
「今までで1番良かった!」と言ってもらえたプロジェクトの振り返り方法
こんにちは。IT企業でPdMをしているさかいまと申します。
今回、チーム内で行ったプロジェクトの振り返り会が好評だったので、記事にまとめました。
リリースしたらおしまいにしてしまっている、どうやってプロジェクトを振り返れば良いか分からない、という方の参考になれば嬉しいです。
プロジェクトの特徴を共有する
まずは振り返り会のオーナーが、事前にプロジェクトの特徴を書き出します。
例えば、外部ベンダーとの連携が必要だった、新人の方が多かった、などです。
プロジェクトの特徴を書き出してメンバーに共有することで、この後の振り返りが、汎用的なものなのか、このプロジェクト独特のものか、が分かりやすくなり、ディスカッションをする際に課題の切り分けがしやすくなります。
歴史を時系列で書き出す
オーナーが事前に、プロジェクトの開始から終了までにあった出来事を日付単位で羅列します。
例えば、企画書を書き始めた日付、仕様を開発チームに共有した日付、開発を開始した日付、リリースした日付、などです。
歴史を書き出すことで、何があったか思い出しやすくなり、期間やスケジュールにおける改善点を出しやすくなります。
予定していた便益の結果を数値で
これが、一番評判が良かった内容です。
主にPdMが事前に、このプロジェクトのKPIにおける初速を、定量的にデータを出しておきます。
そもそもKPIを決めていない場合は、このプロジェクトによって、どの数字がどのくらい改善する見込みかは決めておくようにしましょう。
また、初速を出す時は、データ数が少なくても、データが正確でなくても問題ありません。
大事なのは、そのプロジェクトの効果や狙いが当たっていそうか、Yesならなぜか、Noなら何をどう改善すれば良さそうか、が現時点で語れるかどうかです。
完璧じゃなくても良いので、+-20%くらいは実数値とズレても許してね、くらいの気持ちで、定量的な結果をメンバーに共有しましょう。
振り返りのテーマをみんなで書き出す
振り返りは、プロダクトの品質、開発プロセス、コミュニケーションなど様々な切り口が考えられます。
話したいテーマを自由にドキュメントに記載してもらって、それを私(オーナー)がディスカッションしやすい粒度にカテゴライズし、その中で重要そうなテーマをピックアップしました。
また、話したいテーマは、その場ではなく事前に書いてもらうことがポイントです。その場で書いてもらうと、思い出すのに時間がかかったり、その時思いついたこと = ディスカッションするべきテーマになりがちです。それぞれのメンバーがしっかり事前に思い出して、振り返りをするべき課題に当たりをつけておきます。
また、メンバーがプロジェクトについて思い出せるヒントを準備してあげることも効果的です。私のチームでは毎週レトロスペクティヴ(アジャイルにおける振り返り方法の1つ)をしていたので、プロジェクトの期間中に出たProblemを、振り返り会のドキュメントに記載しておきました。
総括として5つ星の評価を
テーマを書き出して振り返るのは、次のプロジェクトに活かすために重要なのですが、結局今回のプロジェクトが良かったの?悪かったの?ということは分かりづらいです。
また、せっかく数週間チームでやりきったプロジェクトであれば、むしろこのプロジェクトが良かったと讃えあうことも必要です。
そこで、項目を絞って星5評価をつけます。
今回は、ユーザーへの価値、開発プロセス、スケジュール、バグへの対処方法、の4項目で星をつけました。
どの項目で評価するかは、チームメンバーを労うことができる項目を選定するのが良いと思います。
逆にやらなかったこと
振り返り会では、あえてKPTはしませんでした。普段レトロスペクティヴでやってるから、という理由もありますが、振り返り会をして、結局このプロジェクトが成功だったかどうかが分からないままで終わってしまったことが多かったからです。
私が今回意識したことは「結局このプロジェクトは価値があったの?あったならそれはなんで?」という視点で、振り返ったということです。
例えば、プロジェクトの後半に仕様変更があって混乱したという意見は、その点においては課題かもしれませんが、プロジェクトが成功したかどうかという視点では、本当にみんなで時間をとって議論すべき内容なのでしょうか。
スケジュール通りリリースできていれば、あまり優先度を上げて振り返る内容ではないはずです。
やはり、理想や想定と比べてどうだったか、その要因と課題について時間をかけてディスカッションするべきだと思います。
最後に
今回チームメンバー5人で、30分で振り返りをし、参加したメンバーから「今までで1番良い振り返りだった!」と言ってもらえました。
プロジェクトの規模や内容によって振り返りのやり方は異なると思いますが、何かプロダクト開発やプロジェクトマネジメントをする方の一助となれば幸いです!