「あごが外れた?」顎関節症と脱臼の違い
あごの悩みということで、いわゆる「あごが外れる」顎関節脱臼と顎関節症を間違えてる方が散見されます。
共にあごのトラブルながら全く逆の現象なのです。
顎関節脱臼とは
口を大きく開ける時、耳の手前にある顎関節はその軸ごと前にずれます。この前方滑走という動きと、軸を中心に回転する動きが組み合わさり大きな開口ができるのです。
つまり、大開口時はあごの関節は外れているのです。
通常は口を閉じると元の位置に戻ります。しかし、骨の形態や、関節を支える筋肉の「つり」、靭帯の緩みなどによって戻らなくなることがあります。
この状態が口が大きく開いて戻らない顎関節脱臼の状態です。
顎関節症とは
まず、顎関節症とは口を開けようとするときに「音がなる・痛い・開かない」のいずれかの症状がでる病態の総称です。
その機序は、①顎関節を動かす筋肉のトラブル、②靭帯のトラブル、③顎関節の真ん中に位置する関節円板のトラブル、④骨のトラブル、とそれぞれあります。
必ず、動かそうとするときに痛みが出て(増す)、戻すと消える(減る)といった機能時痛となります。
「閉じない」顎関節脱臼と「開かない」顎関節症
複雑な動きをする顎関節だけに、仕組みを理解するのは難しいかもしれませんが、閉じなくなるのが顎関節脱臼、開かないor開きづらくなるのが顎関節症と考えていただけると間違いありません。
全く逆の性質の状態であることを覚えていただけるとありがたいです。
「あごが外れた?」顎関節症と脱臼の違い 最終更新 2019.Jan.24
text by 斉藤ヒロユキ
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