栄養療法のクリニックを卒業しました
患者としてはまだ卒業できていないのですが、今まで3年弱働いていた、栄養療法のクリニックのスタッフを卒業することとなりました。
栄養療法の専門のクリニックは全国でもまだ数えるほど。そんな専門性の高いクリニックで働けたことは、分子栄養学医学研究会認定カウンセラーとして、貴重な経験となりました。
最初は患者として
栄養療法の専門のクリニック、東京の四ッ谷にあるナチュラルアートクリニックですが、クリニックのことを知ったのは、分子栄養学実践講座に参加していたからです。私が分子栄養学実践講座に参加したのは、2017年の8期から。ナチュラルアートクリニック・御川安仁先生は1期からのご参加。
講座は全体で何人くらいいるのかわかりませんが、勉強会の会場には、毎回100名近くの参加があるので、全ての参加者と顔見知りになるのは難しいです。
そんな中、お誘いをいただいて、分子栄養学実践講座でも度々講師をされているK先生の少人数の勉強会に参加しました。そこで、私の血液検査結果を解析していただいて、もっと詳しく検査をしたほうがいい、とのことで、御川先生のところに行ってみては?とアドバイスされたのが始まりです。
それからしばらく、食事療法(グルテンフリー・カゼインフリー)に取組んで、自分なりに少しカラダを整えてからクリニックを受診しました。まずは患者としてクリニックに通院していました。
スタッフとして働くことに
当時は会社を辞めて、失業保険が給付されていた頃だったのですが、失業保険がちょうど終わる頃、クリニックでのスタッフ募集の案内がSNSで流れてきました。
失業保険は終了するものの、ibマッピングの資格試験が翌月にあったため、先のことは資格試験が終わってから考えよっかなぁ、と思っていた時でした。
募集要項の仕事の内容は、電子カルテの入力。栄養療法の用語もわかるし、長年、製薬メーカーで働いていたので、薬の名前もわかるし、私のための仕事かと思いました。
そして、失業保険がちょうど終わるタイミングで、アルバイトを始めました。転勤で体調を崩して会社を辞めて、まだ週5で勤務するほどには体力に自信がなかったので、最初は週2日の勤務。途中、他のスタッフが辞めたのでしばらく週3日勤務していましたが、新たなスタッフが入ったので週2日勤務に戻りました。
スタッフであり、修行でもあり、才能開花でもあり
一番重要な業務としては、先生が患者さんを診察しているのを、電子カルテに入力していきます。後から誰が見てもわかるように。変な加工はせず、会話をそのまま再現するように逐語録のように入力していました。そして、診察料や検査料の計算・入力、先生から出た検査や点滴の指示をナースに伝えます。
次の患者さんの過去のカルテを読み込み、前回までの診察の流れや、今回の診察ですべきことなどをまとめ、先生に伝えたり、患者さんにお渡しすべき検査結果や資料を準備したり。
ここまでが最低限のメインの業務。
他には、サプリメントの在庫の管理、電話での問い合わせへの対応、メールの返信、お会計、請求書の作成、サプリメントの発送などなど。ナースにしかできない、採血と点滴以外はなんでも、という感じでした。
修行になったのは、何と言っても、栄養療法の実際の治療に立ち会えること。患者さんの話し方、ファッション、髪質、肌質、緊張感と血液検査や他のバイオロジカル検査とのマッチングデータが膨大に脳内にストックできました。そして、患者さんの経過もわかるので、どんなサプリをどれくらいの期間飲めばどうなるのかという観察もできますし、どの治療がどれくらいドロップアウトしやすいのかも観察できます。患者さんがどんどん元気を取り戻していく姿は、やっぱり嬉しいです。患者さん本人にとっては、それは単に元通りの姿だったりもしますが、先生やスタッフにとっては、初診時の一番しんどかったであろう状態がその患者さんの印象のベースなので、それはもう、人が変わったかのようです。
また、先生の講演や学会発表のために、1,000件以上のデータを抽出し、グラフ化したり、相関関係を算出したりもしていました。この経験は貴重でした。もちろん最初は先生からの依頼でスタートはしますが、効率化を考えると、そこからある程度自分でも仮説を立てて、それであれば、この検査値も一緒にデータ化したほうがいいかも、など考えながら作業をするので、自分の仮説もどんどん研ぎ澄まされていきます。
これが才能開花の一つでした。グラフ化と相関関係の数式だったので、エクセルでできる範囲でしたが、私は、こんなの誰でもできると思っていたら、そうでもなかったのです。今まで、山ほど医学論文、文献を読んでいるので、ゴールがイメージできているのも大きかったかもしれません。さらに、パワーポイントも誰でもできると思ってたら、そうでもありませんでした。
そして、クリニックのHPがwordpressで作成されていて、その修正なども独学でするようになりました。これも、やれば誰でもできると思っていました。
これまた独学で、遠隔診療にzoomを導入したり、院内の勉強会をzoom配信したり、録画をyoutubeにアップしたり。これも独学だったので、やれば誰でもできると思っていました。
それが、クリニックで働いている間に、どうやら、誰でもできる訳ではないらしい、ということを実感しました。webで検索すれば、いくらでもやり方は書かれているのにね。教わらないとできないのか、教わらないとできないと思い込んでいるのか。教わったほうが早いことはよくありますが。
語学みたいなものと捉えています。若い間に着手すると、教わるというよりは、そういう環境に身を置くだけで習得できたりしますが、後からだと教わらないとわからないし、教わっても、それを使わない環境だとなかなか身につかない。子供のうちに日本語が話せるようになれば、本を読めばボキャブラリーが増えますが、私が今からアラビア語を習ったとして、自分でアラビア語の本が読めるようになって、本を読むだけでボキャブラリーを増やしていくのは、かなり遠い未来です。本を読んだらボキャブラリーが増えるというステージが、webで検索したらやり方が習得できるのと同等レベルなのかもしれません。
それがわかったので、今では、ひとり開業をされているカウンセラー・セラピストの方に対して、画像作成やスライド作成、ランディングページの作成を教える仕事を副業でやっています。クリニックでの経験がなければ、誰でもできることだと本気で思っていたので、これが仕事になるなんて、思いもしませんでした。
日本人に日本語教える??みたいな感覚だったのが、日本人にアラビア語を教える感覚になりました。
なので、パソコンが苦手だなんて思わないでくださいね。たまたま今までそういう環境じゃなかっただけですので。アラビア語に触れる機会がなかったのと同じです。
栄養療法以外にも学んだことは大きかった
栄養療法の実習のつもりで働き始めましたが、卒業してみると、栄養療法以外にも学んだことがたくさんありました。
実は、途中、自分の起業のほうのウエイトを高めるために、辞めようかどうしようか悩んでいると、私の師匠に相談したところ、「うーん、オリンピックが終わる頃かな、9月。」と言われていたのです。(オリンピックが延期される前です。)
結局は、コロナにより診療体制の見直しがあり、それで卒業することになったのですが、結果的に、師匠の予言の時期とピッタリでした。いったい師匠の目には何が見えていたんでしょうね?
ということで、新しいステージに突入です! どうなるか楽しみ~。
お知らせ
脱疲労コンサルタント・川上おとじ
脱疲労.net https://datsuhirou.net