- カナダの休日 vol.13【番外編】"脱日本"なんて無理!
積もりに積もった欲望
学校の夏学期が終わって、シレッと日本に帰国していました。2週間ちょい。平日は仕事もあれば、各種病院通い、隙をみて必需品の買い物、、、週末も親族に顔見せだなんだと結構バタバタで、日本を満喫!というノリでは全くなかったですが、半日、1人で自由に過ごせる時間ができたので、日頃 note を読んでいて積もりに積もった欲望を満たしに行きました。
日本の夏、、、田舎でしょう!
欲望、それは何か?それは、日本を感じてぇ~!ってことでした。noteの素敵な記事を読んでりゃ、そりゃそうです。田舎暮らしにキャンプもの、日々の雑記に旅行記。時に少々余計なお世話なリコメンデーションで出会う記事。難しい理由はない、遺伝子レベルで反応してしまいます。
でね、今は夏だから、だったら日本の夏を、自然を、つまり田舎を満喫したいでしょう!というストーリー。井上陽水か久石譲か、頭の中のBGMはそんな感じです。
待ち望んだ風景を探しに
と言うことで、舞台は新潟県十日町市でございます。なぜここか、動機はたまたまYouTube で観た風景なんすけどね。単純。棚田です。パンチ力あります。
松代と言う駅で下車して、観光協会で電動自転車を借ります。パナソニックのe-bikeというママチャリより機動性が高いモデル。乗ってみると、なかなかのスグレモノ。付近を周るのに電動なしは、正直相当キツい。というか絶対やらない。ガチの人、いましたけど。
梅雨明けの炎天下、おじさん、真夏のトレーニングです。(確かに私、オッサンなんすけどね、漕いでる時の気持ちは学生時代に自転車で北海道を旅した時を思い出して、そのノリでしたよ。)
さて、道中で一番感動したのは、田んぼの匂い。それは稲が成長している匂い。これだよな、夏の田舎って、という。文字にするの難しいな。テクノロジーで匂いも伝えられればいいのに。
それと、峠までの容赦無い坂を登りきったあと、下り坂を自転車全速力でぬるい風を切る時の快感。気持ちいい風圧ですよ。誰もいない道なもんだから、思わず雄叫びあげちゃったりして。
セミ、ひぐらし、たまに鳥の鳴き声。いいでしょ、田舎の”夏感”が満載で。これも動画でも伝わりきらないですね。周りの環境、つまり雰囲気とやっぱり"匂い"も込みなんすよね。
いよっ! ニッポン!
片道10km、サラッサラの汗でぐっしょり。お待ちかね、星峠の棚田です。じゃーん。Wow!スカッとします。
続いて少し別の場所にある”蒲生の棚田”。感心するのは、よくこの風景を切り取って、観光名所にしたよねってことです。このエリア、地形的な特徴もあって、似たような景色が至るところにありますからね。街おこしの人たちのセンスですね。
最後にもう一度、”星峠の棚田”。違うスマホで撮影したので、色味が違いますが、同じ日です。ニッポンっぽさがピンとくるのは ”田んぼ” なんすかね。この棚田、ウェブサイトやYouTubeで見ると、雲海もいいし、水鏡も素晴らしいです。
なんだけど、私としては、味わうのは”匂い”なんじゃないかと、思ってしまいます。
温泉で脱力
自転車で下半身パンパン、疲労困憊したら、もう1つの欲望、"温泉"です。結局1年間、バスタブに浸からなかったから、湯船自体が1年ぶり。お湯の中で全身をう〜んって伸ばす幸せよ。露天風呂から空を見上げる幸せよ。入浴後に、リクライニングチェアで脱力してしまう、これまた幸せよ。幸×3です。
新幹線の過ごし方
帰りの新幹線でお酒がないのは辛かった。断酒を継続していたため。今までなら、例えばサッポロビール 風味爽快ニシテ 500ml×2プシュ、あとはおやすみ!だったのが、そういう訳にいかない。ウィルキンソンの強炭酸水で我慢です。
また1年、頑張れるかな
元々日本イヤですって言って今がある訳ではなく、大したポリシーもなく外国で生活している身からすると、元も子もないけど、どこそこにいる時は、どこそこ最高!で、また違うところの時は、ここもイイね!って、どこでも適応できるポリバレント性が良いです。日本にいたら、日本が楽しい訳で。加えて、こうやって祖国ニッポンの禁断症状は出るんだし。私はたぶんこれ、遺伝子に組み込まれてるんです。
なんで、正直”脱日本”は無理っす。けれど、いろいろひと皮剥けて“脱日本”なメンタルは、この先どう生きても、楽なシーンは多いんだろうなって、黒く日焼けして電車待ってる駅で思いましたよ。
いやそれと、一人旅っていいっすね。仕事からも家族からも解放される”束の間の休息”ってやつです。たまにあると良いですね。