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MEETS DUO #4

原宿クロコダイルにて、山内テツさんと、嶋田吉隆さんによるMEETS DUOのライブにやって来ました。今年の6/6に初めて来て、今回がこのお2人のライブは2回目です。前回同様、差し入れに赤福を持参しました。今回は地元三重県でもあまり見かけない「白餅黒餅」をチョイスしました〜。

山内テツ Tetsu Yamauchi
オープニング。テツさんはフラメンコギターで

オープニング、テツさんは写真にあるように古いフラメンコギターで登場。とても古いギターで。テツさんがFACES加入が決まった際に、ロニーウッドと2人で、スペインのイビザ島にあるロニーの友人宅でレパートリー習得のために合宿をした時のこと。その友人の部屋にあったのがこのギターで、毎晩借りては弾いていたそう。ロンドンに戻る日、その友人が空港まで追いかけてきて「テツ、このギターは君が持っているべきだ」と手渡された思い出の詰まったギターなんだそうです。
嶋田さんの躍動感のあるリズムに乗せて、テツさんのギターとボーカルが乗る。2人が奏でる音の音の上に、波の音が聞こえてきたのは僕だけ?
真っ先に浮かんだのは地元三重県熊野市の七里御浜海岸の波の音。
この海岸は砂浜ではなく砂利浜。波に揉まれて砂利が当たる「チャリチャリ」という音が美しいハーモニーを奏でます。何度か行ったことがあるけど、この音は極上の音楽だと思いました。ここの波音が、お2人の音に反応して僕の心の中で鳴り始めたんです。
前回のライブは、美しい水の流れと、その上を吹く風が見えましたが、今回は心の中ではビジュアルではなく、音が鳴ってました。リンク貼ります。
https://youtu.be/MT5s2uuXI-w?si=vF-VCJ_2M0YRuN8P

山内テツ Tetsu Yamauchi
テツさんおもむろにポケットから…

曲間で、テツさんはポケットをガサゴソ…。何か取り出しました。ブルースハープを取り出して即興で…。テツさんの奏でる音は、まさに自由。何が飛び出すか先が見えない。それに動じることなく、安定したリズムを刻み続ける嶋田さん。だからこそテツさんは自由でいられるのかなと思った次第で…。

嶋田吉隆
ドラムを叩く嶋田さん

カホンを鳴らしてたかと思うとドラムセットに移動したり忙しそう。どうやらそれも、その場対応のようですし…。
嶋田さんの叩く音って心臓の鼓動のようだな、そう気がついた僕でした。あくまでも僕のイメージですけど。
そう思ったら、今度は僕の脳裏には水棲生物が泳ぎ始めた。
太古の昔、水の中に誕生したアメーバから進化していって、三葉虫やアンモナイト、シーラカンス…クジラやイルカ…。水族館かい⁉️今日の僕の音楽の鑑賞テーマは海、そして生命の誕生から進化。
音楽を聴きながら脳裏に浮かぶ風景や、音、どんなイメージが現れるかは人それぞれ。何を感じ、何が見えて、何が聞こえるか、個人の自由。演奏も自由なら聞き手の感じ方も自由。それは当たり前のことだけど、忘れていたような気がします。それはMEETS DUOの2人が音で教えてくれたこと。音楽で真っ白になれる。本当に貴重な体験ができたと思います。
音楽は本来自由なもの。演奏が上手いとか下手とか、良いとか良くないとかではなく、また奏者も、聴者も関係なく、流れる音を自分の中に染み込ませられるか、そこから何か感じ取れるか、自由になれるか…。それが音楽の醍醐味かもしれないと感じた一夜でした。

山内テツ Tetsu Yamauchi
トレードマークのゼマイティスのベース


山内テツ Tetsu Yamauchi
よく見ると11フレットのバインディングが…

テツさんといえば、FACES時代から使っているこのゼマティスのベースがトレードマークだったりするんですが。
このベースを手に入れた時のエピソードも紹介されていたのでここに書きます。
FACES時代の相棒、ロニーウッドもゼマティスのギターを使ってましたよね。
ある日テツさんはトニーゼマイティスにベースをオーダーしようと、彼の工房を訪れたそうです。「これからボブディランとジョージハリスンのオーダーを作らなきゃいけないから当分先になるかなぁ」ということで、その時は諦めたそうです。その後2人で工房の近所のパブで飲んで盛り上がってたら、トニーが突然気が変わったかのように「君の楽器作ろうよ、作った方がいいよ」ということになり、速攻で工房に戻りデザインや仕様について打ち合わせたということです。トニーは相手のことを知り、打ち解けて気に入った相手じゃないと仕事しない、本当に職人だよ!というのはテツさんの弁。その後アメリカツアーに入って、現地でFenderのプレシジョンベースのビンテージピックアップを手に入れて工房に送ったそうですが、しばらくしてトニーゼマイティスから電話があってピックアップが半分入ってないという連絡があったそうで…。
「じゃあそっちでプレシジョンのピックアップ買って付けといて」と返事。このベースのピックアップはFenderプレシジョンベースの半分はビンテージ、半分は新品(と言っても50年前だから今ではこれもビンテージですね)になったけど、そのバランスがとても良くて気に入ってるんだそうです。
でもよく見ると11フレットのバインディングが取れてたり、トーンコントロールのノブが外れてたり。
「こいつも年取ってあちこち傷んでるんだけど、それが俺にあってるんだよね」と言うテツさん。直さずそのまま使っているようです。

山内テツ 嶋田吉隆
終演後楽屋にお邪魔して…

終演後、楽屋にお邪魔して少しお話させて頂きました。テツさんは僕の投稿を読んでくれていて、「こんな音楽の聴き方する人がいるんだと思うと嬉しいよ」と仰って頂いて…。僕の方こそ嬉しゅうございました。楽屋で少し「音楽は自由だ」というテーマで語り合せていただきました。お疲れのところ丁寧にご対応いただきありがとうございました。10月は誕生月ですよね。おめでとうございます。健康には十分気をつけてこれからも僕たちを音楽の旅に連れて行ってくださいね。また次回のライブでお会いしましょうと約束してクロコダイルを出ました。

そういえばテツさん、以前伊勢神宮に参拝したことがあるそうです。
「伊勢神宮だけでなく、他の神社も参拝したけど、伊勢神宮だけが、なんか違うんだよね。空気というか"気"というか。これも音楽と一緒で、格の上下とかじゃなくて、神社にある“気"、それが合うか合わないか人それぞれ違うんだろうね。だから僕は伊勢神宮と合ったんだよきっと」というお話もされていました。三重県人としてはとても光栄なこと。いつかこの三重の地で音が聴きたい。世界有数の美しい川の宮川の岸辺、美しい波音が聞こえる七里御浜の海岸で自然と一体となった音が聴きたい。それが僕の今の夢です。お伊勢参りを兼ねてぜひ‼️

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