渋沢先生は、東照公(徳川家康)が神道、仏教、儒教に深い関心を持ち、それぞれを研究し、振興に努めたことを高く評価しています。特に儒教への尊重を挙げ、藤原惺窩や林道春を重用したことを例として挙げています。東照公は「論語」や「中庸」を熱心に読み、その教えを自身の哲学に取り入れていました。
また渋沢先生は、東照公の遺訓が「論語」からの引用であることに注目し、その哲学的深さと実用性を評価しています。また、乱世の中で文学や仁義道徳を重んじた点、仏教に対する理解や支持を深めた点も強調しています。
徳川家康は精神的・文化的な面での強い影響力を持った人物であり、それらのおかげで江戸幕府が約260年の長期政権を築けたといえるわけですね。