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SNSとかマッチングアプリとか人を繋げる特に男女を、それは時代を切り取る
芥川賞に宇佐美りんさんの「推し、萌ゆ」が選ばれ、候補作には加藤シゲアキさんの「オルタネート」がノミネートされていた。
「推し、萌ゆ」は自分がどのアイドルを「推し」ているかの「推し」と、炎上の「燃える」と、アイドルに対しての愛情を表す「萌える」をかけていたりする。
タイトルを見た時点で、今どきの世代だよなぁと感じる。
そして加藤シゲアキさんの「オルタネート」はマッチングアプリを題材にしている。
これも今どきだよなぁと感じるのであるが、では朝井リョウの直木賞受賞作「何者」もTwitterのようなSNSを題材にした小説であったし、綿谷りさのデビュー作「インストール」は風俗チャットを題材としている。
いつの世も若者のコミュニケーションツールの変化と、それについていけない大人とのギャップの中に話題作のネタは落ちているのかも知れない。
特にそれが若者たち自身の手で切り取られた時には、話題性を帯びる。
やっぱりこういうのは、聞きかじりのおじさんが書いても違和感しかないのだ。
コミュニケーションツールの発達は大体において、エロが発展に寄与することが多い。
電話が携帯へと変化する中でダイヤルQ2やテレクラに発展する。iモードやeメールができると、出会い系へと移っていく。それがLINE、マッチングアプリへと進化したわけだ。
いつの世もコードレスフォンを部屋に置くなとか、インターネットに繋ぐなとか、携帯は高校まで持たせないとか、同じようなことを繰り返しているのである。
コードレスフォンなんて、なんのことかと思うかもしれないが、昔は玄関とか今にコードのついた黒電話がひとつしかなかったので、友達との会話は親に丸聞こえだったのである。
それがコードの無い子機ができて、部屋で電話できるようになると、親は何を話しているのかが気が気じゃないので、長電話やめなさいと、何分かおきに部屋に入ってくるのだ。
それに比べたら今は手のひらのスマホが世界中に繋がりなんでもできてしまう。
自室にテレビやビデオ、ゲーム、パソコンというのが夢だったりしたのが、今はひとり一台スマホで事足りる。
そういう意味ではスマホ以前と以後では出来ることの幅が全然違うように思う。
次のコミュニケーションツールは何が出てくるのだろうかと思うと、もうSFの世界になってくる。
おそらくはGoogleグラスのようなAR端末や、マイクロソフトHoloLensのようなMR端末となるだろう。PlayStationVRのような視界を遮るヘッドセットを付けて、バーチャルな世界を体感するのはバーチャル・リアリティー(VR)になる。
それがポケモンGOのように、スマホを持ちながらその画面を通して現実を拡張することをオーグメンテッド・リアリティー(AR)という。これを眼鏡型の端末にして、現実の世界に透過して表示させるような端末がまずはくるだろう。
車のフロントガラスに速度や、カーナビの地図何かが表示されるようなイメージだ。
それではMR(ミクスト・リアリティー)とはなんぞやという話になる。
複合現実と呼ばれる、簡単に言えばARとVRの中間だ。
ポケモンGOがMR端末をかけると、ポケモンを手で触れるみたいな感じである。
VR端末をいくつか触ってみて、これは絶対に流行らないという点がある。それはVR酔いをするというところだ。またVR端末は眼鏡着用の上で、つけるので、さらに視点が定まりづらい。
今後、眼鏡型の端末が流行るとすれば、網膜投影型の端末しかあり得ないと思っている。
網膜投影型のというのは、目の前にディスプレイを置いて観るのではなく、網膜にレーザーを当てて直接網膜に映像を映す技術だ。
この技術があれば、レンズの調節不要の眼鏡ができる可能性だってある。
日本人の視力の矯正率なんかを考えると、コンビニ並みに眼鏡屋さんが乱立してもペイできるのだ。
次のコミュニケーションツールを担うのは案外眼鏡屋なのかも知れないと思っている。
マイクロソフトのHoloLensをだいぶ前に、ビジネスショーで試したのだが、まだまだ視野の範囲が狭くて、少しでも視線がズレると結像しなかった。
近年はだいぶ装置の単価も抑えられてきている。最近上場したQDレーザーという会社が、まさに網膜投影型のディスプレイを作っていて株を買おうと思っていたのだが忘れていた。
もうひとつ眼鏡型端末に必要な技術として、5Gが挙げられる。
5Gになると何がすごいのかというと、ARやMRのためには位置情報が重要になってくる。
ポケモンGOだと、なんとか公園前にレアポケモンが出るとか人がわらわら集まってる時があるが、あれは位置情報と地図情報を組み合わせて、ポケモンの出現をコントロールしている。
つまり、位置情報を正確に時差なく端末にフィードバックできなくてはいけない。
カーナビの自分の位置情報の更新が1分おきになったりしたら、通り過ぎた後に「今の交差点右だよ!」みたい話になる。
5Gはとにかくスピードが速いというのは言われているがこの「超高速」のほかにも、「超低遅延」「多数同時接続」という特徴があるのだ。眼鏡型の端末で位置による表示を正確にするためには5Gは欠かせないのである。
まだ眼鏡型端末に必要な技術がもう一つある。
それは全個体型電池だ。
リチウムイオン電池というのは耳にしたことがあると思う。この電池のおかげで充電を繰り返して、携帯を長時間使用することができているのだ。
それがさらに小型大量化する技術が全個体型電池である。
5Gや映像の高速演算は電力消費量が増える。それを賄うためにも全個体型電池は必要だ。おそらく眼鏡に電池の内蔵するためには、眼鏡をヘッドホンやベッドセットみたいな形にする必要があるだろう。
もしくはイヤホンみたいにスマホに繋いで電力供給をするなど必要だろう。
やっと次世代のコミュニケーションツールの土台のようなものができたばかりなのである。
しかし、iPhoneが誕生してたかだか14年である。
だれが手のひらにパソコンを持つ時代を想像しただろうか。
日本ではiモードが圧倒的に便利なので、携帯でパソコンをやるやつなんぞいないから売れないとまで言われた。
案外、ケータイがスマホに置き換わるレベルと同じように、何歳から眼鏡端末を許可するかの程度の変化しかないのかもしれない。