上手くなれる野球審判テクニック【#011】-球審用マスク
ここ数年で、球審用マスクの色が多様化しています。
MLB、NPBのアンパイアを見ていると、フレームは「ブラック」、「シルバー」が主流ですね。
またマスクパッドは「ブラック」、「タン」などが多いようです。
私が審判を始めたはるか昔は、フレームもパッドも何故か「ネイビー」が主流でした。
野球規則では「マスクの色」についての規定はありませんので、「何色でも良い!」となりそうですが、メーカー既成の「審判用マスク」は「ブラック」、「シルバー」、「ネイビー」に限定されているようです。
半面、キャッチャー用のマスク色は様々で、「ブラック」、「シルバー」以外にも「ブルー」、「レッド」、「ホワイト」などがあるようです。
マスクフレームの構造
マスクフレームの構造は、投球判定する際の障害にならないよう「アイライン」は、横に空いていて縦の補強はありません。
また硬式用と軟式用でアイラインの幅が微妙に異なります。
軟式用ボールはゴム製のため、見た目のサイズが変化しアイラインから「中に飛び込む」ことがあるためケガの防止のために「狭く」作られています。
アイラインを狭くすることにより「マスクの強度」を保つため、硬式用より「横バー」が1本多いのが特徴です。
実際にはこの1本多い「横バー」で、低めの投球判定に支障がでることもありますので、マスクを選ぶ際はぜひご注目ください。
実経験として若いころですが、フレームをすり抜けて目の前まで入ったことがあります。雨の日の球審で、今のボールの前の「軟式A号」でした。
一瞬ボールの行方が分からなくなり、ふとマスクを外すと「ポロリ」と落ちてきたのです。
幸い顔にケガはなく大事には至りませんでしたが、ヒヤリとした場面です。
色の違い
では、色の違いによる影響はどうでしょうか?
まずは主流のブラック。
ブラックのフェイスマスクを着用すると「引き締まって」見えます。
また「白いボール」を使う野球にとって反対色である黒は「混在しない色」のため使用されているのではないか!と思っています。
(白と黒については「上手くなれる野球審判テクニック【#003】-白い〇〇、黒い〇〇-」を参照)
逆に「全帯域にわたりむらなく感得されないこと」から見れば、「常に認識してしまう色」ということです。
また、白いボールに対して「最も重複しにくい」という特徴もあります。
横に広がる「アイライン」の幅の中では邪魔になりませんが、そのエリアを超えた上下では「必ず視野に入る色」とも言えます。
このことは顔とマスクの距離が「近い」ことで、気にならないということもありますね。
当然投球判定は「18.44m」先のピッチャーに視点を合わせているので、マスクフレームは無意識に見ていません。
また、いわゆる「縦カーブ」や「スプリット」「フォーク」といった縦に移動する変化球の判定では、目を縦に動かす「縦トラッキング」が必要となり、また低めの投球判定には、自分の目を2~3本の横バーを通過させて判定しています。
僕は一時的にシルバーフレームのマスクを使用していましたが、今は「ブラック」を使用しています。
一方シルバーはどうでしょうか?
先述した「ブラック」の特徴と違い視界の邪魔をすることは軽減されます。そのため「トラッキング」時の影響については、ほとんど気にすることはありません。
しかし、色の特性として「拡散するため」、実際のサイズより「大きく」見えてしまうことがあります。
どちらの色を選ぶかは、審判の好みやプレイスタイルによって異なります。ボールの色と区別しやすいことを重視するならブラック、視認性を重視するならシルバーがおすすめです。ご購入の際の参考にしてください。
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