正直、仙台に負ける理由はないとたかを括っていましたが、Game1、想像を絶する54-85の31点差で大惨敗です。。
チームのアシストはまたしてもわずか10。リバウンドも36-48と10本以上の差が。。力くんが初の出場時間2桁で意地を見せてくれたのが光明でした。
Game2、ここで2連敗するわけにはいかないと1Qから攻勢をかけますが、以降はじりじりと仙台に追い上げられ、4Q残り0:08で3点を追う展開に。
アリーナの視線を一身に浴びた勇輝の3Pは、、外れますが、そこに身を投げ出して飛び込んできたのが佑成!なんとかボールをチップするとその先には再び勇輝が!目の前の渡辺翔太をわずかにずらして3P!残り0:02で同点、オーバータイム(OT)に持ち込みます。
OTでも勇輝が躍動し、87-84で起死回生の勝利!
チームリバウンドではまたしても33-48と圧倒されましたが、勇輝が3P 5/12の34点7アシストで河村劇場発動、ジョシュが14点12リバウンドの天皇杯以来となるダブルダブル、佑成が3P 3/7でビーコル移籍後初の2桁得点の活躍を見せてくれました。
続くアウェイ三遠戦。大野HC体制2年目は、新外国籍として万能戦士デイビッド・ダジンスキー、名古屋からスコアラーのコティー・クラーク、秋田から才能を秘めた大浦颯太を獲得し、前シーズンとは見違える強豪チームを築き上げていました。
一時は2桁得点差になるも、よく食らいついて4Q残り02:11で同点に。なんとここから両チームがスコアできず、2試合連続のOTへ!
OT残り0:15、勇輝のジャンパーでついに1点リード!しかし次のオフェンスで三遠はインサイドのヤンテ・メイテンにボールを入れます。残り0:04、フィジカルプレイが得意ではないユトフが押し負けて決勝点を許し、勇輝が最後3Pを狙うもリムに弾かれ、接戦を落とします。
例え4ファウルでも、最後メイテンが出ている時間帯はジョシュで守って欲しかった。。悔いの残るクロージングでした。
勇輝の35点6アシスト3スティール、ジョシュの10点13リバウンドのダブルダブルも届かず。
続くアウェイvs渋谷。Game1、勇人HCがコロナ罹患で欠場となるスクランブルながら、勇輝が3P 4/6の35点と大爆発し完勝!
Game2、勇輝の3P 5/13の25点8アシスト、ジョシュの15点9リバウンド、ユトフの11点12リバウンドの活躍がありながら、69-81で敗北。
特にリバウンドは29-37で劣勢の中、ジョシュとユトフで21リバウンド。それ以外がわずか8リバウンド。。各々がリバウンドに競り勝たないと勝利は遠く。。
11月は2勝3敗、ここまで14試合で6勝8敗。
このシーズンのビーコルの特徴としては、back-to-backゲームで2連勝できず、負けるとだいたい大敗。
ディフェンス、リバウンドといったベーシックなところで相手に寄り切られ、なんとか挽回しようと焦って逆に点差が開く、という負の循環が次第にあらわになってきました。。
嵐再び
12月、ホームに戻ってきたビーコルが迎え撃つのは宇都宮。前シーズンはアウェイの地で勇輝が何かに取り憑かれたような尋常ではないパフォーマンスを見せて、宇都宮相手の初勝利を含む2連勝を上げました。
超満員のホーム国プGame1で目にしたものとは。。圧倒的なチーム力の差でした。1Qはわずか4点。またしてもリバウンドで35-54と制圧され、53-86で惨敗。
Game2、バウンスバックを誓うビーコルは粘りを見せ、4Q残り6:21で57-59と肉迫。しかし、なんとここから1点も奪えず、57-76で2試合続けて惨敗。。結果的にこのシーズンでリーグ最高勝率を上げることになる宇都宮に対してではありますが、またしてもリバウンドで38-50と圧倒されることに。。
12.06、水曜アウェイでvs富山。かつてのライバルチームではありますが、このシーズンまだ1勝の富山に負けるようでは優勝は夢のまた夢。
ここで横浜名物、河村劇場の開演です。
7アシストで3P 6/12、そしてキャリアハイ更新の42点!
しかしこのシーズン不振に喘ぎ、結果的に全体最下位の4勝にとどまった富山に91点奪われたのは、勝っても手放しで喜べないところでした。
12.09、アウェイで天皇杯以来となるvs秋田。この時点で6勝と振るわなかった秋田は既に改革を断行。ベイカー、クロケットの外国籍を、ニューハンプシャー大時代に3度AECカンファレンスの1st teamに輝いたタナー・ライスナー、秋田に舞い戻ってきたハビエル・カーターにスイッチしていました。
Game1、勇輝の31点の活躍があったものの、リバウンドが28-53とほぼ倍取られる始末。これでは勝てません。85-93で敗北。
Game2、雪辱を誓うビーコルは4Q残り0:42の勇輝のAnd1で4点リードに。しかし、そこから中山拓哉に3PとFT2本をきめられ、73-74で惜敗。。
勇輝がシュートに苦しんだものの、18点11アシスト。キングが3P 4/6でシーズンハイとなる14点。リバウンドでは44-48と互角近くに持ち込んだものの、秋田を突き放す力がありませんでした。
vs宇都宮で惨敗。vs秋田Game1ではリバウンドで太刀打ちできず。
おそらくビーコル首脳陣はこの時点で決断を下さざるを得なかったのではないかと想像しています。
好天から荒天へ
ここまで19試合で7勝12敗。タイトル獲得のためには現状の有様を認め、何かを変えていかなければいけない状態のビーコルでした。
天皇杯3次ラウンドvs渋谷
負けたら終わりの天皇杯のタイトルも狙うビーコル。チームの調子は上がってはいませんが、12.13の一戦に賭けてホームで渋谷を迎え撃ちます。
拮抗した展開を4Qで突き放す!その立役者は3P 5/9の25点をたたき出したユトフでした。勇輝19点、デビン15点の奮闘も光りました。
渋谷がライアン・ケリーを欠く中、リバウンドで35-30と上回れたのも大きかったです。
リーグ戦、ホームで3連勝!
