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ディズニーに興味のない僕がディズニー好きの彼女のためにミラコスタを予約した話 その1
世の中の女性はディズニー好きが多い。歩いていると、カバンにダッフィーの人形をぶら下げた女子高生に1日5回は会う。
僕もディズニー映画は好きだがディズニーランドには、あまり行きたいとは思わない。
ここからはディズニーランドの悪口が出てくるので、熱烈なファンの方は読み飛ばしてもらいたい。
まず、始発に乗って、東京駅のほぼ1駅歩いているだろうという京葉線のホームへ向かい、浦安駅からさらにディズニーランド入り口までぼったくり電車に乗る。
開園1時間前とかに並んで、クッソ寒いもしくは暑い中、開園を待つのだ。
中に入ったら入ったで、猛烈な勢いでファストパス争奪戦に参加し、敗れ去るとプーさんのハニーハント8時間待ちとかいう、わけのわからない行列に並ばなければならない。
クマのぷー太郎は可愛い顔をしているが、8時間も並ばせるとはなかなかにエグい。
乗り物系はまだ待ち時間も楽しめるが、訳の分からないのがグリーティングだ。
1、2時間並んでほんの数分写真を撮って終わりである。楽しさがちっともわからない。
「この前もシェリーメイと写真撮っただろう」と言うと、「今回はハロウィンバージョンなの!」と怒られた。
「衣装がちょっと変わっただけじゃん」と、言いかけたが黙っていた。
ある時、全身黒タイツの江頭みたいにクネクネ動いてるヤツがいて、何だあれと思ってたら、近くの女の子2人組が、「何あれ〜。気持ち悪い〜」とそそくさと離れていった。
近づいてみるとオズワルドだった。かわいそうだったので、肩を組んで写真を撮ってやった。
身振りで何か書く仕草をしていたので、恐らくサインもしてやろうといっていたのだが「いらない」と断った。
僕の後ろにいた女性はアルバムみたいなのに写真をいっぱい入れていて、それにサインをもらっていた。実はレアキャラだったのかも知れない。
ディズニーランドに初デートに行くと別れるという都市伝説も聞いたことがあるが、たいして共通の話題もないうちに、こんな行列に写真撮るためだけに何時間も並んだらケンカにもなるだろう。
始発から夜10時まで一緒にいてヘトヘトに疲れてケンカをしないわけがない。
僕はディズニーランドに興味はないのだが、彼女が無類のディズニー好きとなると話は変わってくる。
月に1回はディズニーランドに連れて行かねばならない、シー、シー、ランド、シー、ランド……。
入園料からお土産まで買ってあげると、お金もバカにならないし、何よりせっかくの休日が絶望的に疲れる。
誕生日のプレゼントも、もちろんディズニーデートになる。
単純にデートするだけでも良いのだけど、付き合い始めはやっぱり多少のサプライズも用意せねばならない。
彼女の誕生日にミラコスタに泊まる作戦を発動したのである。
ミラコスタの予約は6カ月前から受付ているのだが、開始と同時にもう電話が繋がらない。
恐ろしいことに彼女の誕生日はクリスマスイブという
「Oh ジーザス・クライスト」
特に予約困難かつ高い日だ。
天皇誕生日とキリストの誕生日に挟まれるなんて、神か!
ミラコスタへの長い戦いが始まる。