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【提案】TCH的まくら選び (きほん編)

最近、表紙のイラストに少し工夫を入れ、80'sのような?レトロな質感を試しています。いかがでしょうか?
さて、今回はTCH目線で見たまくら選びを提案してみたいと思います。

※TCHとはTooth Contacting Habit(歯列接触癖)のことで、必要のない時に上下の歯が触れていることを指す。

臨床でもかなり多い悩みで、潜在的に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

まくらって色々あるのだなァ

世界中の人が遥か昔からまくらを使っているし、使わずに寝るときも腕枕、頬杖、膝枕など頭を何かに乗せようとしている。
そういったことからも、まくらは必須なものであるということが言えるのではなかろうか?

それにしても世界のまくらを調べてみると、日本の物も含めて、思いのほか高さがあり、硬い素材が使われていることが多いようで。現代で推奨されているものとはだいぶ印象が違いますね。
(ぜひ検索してみてください。)

合うまくら、合わないまくら

とは、いったい何を指すのでしょうか?

一般的には、頚椎の状態が…とか、何点で支える…、硬さはこのくらいが…といった議論が多いようです。まくらコンシェルジュという資格もあるようなので良いまくら選びにはそれなりの基準があるのでしょう。

しかし、言っちゃ悪いのだけれど「高級なまくらを買ったけれど、全然良くなかった…。」というのはよくある話。
数多いるまくら難民を救うまくら選びは存在するのだろうか?

姿勢とTCHの関係をみる

ここでのTCHは、静かに口が閉じ、歯が触れている状態と思ってください。
(歯ぎしりや食いしばりといったアクティブなイメージをのぞいて考えてください。)

さて、どんなまくらでも構いません、寝転びながらまくらの位置、つまり頭の乗せ方を色々と変えてみます。
あご周りのスペースの余裕や、窮屈さが変わるのが感じられますか?

あご周りの緊張にだけ集中すると、驚くほど変化します。

その要素は高さ硬さだけでなく、頭の乗せ方というのも大きな要素だったりするので、ひとつのまくらでもその感覚は変わります。

では、どうなっていればよいのでしょう?

ここで提案したいのが、あご周りを適度な脱力状態にするまくら選びをすることです。
つまり、まくらや姿勢は外観などの見てくれで決めるのではなく、自分自身の感覚をベースにまくらを決め、位置づけるわけです。

仮に私がまくら選びを手伝うとすると…

「あごに力が入るということを体感しましょう。」
「まくらの高さを変えて、あご周りの筋張度の変化を感じましょう。」
「最もあごにゆとりを感じるまくらを探してみよう。」
「そのまくらであごを楽に保つ姿勢を確認してみよう。」

という、段取りで進んでいくようなものになるように思います。
あくまで、本人の感覚を頼りに探していくことが優先される方法です。

頭が前傾し、あごが窮屈になるまくら

特に頭が前傾するような姿勢では、あご下のスペース不足によりTCHが生じます。

TCHが生じるということは5つの筋群の法則が適応されます。
あご・顔・舌・くび・肩の5つの筋群全てが力が入ってしまうというわけです。
(5つの筋群の法則 https://note.mu/datsuryoku1116/n/n7fc68361da78

寝ている間、ずっと歯が触れていたら、上半身が力が入りっぱなしになるので疲れてしまうのも当然です。何時間もですので…ね。

このような感じでまくらを探していくというのが今回の提案です。
次回はりくつ編と題してその仕組みを書いていきます。お楽しみに。


「【提案】TCH的まくら選び(きほん編)」
初校 2019.Jan.21 最終更新2019.Jan.12
text by 斉藤ヒロユキ(Dentist)
illustration by Moe Itoh(小児科専門医)


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