最近の記事

Day30 デュッセルドルフ

K21でマイクケリーの展示を見た時の写真をのこします。

    • Day19 アウシュヴィッツに行った

      古代ギリシャの儀式において、人々は生贄の動物を完全に焼き尽くすことで、神々に対して感謝と尊敬の意を表していた。 「すべて(ホロ)」「やきつくす(コースト)」 まるで、ホメオスタシスのような尊大な言葉の音色をそれらしく肖って、人間をやめてしまった人々がこれを流用した。それとも、多くの人が一人のペテン師の見事な光の戯れに騙さていたのか。なぜそれほどの絶大な力が、人々に安穏をもたらすヴィジョンを掬い取れず、世界を滅ぼす地獄をもたらしたのか。そこに明快な答えはない。一人の人間の思考回

      • Day14 both sides now

        昨日今日はほぼ歩き続け美術館を回った。 ウィーン分離派の人々の作品群、中世絵画、コンテンポラリーアート。とにかく浴びるように、見て回って、明日も二箇所行く。 21時ごろに宿の近くのケプラープラッツ駅に戻ってきても、鈍いグラデーションの空が雲の隙間から見える。 ふと自分のことを思い出す。 美術が好きだから、人が絵を描いて生きているということが素晴らしいと思うから。目で見た時に、自然と音楽のような感情が一陣の風のように立ち上がって私の心を捕えるから、だから子供の頃から絵を描い

        • Day10 戦時下であるということ

          ブダペストの安宿に、スラブ系の言葉を話す家族が泊まっていた。小さな子供が2段ベッドを叩いたり飛び跳ねたりしている状況に少し苛立っていた。そこへ父親らしき男性が入室すると、一言二言吐き捨て、子供を叩くような音が聞こえた。するとベッドの揺れはぴたりと止まり、声さえ聞こえなくなった。それはそれで心配になる…。 経験上、こういった安いホステルのドミトリーに家族が泊まることは稀で、ましてや子供がいることは極めて少ない。もしこの家族がロシア人だとしたら、東欧諸国に待機しながらシェンゲン

        Day30 デュッセルドルフ

          Day7 最初の一週間

          90÷7なので、12週間強の旅である。 1/12が終了した。 ベオグラードのテラスは程よい温度を伴なった大きな風に包まれ、街路樹の木の葉は身体をひしゃげ吹き込むそれに揺れ続けるのが鈍い黄色の光にあたり僅かに見えている。 ホステルの人間模様はさまざまである。 イカれてしまったモーリシャスの病人に、日本人の何かが気に入らないと、自分には理屈が通らなかったが確実にそうであるという真剣な眼差しで説教されたり、 ブルガリアのホステルでは虫が出てきて困っていたところ、上のスペースで

          Day7 最初の一週間

          Day5 アテネの夜空を見ながら

          アテネの夜風が気持ちよく服を靡かせる。 夜の3時でも街は活気がある、アテネ中心街モナスティラキ、こちらは程よい歓楽街で見晴らしも良い。 前回滞在したオモニア駅周辺はすこし荒んだ場所があり、ここモナスティラキもグラフィティが壁中にあることは同じだが多少雰囲気の緩さを感じる。 ここのホステルは屋上階が24時間開放されているのが良い。2段ベッドの上部分、快適さはやや欠けるが一日で移動のため全く問題ない。 23日は19時に高速バスに乗ってブルガリアの首都ソフィアへ向かう。 この数

          Day5 アテネの夜空を見ながら

          Day0.5 自分に向き合って思うこと

          成田を出発した飛行機は南方へ、そしてシンガポールはチャンギ国際空港に到着した。現地時間14時。 フライト中は、窓外の景色をカメラにおさめたり、持ってきた山下清の本を少しずつ読み進めた。 読みながらぼんやり脳裏の思惑とも対峙する。 わたしの人生のあり方。これまでの自分の社会との向き合い方。 今日の投稿は極めて内側の話であって、世間一般の方々がこれを読んで愉快な気分になるものではないし、旅の内容とは直接的に関係ないが、自分にとってはこれを残すことがとても重要であるため、書き残す

          Day0.5 自分に向き合って思うこと

          Day0 旅、ふたたび。

          昨年11月から2月末に実施した放浪から約3ヶ月のインターバルを経て旅が始まる。今回は欧州全域をバスで横断。安全上の懸念からウクライナとロシアは回避するが、ともすれば気楽な周遊になりかねないオンシーズンのヨーロッパ。21-22時程度まで明るい時間帯が続くと言われるこの時期は宿やレストランなど、全般的に費用の嵩む時期ゆえに横断は多額の費用がかかるのは重々承知だが、逆に言えば最も効率よく一日の時間を使うことができる上に、天候が非常に良い。 今回の旅行では先天性赤緑色覚異常をもつ自

          Day0 旅、ふたたび。