業界が再起する要因は『努力』よりも『天才や異分子』の活躍。
私が普段昼間に聞いている番組は、どれも『昔の深夜放送みたいな面白さ』なのだが、そのラインナップNo.1が
・NBCラジオ『あさかラ!』(長崎)
・東海ラジオ放送『ひるカフェ』(愛知)
・RCC中国放送『おひる〜な』(広島)
で、一番ハマっているのが火曜日の流れ、つまり『村山アナ・高月アナ〜源石和輝アナ〜おだしずえ・アンジャッシュ山根』というラインナップ。これは1週間の中でも一番楽しみな曜日。
ただ、問題があって、12:00-13:00は『カフェ』と『おひる』が重なるので、生で聞く時にどっちを聞くか悩む。しかたないので『ひるカフェ』は生で聴いて『おひる〜な』はタイムフリーで1時間遅れで聴き始めるのだ。
『あさかラ!』の面白さについては繰り返し述べているが、珍しいことに『アシスタントまで面白い』。村山アナのボケのウケかた、返しかたが絶妙で、しかも初々しい雰囲気の人ばかり。『優しくてヘンな兄貴』キャラの村山アナを立てながらいなしてゆく…まさにラジオ漫才になっている。そして、この四月からアシスタントについた高月アナがさらに絶妙の組み合わせ。もともと村山アナと同期入社だそうで、途中からフリーにはなったものの、経歴のある中堅アナウンサーということになるが、今までテレビだけを担当してきたのでラジオ番組は初めて。つまり『初々しいベテラン』なのであるが『二人足して100歳』という体制は、メインとアシスタントという関係よりは『ダブルメインのDJ』という贅沢な雰囲気で、このコンビはもっと全国で聞かれればいいのに、と思う。さらには、高月アナは声楽出身ということで声にツヤがあり、同じく声がいい村山アナとの組み合わせは、ただただ聴いているだけで気持ちが豊かになる。ぜひお聞きいただきたい。
そして、2時間50分間、美声とダジャレとひと匙の社会派感覚を楽しんだ後は、東海ラジオに切り替える。
源石和輝アナの『ひるカフェ』は全くのトークプログラムだ。特に前半は30分間、ワンテーマノンストップの台本のない一人喋り。独特の分析眼を利かせながら、まるで若い頃の浜村淳のようにひたすら喋り倒す。しかも生放送でアシスタントなし。この圧倒的なパワーには惚れ惚れする。途中、録音コーナーを挟んでインタビューになるが、やはり一人喋りが面白い。
切れ味のいい1時間を楽しんだ後は、1時間遅れではあるが広島RCCラジオに切り替える。
東京で90年代からラジオを聞いてきた世代には懐かしい『し〜ちゃん』が、昔のままの声、昔のままのノリ、昔のままの可愛いカッコよさで喋っているのである。しかも選曲はハードロック中心。まるでスペイン坂スタジオ全盛期のTFMの番組みたいではないか(笑)。ほんとに夜中に聴きたいカッコいい番組。たまにオバサン声でオバサン笑いをするのは昔から。キュートな50代DJという点では日本最強ではないかと思うのであります。
しかし、一度は見捨てようかと思った日本のラジオが、ここにきてグーンと面白くなったのは驚異的だ。ラジオはテレビが登場した1950年代半ばにはすでに『斜陽産業』と呼ばれていた。それからもう60年。何度も死にかけながら再起を繰り返している。
歴史を見ると、再起するときは必ず『業界』の努力よりも『天才や異分子』が業界を振り回しているのだ。私はいつもこのラインナップを聴いているが、この裏にも面白い番組があり、曜日によってはそっちを聞くこともある。土日には土日の流れもある。