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ディズニーに興味のない僕がディズニー好きの彼女のためにミラコスタを予約した話 その2
前回までのお話
ミラコスタの予約戦争の火蓋は切って落とされた。
電話をかけると、繋がらない。
かけてもかけても繋がらない。
やっと繋がったと思ったら、残っているのは1泊ウン十万円のお高い部屋か、駐車場しか見えない部屋だった。
ミラコスタには部屋の場所によって3つのゾーンに分かれている。
ボルト・パラディーゾ・サイドはシーの港側の部屋で、いい部屋だと部屋の中からショーが見れたりする。
是非とも取りたいゾーンだ。
少し落ちるがヴェネツィア・サイドも悪くはない。ゴンドラ乗り場などのある運河の街に面した部屋だ。港は見えないが、園内を見ることができる。
最後のトスカーナ・サイドは園の反対側に面した部屋だ。
やはりゲストの誰もいない夜の園内を見るというのが、パーク内にあるホテルの醍醐味でもあるので、是非とも価格的にも手が出せて、園内に面した部屋を取りたい。
12月は繁忙期で料金がお高く設定されてる上に、天皇誕生日とクリスマスイブという圧倒的な競争率の高い日に予約を取るというミッションも課せられている。
そして、数時間の激闘の末、6カ月前ミラコスタ会戦は惨敗に終わった。
しかし諦めてはいけない。決戦の日が近づくにつれ、キャンセルが出てくるのだ。今は前金取られるのでできないが、昔は一応部屋を押さえていて、よりいい部屋が出たらキャンセルをするという、わらしべ長者みたいな戦法が出来たのだ。
最早、わらしべのおこぼれにあずかるしかない。
キャンセルが出てくる3カ月前あたりから、定期的に電話をかけるという地道なゲリラ戦を続けた。
そしてついにその日は来た。
ヴェネツィア・サイドの上層階で、割と眺めの良い部屋にキャンセルが出たのだ。
しかし、予算5万円想定が、7万円を超えた。2デーパスポートと、ディナーの予約、これとは別にプレゼントを用意すると自分のパスポート分なども合わせると20万円に迫る勢いだ。
20代の20万円は相当な大金だ。
その体験。プライスレス。
もう、覚悟を決めてえいやっとホテルを予約した。
電話で彼女の誕生日なので、何かお祝いをしたいというと、オペレーターの人がいろいろとプランを説明してくれる。
とりあえずプランとしては部屋にケーキを用意してくれるというのがあるらしい。
それだけだと当たり前すぎるなと思って、花束とかを渡したいと言うと
「ご予算に合わせて、花束をお作りいたします」
花束はやっぱりベタだし持ち帰るの面倒だなと、誕生年のワインとかあったりしますと聞くと
「今、厨房のシェフと連絡を取ってみます」
そんなにワインとか好きじゃないなぁと思い「プレゼントをサプライズで渡せますか」と聞くと
「それほど高価なものでなければ、お預かりしてサプライズでお渡しすることもできますが」
もう自由度がめちゃくちゃ高いのである。
ただのホテル予約の客にここまで相談に乗ってくれるとは7万円払うだけの価値はある。
「お誕生日の方のお名前はこちらでよろしいでしょうか?」と、確認されたのでなぜかと問うと
「ミッキーからのお誕生日を祝うメッセージカードも、お部屋にご用意させていただきます」ということなのだ。
1部屋7万円なので、ゲストベッドも含めると3人で泊まれるから、めちゃくちゃ高い訳ではない。このサービスを考えるとリーズナブルである。
そして、ミラコスタの中にあるホテルのレストランのディナーを予約した。プライオリティシーティングといって、いくつか対応しているレストランでは予約が取れるのだ。
しかもちょうど港でショーを行なっている時間帯に予約が取れたので、12月のクッソ寒い中、1時間前から震えながら場所を取らなくてよいのだ。
しばらくして、チケットや特典などが同封された封筒が送られてきた。
準備は万端。
唯一心配なのは、それまでに彼女と別れているという事態が起きることだ。
果たして無事に彼女の誕生日クリスマスイブを迎えることができるのか?!
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