ホームに戻ってきたビーコルの相手は名古屋D。ブラジル国籍のセンターのティム・ソアレスを怪我で欠くものの、代わりにビーコルが苦手とする巨漢ジョシュア・スミスで補強。西地区で好成績を上げていました。
12.16、Game1。一進一退の攻防が続いて、4Q残り0:25。ビーコル6点リードの大事な場面でキャプテンの森井ちゃんがサイドからのボール出しをスティール!試合を決定づけました。
リバウンドで40-37と勝利し、勇輝は24点9アシスト。さすがの活躍です。
Game2、序盤から優勢なビーコルでしたが、名古屋Dが猛攻。4Q残り03:25で71-63の8点リードだったものの、そこから1点も奪えず。。残り0:04、エサトンがリバウンドからのターンアラウンドをきめ、ついに同点でOTへ。。
追い付かれる嫌な展開でしたが、OTで勇輝と佑成が5点ずつ上げ、83-80で勝利!
この日の殊勲賞は佑成。3P 6/11でキャリアハイの26点の大活躍!天皇杯から好調を維持するユトフも3P 4/4の18点。なかなか調子が上がらなかった森井ちゃんが8アシストと、勇輝以外のメンバーの活躍も目立ってきました。
ホームで初の連勝です!
12.20、ホームでの水曜ナイトゲームはvsFE名古屋。
56-59の3点リードを許す展開で4Qに突入すると、そこから許した得点はわずかに3点。勇輝の23点11アシストのチームを盛り立てるのに必要十分な活躍もあり、リーグ戦ホーム3連勝。天皇杯を含めると4連勝!
秋田戦以降「任せる勇気」の姿も見せながらシーズン中のチューンナップを図る勇輝。
ついに今シーズンのビーコルが姿を現した。そんな気がしていました。
佐賀の地獄
天皇杯を含むホーム4連勝で意気上がるビーコルが向かう先は初の対戦となるアウェイ佐賀。SAGAアリーナが完成し、B2で優勝してB1初挑戦。しかしここまでの戦績は昇格チームとは思えない11勝11敗。ビーコルを1勝上回ってすらいます。
佐賀で4年目となるPGのレイナルド・ガルシアを軸に、宇都宮で優勝経験のあるチェイス・フィーラー、地元佐賀の生え抜きで日本国籍エースの角田太輝、新加入でブリガム・ヤング大時代に3年連続WCCカンファレンスの1st teamだったヨーリ・チャイルズ、帰化したてのジョシュ・ハレルソン。。油断できない戦力を整えていました。
佐賀駅から佐賀平野を北にしばらく進むと、遠くに見えてくるSAGAアリーナの偉容。
平坦な土地に突如現れる巨大建造物SAGAアリーナに脳汁出まくりでした。携わった方々の努力たるやいかばかりか。。
会場は勇輝効果かチケットは完売で、クラブ史上最多来場者数を更新(8443人)。
場内案内係のうら若き女性とお話した際に「河村選手の人気すごいですね~」と振られ、「すごいですよ。日本バスケ史上最高のPGですよ。びっくりしますよ」とホーム4連勝で舞い上がりドヤ顔で勇輝自慢をしてしまった筆者でしたが、ゲームは思いもよらぬ展開に。。
12.23、Game1。前半こそ7点のビハインドで食らいついていましたが、3Q/4Qで8点ずつしか取れずに54-87の大惨敗。
またしてもリバウンドで34-44と離され、アシストも14-25。ボールムーブで圧倒的な差があり、心が折れる程チーム力で劣っていました。
エナジーあふれる力くんがなんとか戦局を変えようと奮闘してくれたのが救いでした。
Game2、クラブ来場者数を連日更新する8591人の観客が詰めかけた満員のSAGAアリーナ。前日の惨敗の恥辱を雪ぐべく臨んだはずのビーコルでしたが。。全クォーターでリードを許し、63-102。連日の大惨敗です。。
リバウンドでは互角だったものの、アシストが9-27。ターンオーバーが17-6と大きな開きが。。
ホーム4連勝前までに感じていたビーコルのウィークポイントが、好チーム佐賀との対戦で如実にあらわになった気がしました。
ディフェンスでは一戦目のプレッシャーが弱く、P&Rで簡単にスイッチしてインサイドでミスマッチを許してしまう(チャイルズに2試合平均22点取られる)。さらに一戦目が後手を踏みドライブで侵入されるとあわててヘルプに出て、佐賀の目論見どおりキックアウトからの3Pを被弾(佐賀の3PはGame1:11/27 .407、Game2:17/30 .567)。
オフェンスでは打開できないと勇輝がしびれを切らして自らショット。入れば勝てるが入らなければ敗れるという勇輝頼み。前シーズン、CJと勇輝の間をうまく補完して、痒い所に手が届くプレイを連発したデビンも、勇輝がダメなら俺がやると気持ちばかりが焦ってボールを止めた1on1を多発。
オフェンスではとにかくボールが回らないチームになってしまいました。
Game Reportで勇輝が語っていたように課題を払拭できないビーコル。ここまでで10勝14敗。タイトル奪取の目標のためにはリスクを取って何かを変えなければいけない瀬戸際に追い込まれてきました。
前編はここまで。後編に続きます。